【第125話】
マミー戦
エビルマージが魔物を召喚した。
棺から次々とミイラ男が出てくる。マミーという魔物のようだ。俺達を実験材料にするらしい。
ここで死ねば、俺もあの魔物の仲間入りってことか。
魔物の数は棺の数と同じ二十体程。こちらより少し多いくらいだ。
だが、一人一体と相手をしてゼネテスや俺が二体受ければなんとかなる。親方はエビルマージに専念できるはずだ。
だが、その目論見は早くも崩れ去った。
ゆっくりと棺から出たときの動きからはまったく想像できない俊敏な動きで、一匹のマミーが突然仲間の一人の頭をつかみ、粉砕した。頭を失った仲間が血を吹きだしながら崩れ落ちる。あまりに残酷な殺され方だ。
「こいつら、早いぞ!」
ゼネテスが皆に警告の声をあげる。
俺達は皆武器を持ち、マミー達に立ち向かう。俺が対峙したマミーは少し大柄で俺と同じくらいの大きさだった。
俺が素早く剣を振りかざすが、動きを読まれたのか横にかわされる。
コイツら・・・並の戦士のような身のさばきをしている。
続けざま、剣を横に振るったがこれもかわされた。逆にマミーは拳を繰り出して突きを放ってきた。
すんでのところでかこちらもかわすが動きが早い。まるで武道家のようだ。
ちくしょう、とてもだが二体同時に引き受けられぇ。
横目でちらっとゼネテスを見たが、ゼネテスは二体の魔物を相手に戦っていたが押されていた。
トールはマヌーサの魔法を唱え、なんとか攻撃を凌いでいた。
さらに魔物の数は俺達より多いので運悪く二匹のマミーと対峙したものはたちまち命を奪われた。
仲間が減れば、他の仲間が二体のマミーを引き受ける、そいつも命を奪われる、たちまち俺達半数の仲間を失った。
マズイ。このままでは全滅だ。
「みんな、一箇所に集まれ!!!」
ゼネテスが声をあげた俺達は本能的に部屋の中心にあつまり、皆背中あわせをする。
「やべぇぞ・・・」
俺は後ろのゼネテスに声をかける。
「魔物のレベルが高すぎる・・・」
ゼネテスが苦しそうに答える。マミーは真中に集まった俺達を包囲し、徐々に近づいてくる。
円の外側にいる親方が助けに入ろうとした。
”老人、おまえの相手は私だろ”
エビルマージが邪魔をする。
「そこをどけぃ!!!」
親方が雷神の剣を振りかざし、ベギラゴンを放った。
第126話 エビルマージ戦
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