【第41話】

シャンパーニの塔


シャンパーニの塔に着いた俺達は、

塔の入り口に立っていた見張りに王の紹介状を見せた。

見張りの男は、俺達を塔の中に案内した。

はたしてカンダタに会えるのだろうか。




塔の中に入ると中は単純な通路ではなく

複雑に入りこんでいた。

案内人は無言で俺達の前を歩く。


何か話しかけようとも思ったが、案内状を預かったとはいえ、

王からは、ここにカンダタがいるということ以外は何も聞かされていない。

下手なことを言い、カンダタと会えなくなるということもありえるので

黙ってついていくことにした。

リュックも少し緊張した面持ちである。


しばらく行くと階段があり、二階に上がる。

塔の中は薄暗かったが、今日は天気が良かったので

若干光はさしこんでいた。


さらに入り組んだ通路を歩き三階に行く。

三階も入り組んだ通路を歩き四階へ、

そして四階では一見壁と思ったところを押すとそこが隠し扉で

五階に続く道があった。


いったい、ここはなんなんだ。


どう見ても監視のために建てられた普通の塔ではない。

外部からの進入を阻むように作られている。


5階には、何人かの男が椅子に腰かけていて

俺達が部屋に入った瞬間、全員の視線を集めた。

その視線はどの男も鋭かった。

格好は鎧を着ているわけではなく、

私服だったが、腰にはナイフなどを身につけていた。

どうみても兵士の格好ではない。


しかし何かを話しかけるということもなく、ただ俺たちを見ているだけだ。

俺達も無言のまま、その男達の前を通りすぎる。


さらに六階に上がっていくとそこが最上階の部屋らしく

外の景色がよく見えた。


「親方、連れてきました」


そう言って、部屋に入った。

部屋はきれいに整頓されていて今までの階とは別世界だった。

棚などには豪華そうな壷や骨董品らしきものが置いてある。

一目見ただけでそれが高価なものだとわかった。


そして部屋の真中に大きめな椅子に腰かける老人、

”ヤツ”がいた。


第42話 再会

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