凍てつく波動
私の精神力を上回る、死の呪文だった。
どんなことでもあきらめない。
あきらめたくない。
しかし、苦痛はそれ以上に大きい。
い、いやだ・・・・絶対に屈服するのはい・・・や・・・・・・・・・
「い・・・いや・・・・・
・・・・誰が・・・・
おまえなんかに・・・・絶対に・・・・負けない・・・・」
”強情な奴だ”
”では、貴様、そのものを、私が取り込んでやろう”
闇、死、でかたどられている魔王の影は、
その霧で私を覆い隠そうとする。
死の世界へ引きずり込もうと。
「イヤァァァァァァ!!!!」
私は絶叫が響き渡る。
「チェルトぉ~~~~!!!!」
はぐりんがその様子を見て泣きじゃくる。
「は、はぐりん・・・・
あなただけでも・・・逃げて・・・・・
ここは私が・・・なんとか・・・・する・・・・から・・・」
かすかな霧の隙間から、私はそう言い、
そして、事切れた。
そして、闇は、私を完全に覆い隠した。
”ようやく・・・・・私の一部になったか・・・・”
「チェルト、チェルト!!!!!!!!!」
その時である。
私の体が、魔王の影で覆い隠されたと同時に
はぐりんの身体が輝きだす。
その輝きは、まるで虹の光。
”グッ・・・・・グワァアアアァア!!!!!!!”
はぐりんから発せられる光は
魔王の影を溶かすように、広がっていく。
”き、貴様・・・・・・
それは、すべての魔法を無力化する、凍てつく波動・・・・・・
いったい、何者・・・・・・
ま、まさか・・・貴様は・・・・・・・・”
「チェルト!!!!!!!!!!」
はぐりんの輝きはさらに増した。
”グワァアアアァア!!!!!!!ヤメロォォォォォ!!!!!”
魔王の影は絶叫を残し、光によってかき消されてしまった。
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