「しばし待て!」
宿へ向かうエム・カトーへ道端の木の上からそう声が投げかけられた。
次の瞬間、数歩の距離を隔てた地面に、黒い帽子に黒い服、黒いマントを
まとい黒い鞘に入った長剣を腰に下げた人物が舞い降りた。
「スペ・ア・リヴに宿屋の娘を渡すわけには行かぬ!」(by 黒服の人物)
「間に合ってますから、他をあたってください」(by エム・カトー)
「いやお客さん、話は最後までちゃんと・・・って新聞の勧誘と違うわっ!」
「それは失礼しました。私はこういうものです」
「あ、こちらこそ、私は・・・って名刺交換してどうするっ!!」
「公衆トイレならそこの公園に・・・」
「誰がいつトイレの場所を訊いたっ!!!」
ようやく漫才に一区切りをつけ、黒服の男は言葉を続けた。
「私の名は奴児哈赤(ヌルハチ)、清王朝の太祖にして・・・じゃなかった、
レヌール公王の一族にして機動装甲兵団元帥、そして暗黒剣『竜斗』の使い手。
アルカパは奪回させていただく!」
「ああ、それなら村の裏で何頭か放し飼いにされてましたね」
「それはアルカパだっ! 私が言ってるのはアルパカだっ!!」
「逆ですよ」
「・・・・・『竜斗』で跡形もなく消されたいか?」
「丁重にお断りしておきます」
奴児哈赤の苦労は続く。
「しばし待て!」 ダーマへ向かおうとしたじいさん達へ道端の木の上からそう声が投げかけられた。 次の瞬間、数歩の距離を隔てた地面に、黒い帽子に黒い服、黒いマントを まとい黒い鞘に入った長剣を腰に下げた人物が舞い降りた。
「お主らを邪教祖スペ・ア・リヴに会わせるわけには行かぬ!」(by 黒服の人物)
「わしらは忙しいんじゃ。また後日訪ねてきてくれんかの?」(by じいさん) 「いやお客さん・・・ってもうこのパターンはやらんぞっ!!」 「なんのことじゃ??」 「いや・・・こっちの話だ」 「そうかの。それじゃあ失礼させていただくとするかの・・・」 「だから人の言ってることを聞かんかぁぁ!!」 ヌルツーの苦労も続く。
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第80話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「さて・・・・おふざけはこの辺にして・・・・ 今、邪教祖のところにいかれては困るのでな」
「なんじゃと?」
「今、奴は、転職の神殿ダーマの隠された力により、 進化をつげようとしている。 まぁ・・・・奴が強くなるのは気に食わないが、一応仲間だからな。 それで私がお相手いたそう」
ヌルツーが、長剣を抜き放つ。
そこへ、突然、ヌルツーの周りに爆発が起きる。
「くそ!」
女魔法使いのイオラだった。 それに立て続け、戦士が、斧で切りかかる。 すんでのところで、ヌルツーは交わす。
「おじいさん・・じゃなかった、賢者さんと弥生さんは 早く、邪教祖の元へ!」
「そうデス。ここは私たちが食い止めマス」
「すまんの。ではわしらは先に行ってるぞ」
「そうはいくか!」
ヌルツーが、戦士の斧をふりはらい、 長剣で、切りかかろうとしたとき、 鋭い金属音が、ヌルツーの剣をかまえた。
遊び人だ。
遊び人の小刀だ。
「おぉっと・・・・ いま、あのじいさんに死なれてもこまるんでな。 俺が相手だ。 このまま、遊び人のふりをしていてもよかったが、 今はそれどころでもないからな」
「貴様・・・まさか、その小刀の使い方は、盗賊?」
「当たりだ。俺の剣さばきもナミじゃないぜ」
すばやく、もう1本のショートソードを抜き、 ヌルツーに振るう。
すんでのところで交わす。 いや、ヌルツーの顔に傷が。
「ほぉ・・・・・・ よくかわしたな・・・・」
盗賊は互角以上にヌルツーと渡り合っていた。
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第81話 |
魔遊繭さん |
339000HIT |
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第82話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
進化の秘法で化け物化した、邪教祖スペアリブ。
「ダーマの隠された力というのは、進化の秘法じゃったのか・・ 過去に、地獄の帝王エスターク、そして、魔王軍デスピサロが この世を地獄にしたと言われておる・・・・」
「どうにか、とめる方法はないのですか?」
「進化の秘法は”黄金の腕輪”という腕輪の魔力を使って 自らを強化する秘法じゃ。 だから、その腕輪をはずせば、もしかしたら戻るかもせん・・・・」
「あの腕輪がそうですね!」
「そうじゃ。 まずはあの化け物の右腕をねらえ。 あの腕を切り落とさなければ、我々に勝ち目はないぞ」
「あ、邪教祖がこちらに気が付きました!」
邪教祖は、じいさんと弥生を見つけると、 はげしい炎をはきだした。
「フバーハ!」
じいさんは、杖をふりかざし、光の衣で炎をおさえる。
「いつまでもおさえられん・・」
「ヒャダルコ!」
弥生もヒャダルコをとなえ、応戦する。
熾烈な戦いとなった。
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第83話 |
スペアリブさん |
346000HIT |
絶体絶命か!と思ったその時、急に邪教祖の躰に異変が起きた。 「ぐぬっ!?」 邪教祖の躰から紫色の煙が発され、みるみるうちに姿を変えていく・・・・・・。 「なっ!?」 じいさんと弥生は、変貌する邪教祖をみて愕然とした。 「スペ・ア・リヴじゃないわ!」 弥生の目に映ったのは邪教祖の姿ではなく、30代ぐらいの男の姿だった。 「こ、こやつ・・・・・邪教祖の配下の・・・・!」 すると上空から禍禍しい声が聞こえてきた。 ”やはり、身代りには務まらなかったか・・・・・” 聞こえてきたのは他でもない、邪教祖の声であった。 ”進化の秘法に耐えうる躰でなければやはり自己崩壊を起してしまうか・・・・ フフフ、まぁ良い実験にはなったわ・・・・。” 「じ、実験の為に部下を犠牲にしたっていうの!?」 弥生は怒りを込めて邪教祖に問うた。 ”貴様も要らなくなった道具は棄てるであろう?それと同じだ・・・・” 「なんですってぇ〜〜〜っ!!!」 弥生は声の方に向かって魔法を放った。 が、異世界からテレパシーで話している邪教祖に届くはずがなかった。 ”フフフ、そう急かすな。余の下に現われたときには相手をしてやろう・・・・ ではさらばだっ! あ、どうでもいいことだが、「進化の秘宝」ではなく、「進化の秘法」だぞ! さらばだ・・・・” 「・・・・そういえばそうよね。」 「・・・・・・じゃのう。」 声だけでどうやって二つの漢字の違いが見極められたのか?というのは置いておいて、 彼らは、これから戦う魔物達の強大さを改めて知ることとなった・・・・・。 しかし、この状況に対応できない魔物達はダーマから一目散に逃げ出し、 ダーマでの魔物の戦いは停戦を迎えた。 これで事実上ダーマを奪還したことになった。 ただしじいさんたちには疑問が残る。 これほどの大神殿をそう易々と手放したりするであろうか? それとも、元々この神殿は狙いではなかったのか? 我々をおびき寄せる為にわざわざダーマを標的にしただけではないのか? そう・・・進化の秘宝、もとい、進化の秘法の実験の為に・・・・・。 魔物達の計り知れない憶測を感じ、あらためて恐ろしさを感じることとなった・・・・。 季節はすっかり夏に変わり、ダーマ周辺ではジメっとした暑い気候に変わった。 この頃には元のダーマの姿へと戻っていた。 夏真っ盛りの8月中旬、ダーマ再建記念の祝典が、神殿内で催された。 そして、神殿の玉座の間にてじいさん達の表彰式が行われた。 「再び、この職業を司る神殿も元の姿になりました。 あなた方のご功績、心から感謝致します。」 ダーマ神官はじいさん達に礼を述べた後、こう続けた。 「あなた達の旅の目的地はジパングだと伺いました。 この神殿の地下に、ジパングへ通づる旅の扉が御座います。 どうぞ、それをお使い下さい。 ポルトガから再びこちらに戻るのは骨が折れますでしょう?」 じいさんたちにとって、なんとも嬉しい申し出だった。 じいさん達はこれを快諾し、ポルトガを無視してジパングへと旅だった・・・・。 「な、なつかしい・・・私の故郷・・・・・・」 ここは、ジパング東の「ウラガ」という街。 農耕と牧畜が主流のジパングで、南方の「ナガサキ」と共に港町として独自に栄えてきた。 じいさんたちは、ここである事件に遭遇することになった。 「て、てぇへんだぁ!東の海から大きな黒い船が100隻近くもあらわれやがった!!」 ウラガ港に、水平線を埋めるほどの数の鉄で出来た船がやってきたのであった。 これらの船は、ジパングからはるか東方に位置する、 「タキバーグ」という国からやって来た軍船であった。 そして、黒船はウラガ港に着船し、中から一人の男が降りてきた。 タキバーグ海軍のペルー提督であった。 彼は、長い間鎖国を続けてきたこのジパングに開国するよう要求する為、 この地にきたのであった。 ペルーはウラガ市の領主に、こう語った。 「ネェ、カイコクシテクレサ〜イ。カ〜イコクシ〜テクレサイヨ〜! ネェ、モウ、オォ〜、ネェ〜、イイジャナイノョオ〜〜、 ヘ〜ルモンジャナ〜シ〜〜〜! ペル〜、トテモカナシ〜、カナシ〜デス、ネェ、カ〜イコクシ〜テクレサイヨ〜モウッ セイイミセレクレサイヨォ〜〜〜、ネェ、モウッ、ネェッ! ナニ、モウ・・・・チョンマゲッ!・・・・・(この後延々と6分以上・・・・)」 彼は一体じいさんたちとどう関係してくるのだろうか? |
第84話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
第84話の原稿を消失してしまいました。ごめんなさい〜 |
第85話 |
スペアリブさん |
351000HIT |
ここはジパングの首都、トウキョー。 とはいったものの、港町で外国との貿易のあるウラガやナガサキに比べると、 まだまだ発展途上の都市である。 しかし、トウキョー市内のマルノウチという街にある卑弥呼の神殿の周辺は、 他とは違うただならぬ雰囲気をもっていた。 他の街と違う点は2つ。 極端に拓けているのと、その割に全くといって良いほど賑わいがない点である。 じいさん達が訪れてきた他の国の城下町とは比にならぬほどの静寂さを漂わせている。 じいさんとやよいはこのただならぬ雰囲気に、邪なる波動を感じた。 この神殿にはなにかがある・・・・・。 そう考えると、自然に体が身震いし始めた。
ペルーとその護衛達と共に、大手門と呼ばれる神殿の門の前へ向かった。 すると、門兵がこちらに近寄り、こう述べた。
「ここは我等が主、八又国蛇龍巫皇、卑弥呼女皇殿下の聖殿なるぞ! 公の民は、入城はおろか近寄る事も出来ぬのを知らぬのか! 早々に立去らねば、この場で貴様等を処刑することになるぞ!」
すると弥生は、懐から小さな勾玉を取り出し兵に向かってこう述べた。
「私は巫皇様に給仕する、一級巫女非限定の神戸 弥生です。」
すると門兵は、「ぶ、無礼をお許しを!」と、下兵に開門を命じた。
それを見ていたじいさんは、驚いた目で弥生の方を見てこう言った。
「お主、そんな素性を持っておったのか。 ただの神社のバイト巫女だと思ってたが、人はみかけによらんのう。」
「バイト?なによそれ?」
と、弥生が問うと、
「バイト? アルバイトノコトレース。パートタイムジョブレ〜ス。」
と、ペルーが答えた。
「・・・・さらに解らないわよ・・・・。」
何はともあれ、弥生達は神殿の奥へと進んだ・・・・。
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第86話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「さぁ・・・・卑弥呼様がお待ちです。 こちらへ・・・・」
弥生とじいさん、ペルーの3人は、 卑弥呼のところに通された。
卑弥呼と弥生たちの間には、薄い布がひかれていて 卑弥呼の姿を見ることができなかった。
「卑弥呼様・・・・?」
「弥生か?」
「はい・・・・卑弥呼様、なぜ・・・・お姿を見せてくださらないのですか?」
「今、わらわは、不治の病にかかっていての・・・・ 伝染性のものなのじゃ・・」
「卑弥呼様! そ、それじゃ・・・・」
「すまんの、弥生・・・ せっかくジパングに戻ってきたのにおぬしの顔も見ることもできん・・・・」
「卑弥呼様・・・・私は・・・私は・・・ これからどうすれば・・・・ 卑弥呼様を助ける方法は・・・・ないのでしょうか・・・・」
「だが・・・・・ 灼熱の洞窟には・・・・秘草パテキアの種があると言われている・・・ もしかしたら、それを使えば・・・ 助かるかもしれん・・・ しかし、おまえが知っているとおり、今、この国はやまたのオロチによって 危機に陥っている・・・ それをとりにいけるほどの戦士がいないのじゃ・・・・ 「私が・・・・とってきます。 卑弥呼様・・・・ 私が・・・必ず・・・・卑弥呼様のお体を 直して見せます・・・・」
「ようやく、糸がつながったわ・・・ 私はもともと、疑問に思っていたことは、 ジパングは今、八又の大蛇なる怪物に襲われていているのに、 それなのに、 卑弥呼様が、大蛇のいる祠に入っていくのをみて 真相を確かめたいということだったんだけれど・・・・ 民に心配をかけたくないため、どうにか卑弥呼様は パテキアの種をとりにいっていたのね・・・」
「それは・・・・どうかの?」
「え? どうしたのですか?」
「おぬしの目は節穴か・・・・」
「なにか・・・・」
「あれが、卑弥呼なものかい・・・・」
賢者じいさんは何かに感ずいたようだった。
クックックッ・・・・ 弥生が帰ってきたか・・・・ 最強の戦士の体がな・・・・ わらわの体はもうすぐ朽ち老いてしまう・・・ しかし、あの体を手に入れれば・・・わらわは・・・・ クックックッ・・・・
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第87話 |
ヌルさん |
390000HIT |
「えぇ!!卑弥呼様がヤマタノオロチといわれるんですか!!??」 「恐らくそうじゃろうな.」 じいさんの推測に驚く弥生. 「しかし長年仕えてきた私が見たところでも卑弥呼様に間違いありませんでしたよ!」 「だから節穴じゃと言うておる.」 「じゃあ何を根拠に!!」 「長年の感じゃ.」 「え……?」 「亀の甲より年の功じゃよ. ファッファッファ.」 「……….」 「待て冗談じゃ!!ジョウダン!!!」 立ち上がってジパング独特の床張り, タタミを1枚ひっぺがして振り上げる弥生を前に狼狽するじいさん. 「邪気じゃ.」 「邪気…?」 「それも隠しきれないほどのな…. 相当強いぞ,ヤツは….」 「……….」 息を呑む弥生. そこへ…. 「チョトイイレスカァ〜,カイコクシテクレサイヨォ〜レス〜〜.」 と言いつつこれまたジパング特有の扉フスマを開けてペルーが入ってきた.
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第88話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「カイコクシテクダサイヨ〜」
「ちょっと、ペルーさんは、黙っていてくださいね。 今、大切な話をしているんですから」
「カイコクシテクダサイヨ〜」
「もう、しつこい! 開国もなにも、肝心の卑弥呼様が・・・・・・」
「ドウシマシタカ?」
「いいえ・・・・・」
「ヒミコガ、マモノでアルトイウコトデスカ?」
「ど、どうして、あなたそれを知っているの!!!!」
「オォ〜 ワタシイロンナヒトミテマス〜 アノヒトカラハニンゲンノカンジハシナカッタデス〜」
「あなた・・・・ただものじゃないわね・・・・」
「どっちにしろ、灼熱の洞窟に、秘草パテキアがあるとのことじゃ。 それをとって、偽卑弥呼をおびき出すしかなかろうて」
「ソレナラワタシモツレテイッテクダサイ〜 ワタシモタタカエマス〜」
「ほんと!?」
「ホントデス〜 ワタシ、フェイシング、ヤッテイタノデ、 ケンノココロエアリマス〜」
「フェイシング?」
「ケンジュツノコトデス〜」
「とにかく、戦える人がもう一人でも増えてよかったわ」
「じゃぁ、灼熱の洞窟にいくかのぉ・・・」
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第89話 |
M・加藤さん |
420000HIT |
その頃、灼熱の洞窟の地下深くにあるいけにえの祭壇では… 「ふっ、第49話で私に氷漬けにされておきながら、 自らの幻影を作り出してまでジパングを支配しようとするとはな」 もはやとうの昔に忘れ去られたエピソードをつぶやいているのは、 言わずと知れたさすらいのヒーロー、ヌルツーである。 「あの時に止どめをさしておかなかったのは間違いだった。 まあ別にお前みたいに諦めが悪いやつは珍しくはないが…。 今度こそは粒子レベルまで粉砕してやろう」 そう言って氷塊の中に封印されているヤマタノオロチを見据えると、 ヌルツーは左腕を頭上にかざした。 「メテオ・スウォーム!」 天空より無数の隕石が招来し、氷塊に降り注いだ。 洞窟の中でどうやって隕石が降ってくるのか、 などというお約束の質問はしてはいけない。 隕石の嵐がおさまった後、祭壇の上には何も残っていなかった。
「コレガワタシノケンデス〜」 ペルーは布の中から、複雑な模様の描かれた一振りの剣を取り出した。 「コレ、オウジャノケントイイマス〜。 トテモツヨイデスヨ〜。 ワタシコレデサマンオサノボストロールヲ イットウリョウダンシテタオシマシタ〜。 フネノナカニハヒカリノヨロイトイウボウグモアリマス〜。 リョウホウトモワタシノトッツァンカラウケツギマシタ〜」 その時、襖が開いて一人の侍女が姿を現わした。 「大変です! 卑弥呼様が急に白く光り輝いた後、消えてしまわれました!」
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第90話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「卑弥呼様が消えた!?」 「どういうことじゃ・・・・・」 卑弥呼の間にいくと確かに卑弥呼の姿は消えていて、 そのあとには、一つの紫色に輝く玉があった。 「これは、何・・・・・」 「聞いたことあるぞい。 これは、パープルオーブといって、伝説の不死鳥ラーミアをよみがえらせる宝石じゃ」 「何で、そんなものがあるの!」 「わからないが・・・・卑弥呼がもっていたものかもしれないの。 どっちにしろ、このままではわからぬ。 灼熱の洞窟しか手がかりがない以上、いってみるしかなかろうて・・・」 「そうね・・・・」 灼熱の洞窟に突入した、じいさん、弥生、ペルー3人。 「ところで、ちょっと気になったんだけれどさ、 ペルーがいっていた、ボストロールって何?」 「しらんのぉ・・・」 弥生とじいさんは、ペルーに聞こえないようにひそひそ声で話す。 ボストロールは、サマオンサか、アレフガルド(この時点ではアレフガルドの存在はまったく知られてない)にしかいないため、 じいさんと弥生はペルーのすごさがまったくわからなかった。 「どうせ、スライムか何かの仲間だと思うわ。 灼熱の洞窟で足をひっぱらなければいいけれど・・・・」 「しかし、たいそうな剣をもっているのぉ。 ん? この剣と鎧の紋章はどこかで見覚えが・・・・・ どこで見たかのぉ〜 思い出せんのぉ〜」 じいさん賢者は、王者の剣と光の鎧に刻まれている しるしを過去に見たことがあるようだった。 |
第91話 |
ヌルさん |
430000HIT |
最強の魔導・爺さん,ジパング最強の巫女・弥生,そしてひょっとしたら勇者! !??ペルーの一行は洞窟内の敵などものともせずに突き進む. そして…. 「見てみぃ!!祭壇じゃ!!あそこに大蛇はいるはずじゃて!!」 「…!!」 気を引き締め武器を構え直す弥生. 「デモオカシイレスネェ.邪気ガ感ジラレマセン.」 「そうじゃな….それをワシも不審に思うていたところじゃ.」 祭壇の辺りを丹念に調べる一行. 「本当にいないみたいね….それにこの隕石群….何なのかしら.」
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第92話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
目の前の瓦礫を唖然と見る三人。 「フフフ・・・・・・」 そのとき、不的な笑いが。 「待っていたぞ、おまえたちが来るのを・・・・・・・・」 「だ、だれ!?」 「アナタ、ダレレスカ〜」 「わたしは、ヌルツー。 おまえ達が探していたやまたのおろちは私が倒した」 「えぇ!」 「なんと!」 「ということは、あなたは私たちの仲間なの?」 「フフフ・・・・・ それは違うな。 私が、やまたのおろちを倒したのはあくまで、 奴がもっていたパープルオーブを奪うため。 しかし、 こやつが持っていなかった。 たぶん、ジパングの国にあると思ったが のこのこと、おまえらが持ってきてくれたとはな。 命が欲しかったら、そこのオーブをおいていくがいい」 「あなたは、人間じゃないの? だから、魔王バラモスの配下のやまたのおろちを倒したんじゃないの?」 「何度も言わせるな。 やまたのおろちを倒したのは、パープルオーブを手に入れるために過ぎない。 私の計画を邪魔するものは、生かしてはおけん」 ヌルツーは、冷ややかに弥生に言い放った。 「素直に渡さないのなら、おまえ達も倒すまで」 ヌルーは、剣を抜き放ち、襲いかかってきた。
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第93話 |
ヌルさん |
490000HIT |
カキィーーーーーーーーーーン!!! ヌルツーの剣を受け止めた者がいる. 「ぬ?おぬし,ぺりいか!」 「闇ノ軍ニソノ人有リトウタワレタ,ヌルツート聞イテ手合アワ願ワナイワケニ ハ参ラナイレ〜ス!!」 「ボストロールの一件は聞いている. よくぞやってくれたわ!!」 「フフフ. ワタシノコトシッテマスネ〜!! ナラ私ト勝負レ〜ス!!」 そこからが長い. 2人は打ち合うこと20合. よく打ち,しかしよく受け止め,お互い致命傷には至らない. それを見守る弥生と爺さん. 2人の真剣勝負に手が出せない. と! 「ふっ.オーブはもらった.」 ヌルツーの手に紫色の玉が. 「なにぃ!!しまったぞい!!」 見物していた爺さんは隙をつかれ取られてしまったのだった!! 「これさえ在れば用はない!!ぺりぃ!!勝負預けるぞ!!」 と言い放つと煙の如く消えてしまった. 「もぅ〜〜〜〜!!何やってるんですか!!!!!!!!!!!!」 怒る弥生. 「しかしラーミアなど必要在るまい. 必要なところへ行くわけでもあるまいし.」 あっけらかんの爺さん. 「まあそれもそうね.」 「カイコクガイチバンノモクヒョウレスカラネェ〜!」 いいんかお二人さん(爆). |
第94話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
結局、まんまとパープルオーブを奪われた、やよいたちは 洞窟を出て、ジパングに戻ってきた. 当然ながら、卑弥呼に化けていたやまたのおろちは、倒されたため、 ジパングは混乱に陥れられた。 卑弥呼がすんでいた館のなかでも ジパングの重鎮たちが、あわてていた。 「卑弥呼さまが、魔物だったとは・・・・」 「いったい、これからどうなるの?」 「もう、ジパングは終わりじゃ・・・」 そこへ 「みんな静かにして!」 弥生が、凛とした声で話した. あたりは静かになる。 「確かに、卑弥呼様は、やまたのおろちだったわ。 それはすごく残念だった・・・・・ でも、だからといって私たちの国がかわるわけじゃない。 ジパングはジパングよ。 みんなで、やっていけば、きっと だから、みんなでがんばりましょうよ。 私たちができることは、過去のことをどうするというのではなくて これからどうするかってことでしょ? だったら、みんなで私たちのジパングを作っていきましょう」 みんなが聞き入る。 「弥生・・・・・おぬし、ジパングの長になってみないか?」 一人のジパングの長老がそういう。 すると、他のものも 「弥生なら、いいじゃないか」 「そうだ、弥生がいる」 と、言い出した. 「え? えぇ!?」 やまたのおろちが倒されて、3日がたった。 結局、弥生は、ジパングの長を引き受けた。 なによりジパングが好きだったから。 しかし、それは、じいさんやペルーと分かれることも意味していた。 |
第95話 |
M・加藤さん |
505000HIT |
半月後、ジパング長老会が招集した各地の頭領が集まり、 弥生のジパングの長への就任の件が討議された。 そして、いとも簡単に否決された。 反対の急先鋒は筑紫、熊襲、奥羽、蝦夷の代表陣。 彼らが指摘した弥生の欠陥は次の4つである。 1.ただの下級巫女に過ぎない位 2.統治能力を不確定性 3.決断力の甘さ 4.国宝「紫宝珠」が奪われた場に居合わせながら何も講じなかった これらの明確な指摘は、長老会の甘い認識を羽毛のように吹き飛ばした。 「もし、1年以内にこれら全ての欠点を覆す事が出来るなら、 改めてお前を長候補として考慮しよう。 それまでか別の新たな候補者が上がるまでは、 長老会と各頭領の合議制で国を運営することとする」 彼らは畏まる弥生に向けてそう言い放った。 「それでは、どのようにすればそれらを克服したとみなしていただけるでしょうか?」 そう問い掛けた弥生に対する返答は、辛辣だが道理にかなったものだった。 「その様な事もわからずして一国の長となるつもりだったのか?」 蒼ざめた弥生は、一礼して退出した。
「ナンカ後継者問題ニナッテキマシタネ。 歴史上、世継ギ争イガ国ヲ滅ボス元ニナッタコトハ多インデスヨ。 コノ国ガソノ例ニ倣ウカ、ソレトモ画期的ナ解決法ヲ見ツケルノカ、 面白クナッテキソウデス。 私ハ今回ハトリアエズ国書ダケ渡シテ、マタ来年戻ッテ来ルトシマショウ。 日本史デモ私ハソウスルコトニナッテマスシネ」 謎の台詞を言いながらペルーは出航していった。 その船上には、ペルーに付いて行くんだと駄々をこねたじいさんの姿も合った。 「わしゃ、異国で一旗挙げて来るぞい」 じいさん、そりゃなんか間違ってるだろ。
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第96話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
結局、弥生は、頼まれて、巫女になろうと思ったのに、 それが否決されたという、実に納得がいかない結果になった。 弥生は、ペルーの船にじいさんと共についていくことになった。 「何よ・・・・・ こっちだって、願い下げよ! でも、これからのジパングはどうなるんだろう・・・」 「まぁ、仕方ないじゃろうて。 とりあえずは、ジパングのパープルオーブを取り戻すしか、 手はないんではないか」 「次ハ何処ニ舵ヲトリマスカ」 「あてがないからのぉ・・・・・」 「ところで、お主は次にどこに行こうと思っているのじゃ?」 「ランシールニ行キマス。 ソコニハ、”キエサリソウ”ト呼バレルモノガアルソウデス。 ソレヲ大量ニシイレナケレバ、イケナイデス」 ポルトガノ王ニ頼マレテイルデス」 「ポルトガの王は、珍しい物好きだからのぉ・・・・・」 |
第97話 |
あびさん |
590000HIT |
さて、すっかり忘れられていた(5の世界に飛ばされた)3の勇者(^^; (いったい何話ぶりなんでしょうねぇ、登場するのは。ま、それはともかく) 彼はいったい、その後どうしていたのであろうか・・・
ランシールの洞窟にお約束どおり単独突入し、 人食い箱に飲み込まれてたどり着くこととなったオラクルベリーの町で、 邪教祖スペ・ア・リヴがなぜかはわからないが、 とにかくラインハットの城にいるという情報を手に入れ、 オラクルベリーへと襲いくる魔物の群れをやり過ごしつつ、 懐に隠し持ったMU2000(偽物)を頼みの綱として北へと向かっていた。
そう、彼はラインハットの城へ単独潜入を試みることに腹を決めていた。
「とにかく、やつと会う。 そして、何がどうつながっているのかを聞き出す。 それが無理でも、何としてもやつを止める・・・ できなかったらきっともとの世界へは戻れない・・・」
独り言でぶつぶつつぶやきまくるほど、 自分のLvも忘れ、一人悲壮感に浸る勇者であった。
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第98話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
オラクルベリーから、勇者は一人でラインハットに向かった。 敵は強かったが、勇者もアリアハンから、ランシールまで キメラの翼の魔力を使ったとはいえ、泳ぎ切った強靱な肉体の持ち主である。 すでに、かなりの強さを知らずのうちに身につけていたのだった。
スライムナイトや、イエティ、クックルー、ブラウニーなど、 敵が襲ってきたが、その程度の敵は今の勇者の敵ではなかった。
一方、勇者と同じ顔を持つ、ラインハットの男は・・・・
「ミレーユ、笛を吹いてくれ」
「わかったわ・・・・」
ミレーユが、懐から取り出した笛を口にした。 笛からは、もの悲しい旋律が流れ出す。 そうすると、上空に一匹の、金色のドラゴンが現れた。
「よし、今度こそ、奴を倒すぞ!」
「おぉ!!!」
一人の男、そして、ハッサン、ミレーユはドラゴンにのって ラインハットの上空に降り立った。
ようやく、勇者はオラクルベリーから、ラインハットに来た。 しかし、ラインハットの周りは、争いの後があり、 見るに耐えない光景が広がっていた。
顔をしかめて、勇者がその光景を眺めていると、 上空から、ドラゴンの咆哮が聞こえた。
驚いて、上空を見ると、一匹の美しいドラゴンが、 ラインハットの城に向かっていく様子だった。 そのドラゴンの上には、何人かの人が乗っているようだった。
「あれは・・・・いったい・・・・・」
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第99話 |
あびさん |
615000HIT |
「・・・どんなバカだ? あんなことしたら歓迎モードになるだけじゃないか。 まぁ、いっか。 あっちに気を取られてるだろうからその隙に・・・」ラインハットのお城に潜入できるところはどこなのか勇者は探し始めた。
勇者と同じ顔の男とハッサン、ミレーユの3人はラインハットの城に降り立った。 さっそく城内に入っていったが、まったく何者とも出会わない。 「なぁ、なんか変じゃないか?」 「そうね、何も出てこないなんて・・・」 「とにかく、先に進むだけだ、そうだろ」 3人は、ついに、玉座があると思われる部屋の前にたどり着いた・・・ 「・・・よし。いくぞ・・・」 |
第100話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
ラインハットの城に潜入する場所を探した勇者。 城の城門には、屈強なキラーアーマーが2体立っていた。
「キラーアーマーか・・・・ 難しいな・・・ 2体だけだったら正面突破できなくもないが、 きっと事を荒立てたら他の魔物もよってくるだろう。
となると・・・・・ ん?」
勇者が注意深く辺りを探っていると 城の端っこに船が浮かんでいるのを見つけた。
「あれは・・・・」
船が浮かんでいるのは城のお堀だった。 お堀を目で追ってみる。 すると、そのお堀はラインハットの扉の下につながっている。 その堀の下にかすかだが、明かりが見えた。
「・・・・なぜあんなところに明かりが・・・・・」
勇者は、キラーアーマーに気づかれないように 小船に乗り込み、ゆっくりと物音を立てないように船を漕ぎ出した。
城門の橋の下にもぐりこむと、さらにその明かりがはっきりと見えた。
「やっぱり・・・・ ここから、城の内部に入れそうだな・・・・」
勇者と同じ顔の男とハッサンとミレーユは玉座についた。 すると辺りは黒い霧が発生する。
「フフフ・・・・・」
不気味な声が聞こえる。
「”また”・・・・来たか・・・・ 前回は命をとらないで石化してやっただけだったのが まだ懲りないと見るな・・・・」
「黙れ!」
「今までの私たちとは違うわよ!」
「今度こそ成敗してくれる!」
「ほぉ・・・・・ では、成長のほどを見せてもらうかな」
声の主は、堂々と言い放つとその実態を持ち始めた。
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第101話 |
あびさん |
635000HIT |
「こっちであっているようだな。 スペ・ア・リヴ・・・待っていろ」勇者は静まり返ったラインハットの城の中に潜入すると、 玉座を目指して歩き始めた。 一方・・・ 実体が現れだすと共に、そこを中心として、凝縮した魔力が放たれた! 「もう一度石化させてやろう。 今度は二度と解放されんようになぁ」 「そうはいかないな。 ハッサン、あれをっ!」 「おぅっ!」 と、男の声に応じて、ハッサンがどこからともなく取り出したのは なんと、ラーの鏡! 「擬態でいられるのもこれまでよ。 さぁ、正体を現しなさい!」 ミレーユがそれにあわせてラーの鏡の力を発動させる! 「ぐぅうおぉぅっ! まさか貴様らがそこまでしてくれるとはなぁ! ならば本当の恐怖というものを味わうがよいわっ!」 先ほど放たれた魔力がそよ風だったのかと思わせる、 とてつもないほど濃縮された魔力が3人を襲うっ 「ぐわっ!」 「があぁっ!」 「きゃあぁっ!」 その瞬間、玉座に通じる門が開かれた。 |
第102話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
勇者が玉座に通じる門を開くと そこには自分と同じ顔の男が倒れて苦しんでいる姿があった。
「こ、これは・・・・・・」
勇者は目の前の光景に信じがたいものがあったが とにかく目の前の男を助けなければいけないという一心で 回復魔法をもう一人の男にかけた。
男の傷は癒え気がつき、勇者を見てハッとする。
「君は、もう一人の僕!」
「ど、どういうことです!?」
突然のことでパニックになる勇者。 もう一人の男は事情を知っているが それを説明しようとするまえに
「ほぉ・・・・片割れが戻って来たか。 元に戻られてしまうと少々やっかいだな」
そこには巨大な異形の形をした6本の腕を持つ邪教祖がいた。
「邪教祖として負ける者はいぬと思っているが 魔王バラモス様の危険を脅かさす危険分子は排除せねばならぬ。 出会って早々悪いが始末させてもらうぞ」
言うが早く、二人の勇者が合体をする前に 邪教祖は6本の腕にそれぞれ大刀を持ち その巨大な異形の体から想像もできない早さで襲ってきた。
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第103話 |
あびさん |
655000HIT |
二人の勇者はかろうじて邪教祖の猛攻をしのいではいたが、 6本の腕から繰り出される手数の多さに、 反撃の糸口すら見つけられずにいた。
「弱い、弱いなぁ。 勇者などと呼ばれようが所詮その程度よ。 さぁ、我にひれ伏すがよいわ!」
というと、邪教祖は剣の攻撃だけでなく魔力の固まりまで放ってきた。
「ぐぅぅっ!」
「がはっっ!」
ガっっ!! ドゴォっ!! 二人は散り散りに吹き飛ばされ、 玉座の間の柱に叩き付けられた。
(もう一人の僕? 元に戻る? ・・・いったいどうなってるんだ? いや、、それより奴は強い。 どうにかして奴の動きを少しでもいいから止めないと・・・ はっっ、そういえばっ!)
(3の世界からの)勇者は衝撃で朦朧としていた状態から 我に返ると懐に手をのばした。
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第104話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「つ、強すぎる・・・・ 邪教祖が、ここまで強いとは・・・・ このままでは・・・・負けてしまう・・・ こうなったら・・・賭だ・・・・」
勇者が懐から出したのは、MU2000の偽物だった。 それは、邪教祖が一番欲しているものであり 魔法の玉を紛失し、アリアハン大陸を脱出する手だてがないときに 第3の都へ行くため、以前アリアハンの王から、渡されたものだった。
本物のMU2000は魔法が込められていて、 眠りの曲、勇気の曲、いろいろな曲をつくり、人々に影響を与えることができ 眠りの曲をひとたび唱えれば、名前の通り、眠りを与えることができ、 勇気の曲を奏でれば、大軍を動かす戦力となる そして鎮魂歌(レクイエム)を奏でると死を与えることができ、 それが邪教祖がもっともMU2000を欲しがる理由だった。
しかし本物のMU2000は行方しれず、偽物を渡すことで 危険を伴うが、アリアハン大陸を脱出するのに邪教祖と取引するためのものだった。
勇者が懐から偽物のMU2000を取り出すと 邪教祖の攻撃がとまる。
「貴様・・・・ それはMU2000じゃないか!!!! なぜ貴様がそれを持っている!」
しかし勇者は答えず、MU2000を思いっきり遠くに投げつけた。
「貴様、壊す気か!!!」
遠くにとばされたMU2000をキャッチしようとする邪教祖。
一瞬の隙が生まれた。
勇者はもう一人の床に倒れ込んでいる同じ顔をした勇者にかけつけた。
「今しかない! どうすればいい・・・・ 今・・・ボクはここで負けるわけにいかないんだ・・・・ 奴に勝てる方法を・・・・」
「ボクと君は、もともと一人の人間だ。 邪教祖によって、僕らは二人の人間にさせられてしまった。 しかし、僕らが再度、一人の人間になれば・・・・ 力は何倍にもなる。 きっと・・・・邪教祖に勝てる・・・・」
「そうか・・・・ しかし・・・そうすると・・・ どっちかが・・・消えるのか?」
勇者が尋ねると そのときに遠くから邪教祖の恐ろしく低い声が響いた。
「こ・れ・は・・・・ 偽物ではないかぁ!!!!! 許さんぞ・・・・・ 殺してやる・・・・」
そううめき声が聞こえ、闇の中から 6本の腕を持つ邪教祖が現れた。
「迷っている暇はない!」
「わかった!」
二人は手をとりなった。 まばゆい光が辺りをつつむ。
光が消えたあとそこには、一人の青年が立っていた。 その青年からはありふれる生気と力と自信を感じられた。 前の戦いでの傷も完全に回復していた。
勇者は口をひらく。
「さて・・・・邪教祖。 今度はこっちから行かせてもらうぞ。 第二ラウンド開始だ」
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第105話 |
M・加藤さん |
666666HIT |
「そうか、元の姿を取り戻したのか」
慌てる様子もなく、邪教祖は静かに呟いた。 ラーの魔鏡により異形の姿へと変えられてしまったその身を 根性で真の姿である元の人身へと戻しながら。 「なら…本気でいこう」 そう言うと邪教祖は左手を頭上へかざした。 闇を払う銀の輝きと共に、その手に奇妙な形をした一本の長剣が現れる。 それを青眼に構え軽く気合を込めると 邪教祖の体が一瞬淡く輝き、それが収まったときには 剣と同じ銀色の鎧、兜、盾を装着していた。 「天空の武具、その輝きに魅せられながら光へと散るがいい」 右手の天空の盾からマホカンタの障壁を作り出すと、 左手の天空の剣を振りかざし、 凄まじい光の波動を勇者たちへ叩き込んだ。 |
『私たちは 卵を 守っています』
「ハイ?」 ペルーとじいさんはレイオムランドの祠にいた。 いや、ランシールへ向かっていたはずなのだが、 わしが舵を取るんじゃ! とじいさんが駄々をこねたので仕方なく舵を任せたところ、 案の定、進路を間違えレイオムランドへ辿り着いてしまったのだ。 『さぁ祈りましょう』 『伝説のバグの至宝を祭壇へ捧げしとき』 『九官鳥ラーミアは甦ります』 「アノ、バグトカラーミアッテ何デスカ?」 『あら、バグの至宝はそこの御老体が首から下げてるじゃありませんか』 ペルーが振り向くと、蒼い水晶がじいさんの首にかかっている。 「か2ロマリア」、じいさんの魔法の発動体である。 |
第106話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
光の波動で吹き飛ばされる勇者。 しかしすぐに体勢を立て直す。 邪教祖は息つく暇を与えずイオラを唱えた。 同時に勇者もイオラを唱える。 二つのイオラの玉が干渉し巨大な爆発を引き起こす。 「ほぉ・・・・ イオラが使えるとは・・・・ 以前より腕をあげたな。 まぁ、融合したことで力がアップしたことはわかっていたがな・・・」 余裕のある声で邪教祖は不敵に笑う。 「では・・・・これはどうかな」 そういうと邪教祖は次の魔法の詠唱に入った。 「ベギラゴン!!!」 邪教祖の天空の剣から巨大な雷を立ち上り勇者に浴びせる。 「ギャァァア!!!」 直撃を受ける勇者。 「フフフ・・・・そのまま燃え尽き得るがいい・・・」 「バグの首飾りかぁ・・・」 じいさんは、バグの首飾りを祭壇にあげることをしぶっていた。 「どうしたのですか?」 弥生がじいさんがそうつぶやいたのを見て、 二人の祈り子に聞こえないように小声で尋ねる。 「九官鳥ラーミアとは何かわからんからのぉ・・・・」 「というと」 「つまりじゃ。バグの守りを持っていれば それを持つモノの力にもよるが無限の力を 引き出せるのはお主も知っているじゃろう」 「えぇ」 「もし九官鳥ラーミアが邪悪なものだったらどうする」 「あ!」 「この九官鳥ラーミアが本当に聖なるものであれば 蘇らせる意味もあるのかもしれん。 じゃが、それがわからない今、簡単にバグの飾りの力を 他人に分け与えてはいかんのじゃ」 いつもはおちゃらけているだが、さすがに考えていることは しっかりと考えていた。 「それにのぉ・・・・どうも怪しいのじゃ。 あの二人の祈り子。 邪悪な気配を感じる・・・・」 「確かに言われてみれば・・・」 じいさんと弥生がひそひそ話をしていると 「どうしたのです? さぁ、早くバグの飾りを祭壇に捧げるのです」 二人の祈り子はじいさんをせかした。 |
第107話 |
スペアリブさん |
670000HIT |
「ふふふ、そのまま炎に包まれ焼け死ぬが良い。」
勇者は炎に包まれ、やがて声は消えた・・・・。すると・・・・
「ぬっ!?」
炎を眺めほくそ笑んでいた邪教祖の形相が急に一変する。
「な、なんだこの悪寒は・・・・こ、この波動は・・・・・時空震!? ・・・旅の扉のものではない・・もっと大きな・・・も、もしやこれは・・・!」
邪教祖は少し考え、横にいた部下に声をかける。
「あの方はいま何処におられる?」 「え?・・は、はい・・・。今は神殿の方におられるかと・・・」
すると邪教祖は「先に帰る」と部下に一言告げ、ひとりその場から消え去った・・・。
「ん・・・・・」
あれから半刻ほどたった後、勇者は目覚めた。
「あれ?俺はベギラゴンで・・・・・!?」
ふと周りを見回すと、今までみたこともない不思議な光景が目の前に広がっていた。 舗装されたまっ平な石の道路。あちこちに並ぶ、巨大な石造りの建造物。 道路にけたたましく走る全身鉄の獣。その獣から発されるけたたましい音。 灰色のスーツを身に付け、狭い道路を縫いながら歩く大勢の人々。
「な、なんだここは・・・・・ん?・・・・・!!!!」
パッパ〜〜〜ッ!!
耳を劈くような音と共に、鉄の生き物が恐ろしい速さで突き進んできた。
「うわああああ!」
勇者が声をあげると生き物は勇者の鼻先でピタリと止まった。 するとその生き物の皮が剥がれ、なんと人が出てきた。
「ばかやろう!どこ見て歩いてやがる!!」
生き物の中から出てきた人はいきり立って勇者に罵声を浴びせる。 勇者は驚きながらも、元来の負けん気でその男に力強く応戦した。
「馬鹿とはなんだ!お前がその変な生き物に乗って突っ込んで来たんだろうが!」
男は、予想もしない反論に目を白黒させた。 生き物だと?なにいってんだこいつ?? それに何て格好だよ・・・。中世ヨーロッパじゃないんだぞ・・・。
男は少し考えた後懐から四角いものを取り出し、 何か指で操作しそれを耳に当てて急に大声で独り言を始めた。
「もしもし?警察ですか?剣を持った変な男が街をうろついてるんですが、 保護してもらえませんか?はい、えっと、ちょうど半蔵門駅の5番出口前です。 それじゃお願いします。」
話し終わった後変なものを懐にしまい、こちらに話し掛けてきた。
「警察呼んだからな。大人しく保護してもらうんだぞ?」
保護?警察?何のことだかさっぱり分らなかったが、 この不思議な状況の真意が知りたかった勇者は、恐る恐るその男に問うた。
「え、えっと・・・ここは何処ですか?」
すると男は目を白黒させ、
「お、お前記憶喪失なの・・?こ、ここは東京だよ・・・。日本の首都の東京!」
と、半ば呆れながらその突拍子もない問い(この男にしてみれば)に答えた。
「と、東京????」
今まで聞いたこともない地名だ。どうやらまた別の世界に来てしまったらしい・・・。
漆黒の闇から低い男の声がこだました。邪教祖の声だ。
「大魔王様、ご報告が御座います。」 「・・・時空震だな。」
更に低いおどろおどろしい声の男がそれに応える。
「あの波動は旅の扉のような魔法的な波動ではない。規模の大きさからみて、 時間移動と考えてほぼ間違いないであろう。時空震の前に極度の空間の歪みを感じた。 恐らく危機的状況で無意識の内に空間を曲げ特異点を作り、吸い込まれたのであろう。 この状況からはこの方法しか考えが及ばぬ・・・・。」 「ぶ、ブラックホール・・・・。」 「邪教祖よ。これから魔界へ向かいホーキングに謁見するのだ。 彼奴ならこの力を制御出来るはず。 早急に勇者の居場所を探りこの世界へ連れ帰るのだ。 このままでは大変な事になる・・・。」 「はっ!」
男に軽く会釈した後、邪教祖は闇の底に消えた・・・・。
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第108話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
勇者はとりあえずこの場にいるととらえられると感じたため、 剣を鞘にいれ、逃げ去った。 勇者の服装は東京では目立ち、行く人々の前で奇異の目で見られた。
人が密集している東京という場所では どこも人ばかりで人がいないところなど なかなか見つからなかったが 勇者はひたすら走り人がいないところを探した。
そうすると川を見つけた。 川の橋の下には人通りがなかったので とりあえずそこに身を隠す。
「はぁ・・・・はぁ・・・・ いったい何がなんだか、わからないよ・・・・ これも邪教祖の魔力なのだろうか・・・」
喉を癒そうと川の水を手にとったが 濁っていた。
「汚い川だな・・・・ これ・・・・飲めるのかな・・・」
水を手ですくい、顔を近づけちょびっと口につけたが、 とてもまずく水を吐き出す。
「なんだ、この水は!!! こんなところに魚が住んでいるのだろうか・・・・
いや、それよりこれからどうするかだ」
勇者は一人考え込む。
「ここの世界に来たのは・・・・ 邪教祖の魔力では・・・・ないな・・・ 邪教祖がボクを生かす理由は何もないはずだ。 ベギラゴンで危ないところを誰かが助けてくれたのか・・ それとも、融合したことによりボクに隠された力が覚醒したのか・・・ どっちにしろ、このまま邪教祖と戦っても分が悪い。
剣では分があるかもしれないが、 魔法では勝てない。 剣で勝負するために、奴の懐に入るため、 魔法に耐えられる防具が必要だな・・・・ この世界で、魔法に耐えられる防具は売っているのだろうか・・・」
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第109話 |
クッポさん |
685000HIT |
一方そのころ二人の祈り子にせかされたじいさんは祈り子を邪悪なものとみて、 バグの首飾りは渡さないようにしようとした。
しかしここで 「渡さない」 とだけいうとこの祈り子たちと争わなければならないと考えたじいさんは
祈り子たちを騙してついでに倒そうと考えた
「では祈り子さんたち、これを渡そう」
といって「か2ロマリア」にそっくりなバグの首飾り「 ̄→アリアハン」を 祈り子にわたした
弥生「(ひそひそ)・・・いいんですか?渡してしまって・・・」
じいさん「(ひそひそ)・・・わしのまかしておくんじゃ・・・」
「これを祈り子たちが使えば(祭壇に置けば)バグの力により おそらく祈り子たちはフリーズしてしまうじゃろう。 そしてフリーズしている間に倒すのが賢明なやりかたじゃろう」 とじいさんは考えた
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第110話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
じいさんは偽物のバグのお守りを 九官鳥ラーミアをよみがえらせようとする巫女さん二人に渡した。
「ありがとう」
「ありがとう」
「これで」
「これで」
「私たちは」
「私たちは」
「九官鳥ラーミアを」
「九官鳥ラーミアを」
「よみがえらせることが」
「よみがえらせることが」
「できます」
「できます」
(いちいち・・・・二人で声を合わせるの大変そうね・・・(by 弥生))
(仕方ないじゃろうて・・・・そういう職業なのじゃろう(by じいさん))
(どういう職業よ・・・・)
「さぁ、邪神ラーミアよ蘇りたまえ!!!!」
「おい、邪神ラーミアってなんじゃ!」
「やっぱり偽物ね!」
「もう遅いわ」
「もう遅いわ」
巫女がバグの守り(偽物)祭壇に置いてしまった。
するとバグのお守りは怪しい光を発し、 奇怪な音を出した。
「これは!」
「これは!」
「本物の!」
「本物の!」
「バグのお守りではない!!!」
最後だけ見事にハモった。
「もう遅いよぉ〜ん」
じいさんがそう言うと同時に、巫女達の体は だんだんと石化しはじめた。
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第111話 |
スペアリブさん |
690000HIT |
四方に広がるは大宇宙。 振り返り、再び前を向く。しかし、何処を見ても闇。 時たま目の前を凄まじい速さで進む隕石。 膨張し爆発し、この世の総てを貪り食いそうな大きな穴を生む、年老いた星。 その空間には、光も音も無い漆黒の闇が総てを支配している。
邪教祖は、大魔王と呼ばれた男の命によりこの漆黒の空間へとやってきた。 魔界に精通し、世界のあらゆるものを目にしてきた邪教祖も、 地上のどのものにも当て嵌まらない闇の空間に思わず息を飲んだ。
「案ずるでない。総て余が創った偽物。 とは言っても、規模に力、どれも寸分違わぬ出来になっておるがな。」
邪教祖の心に邪悪な声がこだまする。 声の主はどうやら、テレパシーで邪教祖に話しかけているようだ。
「時空震の真意についてだな?」
声の主の問いに戸惑いながらも、邪教祖は姿無き者に答える。
「は、はい。この波動は時間移動によるものではないかと、大魔王様は仰られていました。 信じられぬ事ではございますが、これだけの時空震。 私も大魔王様と同意見にて御座います。」
「その通り。あの波動は時間移動によるもの。 奴は二千年後の世界へと流されておる。。
場所は・・・・うむ、現在のジパングの首都のようじゃな・・・。」
「み、未来・・・・」
「これは紛れも無く精霊ルビスの仕業。 この世界でタイムポーテーションの能力を有するのはきゃつと余しか居らぬ。 大魔王の臣下に肉体を封じられようとも、精神のみで動いておる・・・・。 フフフ、あの女も執念深い・・・・・。 血は争えぬものよ。若き頃の大魔王とよく似ておる・・・・。」
「ち、血!?」
「邪教祖よ、余の力により汝を未来へと誘おう。 そして、勇者をこの世界に連れ戻すのじゃ。 汝も恐らく未来で恐ろしい真実を目の当たりにするであろうが、決してそれと向き合ってはならぬ。 勇者をこの世界に戻すことだけを考え行動するのじゃ。 さぁ、行け!邪教祖よ。」
言い終わると、突然漆黒の空間の一部分が歪んだ。
「な、何っ!? 「うわああああああっ!」
その空間から凄まじい波動が発し、 邪教祖は振り返る間もなく、その空間に吸い込まれた。
そしてその空間には再び静寂が戻った・・・・。
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第112話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
2000年後のジパングに来た邪教祖は目を覚ました。
ふと周りを見回すと、今までみたこともない不思議な光景が目の前に広がっていた。 舗装されたまっ平な石の道路。あちこちに並ぶ、巨大な石造りの建造物。 道路にけたたましく走る全身鉄の獣。その獣から発されるけたたましい音。 灰色のスーツを身に付け、狭い道路を縫いながら歩く大勢の人々。
「ここは・・・・・ん?・・・・・!!!!」
パッパ〜〜〜ッ!!
耳を劈くような音と共に、鉄の生き物が恐ろしい速さで突き進んできた。
「うわああああ!」
邪教祖が声をあげると生き物は邪教祖の鼻先でピタリと止まった。 するとその生き物の皮が剥がれ、なんと人が出てきた。
「ばかやろう!どこ見て歩いてやがる!!」
生き物の中から出てきた人はいきり立って邪教祖に罵声を浴びせる。 邪教祖は驚きながらも、ここが2000年後の世界だということを思い出し、元来の負けん気でその男に力強く応戦した。
「馬鹿とはなんだ!お前がその変な生き物に乗って突っ込んで来たんだろうが!」
男は、予想もしない反論に目を白黒させた。 生き物だと?なにいってんだこいつ?? それに何て格好だ・・・。2000年後はこんな世界なのか・・・・・・。
男は少し考えた後懐から四角いものを取り出し、 何か指で操作しそれを耳に当てて急に大声で独り言を始めた。
「もしもし?警察ですか?黒服を着た変な男が街をうろついてるんですが、 保護してもらえませんか?はい、えっと、ちょうど半蔵門駅の5番出口前です。 それじゃお願いします。」
話し終わった後変なものを懐にしまい、こちらに話し掛けてきた。
「警察呼んだからな。大人しく保護してもらうんだぞ?」
保護?警察?何のことだかさっぱり分らなかったが、 とにかく勇者を探すことが先だと感じた邪教祖は・・・・
一方、橋の下で休んでいた勇者は・・・・・・・・
「この姿ではこの世界では目立つようだ。 とにかく装備ははずさないと・・・・ しかしもし邪教祖が襲ってきたら、魔法だけで対抗できるだろうか・・・」
剣・盾・鎧を辺りの草むらに隠し、服だけになった勇者は 邪教祖に通じる武器を探すため、また街に出た。
勇者の格好はそれでも目をひいたが、 外人の衣装とでも思われたのだろうか、 今度は街で声をかけられるようなことはなかった。
「よかった・・・・これなら大丈夫そうだ・・・・」
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第113話 |
クッポさん |
710000HIT |
祈り子たちが石化しはじめたことを確認してからじいさんは言った 「このレイアムランドからいそいで脱出するぞい」
弥生「??・・なぜいそぐ必要があるの?」
じいさん「おそらくこの石化はこのレイアムランドいったいをおおってしまうじゃろう 急いで脱出せんとわしらも動けな・・・・」
とそのとき、九官鳥ラーミア改め邪神ラーミアの卵が孵化をし始めた じいさん「そんなばかな・・・いったいなぜ孵化を・・・」
ペリー「モシカシテ イマワタシタ,バグノオマモリノ セイジャナイノデショ〜カ? ニセモノトハイエ バグノ アイテム キットスゴイ チカラヲ モッテイタノデショ〜」
邪神ラーミアが現れた! じいさん「ぬぅ・・・こいつはやっかいじゃぞ・・・倒したあとバグの影響がでる前にふねまでもどらねばならん」
そうなのである!船は島(大陸?)から少しはなれたところにあった 弥生「そうだわ!こいつをボコボコにして手なずけちゃえば楽に脱出できるわよ♪」
ペリー「オオ〜ソレハ グッドアイディア デ〜ス。 デハマズ ワタシカラ コウゲキシマ〜ス・・・クライナサ〜イ〜 超究武神覇斬!」 じいさん&弥生「パクリやんけ!!」
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第114話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
ペリーはそののんびりした口調からは考えられないような 俊敏な動きで、超究武神覇斬で繰り出す。
それに反して邪心ラーミアは生まれたばかりなのに まるで知性が高い魔族のように身の回りにバリアを張りだした。 ペリーはかまわず超究武神覇斬で 何十回も剣をふるい、バリアに剣を打ち込む。 バリアと剣の衝撃音が耳をつらぬく。
バリアは強烈だったが、ペリーも歴戦の戦士 だんだんとバリアに亀裂が入り、ついにバリアを破壊した。
「やったわ!」
「おぬし、なかなかの剣の使い手だのぉ・・・・」
弥生とじいさんが簡単の声をあげる。
「シカシ、ワタシハ、イマノワザデ チカラヲ ツカイハタシテシマイマシタ〜」
ペリーはがくりと膝をつく。
「よくやってくれたぞい。 あとはわし達にまかせい」
そういうと、じいさんは、呪文を唱え始めた。 何か弥生に援護の呪文を唱えるつもりだった。
しかし・・・・・
「か、体が・・・・・重い・・・・・」
弥生のスピードが遅くなっていた。
じいさんは弥生にボミオスをかけていた。
「なぜ・・・・そんなことを・・・・・」
じいさんの目はうつろだった。
「オォ〜ナンテコトデス〜 オジイサンハ、ジャシンラーミアニ コンランノ コウカヲ アタエタヨウデス〜 ドクガノコナト オナジデスネ〜」
そんな弥生達に悠然とせまってきた邪心ラーミア。
「邪心ラーミア・・・・なんて強いの・・・・」
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第115話 |
あびさん |
725000HIT |
「・・・こんらんって、ある程度の衝撃で治るのよね。 ・・・御免」
どがしいっっ!!
鋭く踏み込んだ弥生の手(グー)が、 見事じいさんのレバー(肝臓)を打ち抜いたっ!
吹っ飛んだじいさんはそのまま邪心ラーミアと激突した。
「オオッ! ソレハカノユウメイナボクサーガアミダシタトイウガゼルパンチ!」
「なんですか、それ? ぼくさぁ、とか、がぜるぱんち、とか・・・」
「キニシテハイケナイデ〜ス。 ソレヨリラーミアモクルシンデマ〜ス」
痙攣しているじいさんはさておき、 邪神ラーミアもへたり込んだままだ。 どうやらバリアのない邪心ラーミアは打たれ弱かったようだ。
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第116話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「う〜ん・・・・・わしは・・・・・」 「ダイジョウブデスカ?」 「おぉ、ペルー殿。わしはいったい・・・・」 「邪神ラーミアの術にかかり混乱していたんですよ」 「そうじゃたか・・・・わしとしたことが油断したわい・・・・ ところで邪神ラーミアはどうしたんじゃ」 「気絶して伸びています。 いまのうちに、どうにかしないと・・・・・」 「マタオソワレテシマイマス〜」 「よし・・・・では今のうちに、邪神ラーミアにメダパニをかけてしまおうかのぉ。 そうすれば、わしらを仲間と思うだろうて。 バグの力を使って、解くことができないメダパニをかけてしまうのじゃ」 そういうと、じいさんはバグの守りを握り、メダパニを唱えた。 赤い霧が、邪神ラーミアをつつむ。 「さて、あとは目覚めるのを待つだけじゃ・・・・・」 |
第117話 |
クッポさん |
730000HIT |
「いや・・・、目覚めるまでまっていられる時間ないんじゃなかった?」 「はっ、そうじゃった。偽のバグのお守りでこのレイアムランドが石化してしまうんじゃった・・・、 もう船まで逃げる時間もない・・・だれかザメハ使える人はおらんか」 「できないわ・・・」 「Oh,ザンネンナガラ デキマセ〜ン」 「むぅ〜どうしようかのぉ〜・・・・・・ やはりショックで気絶したんだからショック療法が いいのかも知れんのぉ・・・弥生もう一発かましてやれ」 「了解!わっかりましたぁ〜。では、・・・・・・せ〜〜〜〜の・・・」 「こっ、これやめろ・・・わしじゃない!」
「気功掌!」
バシバシバシィッ 3HIT
「こ、今度はストUか・・・ぐふっ」
またもじいさんは弥生にボコされふっとばされた。 案の定その向こうの邪神ラーミアに激突した じいさんの思惑通り、弥生の一撃により邪神ラーミアは起き上がり、 レイアムランド脱出には成功し、一向はランシールに向かった 今回はじいさんが気絶しているのでちゃんと行き着くはず・・・
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第118話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
邪心ラーミアに乗る弥生、じいさん、ペリーの三人はランシールについて 道具屋に向かう。
「マッタク、ポルトガオウノ シュミハワカリマセン〜」
「そういえば、ポルトガ王は物好きで有名らしいからのぉ。 以前は黒こしょうを食してみたいということで 国におふれを出したとか聞いたわい」
「たかが、黒こしょうで、国におふれを出したのですか? なんか、国権乱用な気が・・・・」
「まぁ、しかし、風変わりなところがあるものの、 ポルトガは平和であることには変わりないじゃろうて」
「ところで、ペリーさん、何でポルトガ王に消え去り草を持っていくのですか? 何か、王様に頼んでほしいものとかあるのでしょうか?」
「オォ〜ヨクキイテクレマシタ〜 ポルトガニハ、「ホシフルウデワ2」トイウ、アイテムガアルソウデス〜」
「星降る腕輪? 黄金の爪と並んでイシスの国宝ですよね?」
「ソウデス〜」
「星降る腕輪2ってなんか、星降る腕輪のまがいものみたい・・・」
「そうじゃないぞい」
突如じいさんが横から口をはさんだ。
「星降る腕輪は、確かに素早さをあげることができる、この世に1つしかない宝じゃ。 しかし、数百年前、ドン・ガアデという職人が、 星降る腕輪を研究しつくし、星降る腕輪をもう1つ作り上げたのじゃ。 その腕輪は、本物の星降る腕輪をも上回るできで、 4倍もの素早さをあげるという代物じゃ」
「ドン・ガアデですか」
「そもそも、このワシが使っているバグの守りも ドン・ガアデが作ったものじゃ。 さぞ立派な職人じゃったんじゃろう」
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第119話 |
M・加藤さん |
760000HIT |
「つまり君は2000年前の世界から来たって言うんだね」 「要するにそうなんですけど…」 「はいはい、ま、昨今はそれほど珍しいことでもないから。 車見て驚いただろ…はい、ここにサインして」 まだどこか子供っぽさを残した顔の若い巡査が、調書を邪教祖へ差し出した。 「め、珍しいことじゃないんですか???」 「うん、一般にはまだ知られてないけど。 どうやらゲートの活動が活発になってきてるみたいだね」 「ゲート?」 「タイムゲート、異なる世界や時代同士を繋ぐ空間の歪みのことだ。 最近まではこんなことは滅多に起こらなかったんだがな …外部から何らかの干渉が行なわれてるのかもしれん」 横で書類を整理していた中年の警官がこちらを向いて言った。 多分ホーキングの言ってた時空震と同じものだろう、と邪教祖は推測を立てる。 「例の怪奇事件もやっぱりそれが原因なんでしょうかね?」 若い巡査が問い返す。 「怪奇事件!?」 それを聞いて邪教祖がいきなり声を上げた。 彼はアニメ「名探偵アカイライ」(魔界テレビPM7:30〜8:00)にハマり中なのだ。 「怪奇事件」「迷宮入り事件」などの言葉に過敏に反応するようになってきているこの頃である。 「今、東京を慄然とさせてる連続猟奇殺人事件だ。 被害者は今日までで31人。 死因はいずれも外傷性ショック死で、身体の一部を鋭利な刃物でえぐり取られている。 しかも検死の結果、十数時間かけて生きながら殺されたらしいことが判明した。 現場検証から異世界魔術干渉の可能性が濃厚で、 警察では対魔術戦のエキスパートを集めているところだ。 安陀大統領も術類の心得のある国民に、捜査に協力してもらえるよう呼びかけている」 それを聞いて、目をランランと輝かせながら邪教祖は立ち上がった。 「私も魔法の心得は充分にあります!何かお手伝いできますか?!!」 この時、彼の頭の中は「自分もアカイライ君みたいな事件捜査ができる!」という考えで一杯で、 ホーキングより与えられた使命などは遥かマゼラン星雲の彼方へ忘れ去っていた。 邪教祖が自分の魔法に関する経験について熱弁を振るってる頃、勇者は…「は、腹減った…」 空腹との友情を満喫しながら、人通りが全く無くなった宵の首都をトボトボと歩き回っていた。 いつもは食糧などを入れた荷物を持ち歩いているのだが、 邪教祖との戦いに挑むにあたってそんな物は邪魔になるだけなので、 玉座の間に入る前に置いて来ている。 ゴールドなら少しは懐に入っているので食堂らしい店に入ったのだが、 先客のなんとなく父親に似た風貌の男性が 「牛丼、大盛りつゆだくギョクネギ抜き一丁」と注文してるのを聞いて、 あまりの意味の分からなさにその場で回れ右して店を出たのだった。 「いたぞ、あそこだ!」 そのとき、数人の男女がバラバラと駆けつけてき勇者を取り囲み、 黒いスーツを着込んだ長身の男性が手帳のような身分証明書を示した。 「警視庁特別捜査本部付・魔術捜査班だ。 異世界よりの介入者、しかも今回の猟奇殺人と同じ魔術波を有している者と見受ける。 職務により、重要参考人として同行していただく」 後ろに回りこんだ若い女性、まだ10代であろう、が封縛結界を張り巡らし、 次の瞬間、勇者は意識を失っていた。 |
第120話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「うっ・・・・・・・ここは・・・・・・・」
勇者は目を覚ました。
朦朧とする意識をはっきりさせようと頭をふる。
「そうだ・・・・腹が減ってどうしようかと思っていたときに 黒服の連中にいきなりとりおさえられたんだ。 ・・・・いったい、なんなんだ・・・・」
辺りを見渡すと小さな部屋に閉じ込められていた。 小さな窓が1つあり、そこから光がもれていたが その窓には、鉄格子がはめられていた。
「・・・・閉じ込められたか・・・ そういえば魔術捜査班とか言っていたな。 猟奇殺人とかなんとか・・・・ ということは殺人者と間違えられたわけか・・・」
状況を把握した勇者はこれからどうしようか考えた。
そのとき
「気がついたようだな」
男が二人ほどドアをあけて入ってきた。
「手荒な真似をして申し分けなかった。 君にいくつかちょっと聞きたいことがあってね」
「聞きたいことがあれば、もちろんお答えします。 が、いきなり気絶させる必要はないでしょう?」
と少し怒ったように話した。 少し相手もたじろいていた。
そうだ、ボクは殺人なんかしてない。 何も後ろめたいことをしていないのに オドオドする必要はないんだ。
「おぉ〜よくぞ戻った我が友ペリーよ」 ここはポルトガ。 消え去り草を持って帰ってきたペリー。
「オウ、ヒサビサデス。 キエサリソウハ、コチラデス〜」
そう言ってランシールで手に入れた消え去り草を 王様に差し出す。
「おぉ!!! これはまさに消え去り草! よくぞ持ってきてくれた」
「ヨロコンデモラッテ、ヨカッタデス〜」
「おぉ、そういえばそちらのご老人と婦人は以前にもお会いしたの。 今はペリーの従者でもやっておられるのか?」
そう、ポルトガの王様に第75話で弥生とじいさんは以前会っていて そこで黒こしょうを無理矢理頼まれていたのだった。 しかしそのことをすっかりと忘れていた王様。
「いや、従者というわけじゃ・・・・」
口ごもる弥生。
「どっちにしろ、王は黒こしょうのこと忘れているようじゃの・・・」
こっそり弥生に耳打ちするじいさん。
「だって、こっちが了承してないのに 勝手に頼まれたんだもの・・・・・・・」
しかしそんなじいさん達のことはあまり目に入ってない様子。
「ペルーよ、長旅ご苦労だった。 そういえば、星降る腕輪2が欲しいとか言っていたの。 ちょっと待っておれ」
そう言って席を外す王。
待たされる三人。 弥生は尋ねる。
「そういえば、ペリーさん。 目的の星降る腕輪2を手に入れたらどうするんですか?」
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第121話 |
クッポさん |
790000HIT |
ボクが相手の男をしばらく見つめているとあいては、 「たっ、確かに荒っぽかったかもしれない、すまなかった。気を・・悪くしないで欲しい・・・」 一呼吸おいて彼は言った 「まず自己紹介させてもらおう、私の名前はジン=ウヅキというものだ。 ・・そしてこれからはなす事は、君にとってもこの世界にとっても非常に重要なことだ ・・・その前に君の今までの経過・・つまりどうやってここに来たかそのときの状況を詳しく教えてくれないか」
ボクはどこから話せばよいか少し迷った。 話が複雑なのだ。 とりあえずなるべく詳しくというとやはりアリアハンのところから話すことにした 突如現れたじいさんのこと、邪教祖のこと、ランシールの試練の洞窟でミミックに食われ、気がついたら見慣れない土地に来たこと・・・などを話した。 話しがひととおり終わりボクはジンに尋ねた。
「それで、ボクにとっても世界にとっても重要なことってなんなのですか?」
「それはだな・・ある時代、ある次元の人間が他時代、他次元の世界に何らかの影響で飛ばされてしまうと時代の流れがおかしくなったり、長い時間の経過で起こる時の刻みで身体が長い間もたないことや、別の次元から来たものだとその身体の分子の構成が崩れる危険性があるのだ。 君の場合は次元の変化(アリアハン〜オラクルベリー)をもう一人の君と融合にすることでクリアした・・・が、時代の変化にはそのうちついていけなくなる可能性がある。 君は急いで自分の時代に戻る必要がある」
「ど、どうすればいいんですか?」
「それはだな・・・」
弥生に尋ねられ、 ペリー「ホシフルウデワ2ガテニハイッタラ ワタクシノケンジュツヲサラニアゲルツモリデ〜ス。イマノ スバヤサデハ デキナイヒッサツワザガアルンデス」
じいさん「ほう、お主ほどの剣の腕をもってしてもできない技があるのか。邪神ラーミアに使った・・・たしか超究武神覇斬といったかの、あれより強力な技ということになるのう。」
そのとき王様が一風換わった宝箱を持ってきた。 その宝箱はパスワード式と指紋照合で開く宝箱だった。 弥生「時代にあっていない宝箱ね・・・とくに指紋照合なんてA.D.2000でもあんまりみかけないわよ」 じいさん「それはいってはいけないことじゃろ・・・」
王様「またせたな。今あけるから待ってくれ」 王様はそう言いながらパスワードを入力した
『・・・ほりいゆうじえにつくすどらごくえすとだよ・・・』
ピーン♪ 金庫が開き中から毒々しい腕輪が出てきた
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第122話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「オウ、アリガトウゴザイマス〜」
ポルトガ王に礼を言うペリー。
「気にせんでいいわい。 また今度、頼みたいものがあるかもしれないから そのときはよろしく頼む」
そう言って、王は去った。
「こ、これが・・・・・星降る腕輪2? なんか、邪心の腕輪とか名があいそうなくらい、禍々しいんだけれど・・・」
目の前の毒々しい腕輪を見る弥生。
「どうみても呪われていそうだのぉ・・・・・」
じいさんも不安げに見る。
「ダイジョウブデス〜 キットコレガホシフルウデワ・ツーデス〜 サッソクソウビシマス〜」
そういってペリーは星降る腕輪2を装備した。 するとどこから音楽がなるのか
デロデロデロデロ〜
冒険の書が消えたときのショッキングな音楽(?)が 何故か辺りににこだました。
「キャアアァア!!!」
「な、なんじゃ!」
「ヌォオォ!!!! ウデワガ、ヌケナクナリマシタ〜」
そう言って泣きわめくペリー。
「やっぱり呪われているじゃなぁ〜い!!!!」
ボクは落ち込んでいた。 別世界にとばされたボクが元の戻るには 簡単ではないとは思っていたが・・・・・
元に戻る方法は1つ。
旅の扉を使う方法。 旅の扉は、異空間同士をつなぐ扉。
しかしそれは自然現象などから起きることが多く、 人の力で旅の扉を作る方法は皆無と言っていい。
この世界にも旅の扉はあるらしい。 が、どこにあるかはやはりわからない。
自力で旅の扉を作る能力を持つことができれば、 帰ることはできる。
しかし、僕たちの世界では、旅の扉を自力で作ることができた人物は 二人しか知らない。
かの有名な大神官のマサールとクリムト兄弟だ。 この二人しか人間の力で自力で旅の扉を作ったものはいないと言われている。
数千年も昔、闇に包まれた時代があった。 大魔王デスタムーアが支配していた時代があった。
しかし、かの有名な伝説の勇者、レイドックのイズゥラーヒン王子と 究極の魔法マダンテの継承者、カルベローナの長の正当なる血をひき、未来の卵の管理者バーバラ
この二人を、大魔王デスタムーアの支配している城に旅の扉を作ったとされる 伝説の神官の二人だ。
しかし数千年も前の人物でもあり、向こう側の人物でもある。
その二人にこちらから何とかコンタクトをとる方法を 見いださなければならなかった。
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第123話 |
クッポさん |
825000HIT |
僕は別の次元の、別の人物にコンタクトができる方法があるかジンに尋ねてみた 「あの、別の時代でしかも別の次元に生きていた人にコンタクトを取る方法はあるんでしょうか?」 ジンは難しそうな顔をしながら言った。 「無いことも無いのですが、それは非常に難しいんです。それくらいならむしろ、直接その時代その次元に行く方がずっと簡単なのです。 なぜなら伝えるには声で伝えるか、電波もしくはメールみたいなので伝えることになりますね。 ただある程度大きいものの方が調整し易いんです。ですからそれくらいなら本人を送った方がはるかに簡単なんです」 突然しゃべり方が丁寧になったので、僕が不思議に思っていたのにきづいたのかジンは 「ああ、すいません。この敬語のしゃべり方は本当のしゃべり方なんです。 でもある事情で普段は別の、つまりさっきまでのしゃべり方にしているんです。 あと今の話は要するにもっと簡単に直接送る方法がありますよということなんです。」 ある事情というものは何か分からないが、とくに聞くこともなさそうだと思い、僕はそれを追及しなかった。 「その方法を話す前に、例の猟奇殺人事件の件に戻るんですがこれはどうやら空間転移を利用したものらしいんです。 対魔術戦のエキスパートの人たちが調べたところによると、犯人はある強大な力 ・・・といってもその力は生物の力ではありません。 そちらの世界で言う魔王などの力よりもはるかに大きい力を持つ半永久エネルギー機関エネルギーがあり、 それを利用して相手を手ごろな位置に移動させたあと犯行を行なっているんです。ですからあなたはつまり・・・」 「・・つまり僕はその犯人を捕まえてそのエネルギー機関を利用して自分の時代に帰れ、といいたいんですね」 「そういうことです。ただしそれを使うのは危険もあります。 誤ったことをすると星そのものを消すほどすさまじいエネルギーが それには蓄積されていますから・・・ですからそれを扱うためには私がしばらく同行しましょう。 戦闘には心配はいりません。私も刀(日本刀)の腕は少々自信があります」 僕の頭にふと一つの疑問がでてきた。 「何故あなたはそんなことを知っているんですか? おそらくこの時代ではまだ時代移動や次元移動はできないのでしょう? おそらくまだ分かっていないことなのにあなたは何故知っているんですか?」 僕は少し疑いを持って彼を見た。 「それは・・・ですね。実は私が未来から来た人だからなんです。 そして過去に行くために、その半永久エネルギー機関・・・ ゾハルできたんです。ただしオリジナルではなくエミュレータでしたけどね。」 一方話は変わってペリー達は・・・ 「ヤッパリ ヌケナイデス〜、コレデハ ハダノ ケンコウニワルソウデス〜!!!」 「しかもそのままじゃ金属探知機に ひっかかって飛行機に乗れないわよ!」 「ヌオオォォ、ソレハコマリマシタ〜。 コレデハ ソコクニ カエレナイデス。」 「飛行機の無い世界で飛行機のこと心配しても意味ないじゃろう! まあでも素早さは四倍になったんじゃろう。ちょっとみせてくれんか。」 「・・・・・ハズスホウホウハ アトデカンガエテコノ ウデワ ノセイノウヲシラベテミマショウ。」 そういい、ペリーは長い廊下で少し走ってみた。 彼にとっての少しの走りは、100メートルを6秒で駆け抜ける人のように速かった。 ドカーーーーン!!!! なんとペリーは王宮の壁に激突してしまった。 ペリーは150ポイントのダメージを受けた!(最大HP350中) 血だらけの顔でペリーは叫んだ。 「ハ、ハヤスギテトマレマセ〜ン。カラダノウゴキニ アタマガオイツキマセ〜ン」 「・・・・・ピオリムと併用したらとんでもないことになりそうじゃな。」 「・・・・そうね・・・・もしかしたら、速すぎることが欠点だから呪われていたのかしら・・・」 「そうかもしれんのう・・・。何とかしてはずす方法を考えなくては大変なことになりそうじゃな・・・・」 「とりあえず王様に文句言いに行きましょう!そんで慰謝料もらって、腕の一本でも折ってやりましょう」 じいさん&ペリー「賛成(サンセイ)!」 というわけで再び彼等は(ペリーは王者の剣をかまえ、 じいさんは魔法の詠唱の準備をしながら)王様の部屋に殴りこみに行った。 |
第124話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「ヌオォオォ〜オウサマニジキソデス〜」 弥生やペリーは勢いよくポルトガの王に詰め寄った。 「何?ワシのせいじゃと?」 ポルトカ王のいつもの温和の顔がかわった。 「なぜワシのせいになるのじゃ。 おぬしが欲しいと言ったからあげただけではないか。 そもそも呪われていても欲しいと思ったからもらったのではないのか? そなたらがほしふる腕輪2が呪われているかどうかを知らなかっただけではないか。 それを私にどうこう言われても困るわい。 私は約束の品を渡しただけなのだからな」 ポルトガ王の言うことはもっともだった。 呪われたアイテムでも、より強力な武器や防具なら欲しがる戦士もたくさんいる。 王は約束を果たしただけなのだ。 何も言えず、すごすごと弥生達は引き返すことにした。 弥生達が移動するたびに、ペリーが歩くと あちこちの壁に体当たりをするという状態だ。 全身打撲状態である。 早くほしふる腕輪の使い方をマスターするか もしくは呪いをとかないと、このままではペリーは全身打撲傷で死んでしまう。 「やっぱり、呪いを解くといったら、教会よね〜」 「そうじゃな。言ってみるかい」 ポルトガの教会に三人は向かってみた。 「当協会になんの御用でしょうか」 人のよさそうな神父さんが出迎えた。 「実は、呪われているアイテムをはずしてもらいたいのですが・・・」 弥生は困った顔で神父を見た。 「そうですか・・・・ 全力を尽くしてみますが、当協会でもとける呪いととけない呪いがあります。 よろしいでしょうか・・・・ まずはこちらの診療所に来てください」 ペリーは教会の奥の部屋に通された。 診療所といっても、簡易ベットが1つあるだけである。 そこで横になる、ペリー。 「ド、ドウデショウカ〜」 おどおどするペリー。 「むぅ・・・・これは腕を切り落とす以外にはありませんね」 「ヒィ〜〜」 「当教会では、この呪いをとくことは不可能です。 私達は、協会委員会に所属してそこで指定の修行をして 全国の協会に所属されるのです。 他の教会でもそうなのですが、これほど強力な呪いは委員会の方では扱ってなかったので ちょっとどこの教会にいってもこの呪いをとくことは不可能でしょうね・・・」 うなだれるペリー。 「ウデヲキリオトスクライナラ、ウデワトシンチュウシマス〜」 未来から来たジンの同行も得てぼく達は犯人を探すことにした。 「犯人を探す手がかりみたいのは?」 ぼくはジンに聞いてみた。 「犯行が起こるとき、巨大なエネルギー反応があります。 ですがそれを察知してからその場にいくのは遅いでしょう」 「そもそも、犯人グループはなぜそのような殺人を犯しているのでしょうね」 「この世界には元々、魔法という概念が存在しません。 しかし、魔法とは元来、人が持っている素質なのです。 その素質は生まれつきのものがあるのですが 魔法が存在しない世界で、魔法を持っている素質を持っている人物は より巨大な魔力を持っているのです。 その巨大な魔力を抽出するために、魔力を集めているのでしょう」 「つまり、この世界で魔法を使っている素質の者を探せばいいのですね」 「そうです、私も、そしてあなたも元々別世界から来た人間ですから 魔法を使う素質のある人物は見抜くことができます。 そして・・・次のターゲットになると思われる 魔法を使う素質のあるの持ち主は、今、北海道という土地にいる 外国人留学生、ビアンカ・エル・ケル・グランバニアという女性です」 「つまりその女性を備考して犯人が彼女の潜在能力の魔法を吸い取ろうとしたときに 止めればいいわけですね」 |
第125話 |
Ridwyさん |
840000HIT |
ぼくは後にどんどん流れていく街の風景をぼんやり見つめていた。 例の鉄の生き物と思った物(車と言うらしい)に乗って東京の中を移動しているのだ。 もちろん、ジンに乗ろうと言われたときはやはり到底中に入りたくないと思った。 でもこうして乗ってみるとそんなに不快でもない。騒々しい音も中ではそんなに聞こえなかった。
ジンの話じゃ北海道という所に魔法の資質を持った女性がいて、 その人を守る為に今、続々と担当者たちが集まって来ているらしい。 そんなわけでぼくたちも北海道を目指している。(もっともこの話については解らないことも多かったけど。) ただ、そこへ行くには車よりももっと速い乗り物があるというのでそれに乗れる所へ向かっているのだ。
正直ぼくはいささか混乱していた。いや、「いささか」なんて物じゃない、「かなり」だ。 そもそも何のために旅に出たんだっけ?魔王を倒す為?そうだ。 でも…今いるこの世界には魔王はいないみたいだ。 ふと、ある人物が頭をよぎった。邪教祖。 あれは以前、ラインハットとか言うところに飛ばされたときにもいたじゃないか。 同じモノを欲しがっていたし、姿からしても間違いなく同一人物とみて間違いない。 なんとなく不安が頭をもたげたけど、ジンが話かけてきたのでなんなのか解らなくなってしまった。
「どうした、車に乗ってから黙りっぱなしだぞ。気分でも悪いのか?」
「いや、気分は悪くないですよ。ただ、ここのところあまりにいろいろあっので…。」
「そうか。 もうじき空港だぞ。」
「空港?」
「例の乗り換え場所だ。(ニヤリ)」
ぼくはジンの笑みからなんだか意地の悪いものを感じたが、なんだかよく解らなかった。
空港と言うのはかなり広い所だった。きれいであちこちもっと見ていたかったが…。
「ほら、こっちだ。あまり時間が無い。」
そう言われると今のぼくは従うことしか出来ない。 別の扉からまた外に出た。そこでぼくが見たものは…。
「なんですか!?あれ!」
ジンは笑いながら答えた。
「次の乗り物だ。今度のは…空を飛ぶぞ。」
いやはや、あれが空を?!それは鉄の塊にどう考えてもそれには小さすぎる華奢な翼がついた代物だった。 …嫌がったがまた乗せられてしまった。そして…
本当に飛んだ。
もう、なにがあっても驚かないぞ。ぼくはちょっとは解ってきたことを示したくてジンにこう言った。
「この世界じゃ、星へだって簡単に行けるんでしょう?」
ジン「・・・・・・」
(違ったかな…)
飛行機と言うらしいその乗り物の中でぼくはいつしか眠りについていた。その眠りの中でぼくは夢を見た。
−−北海道に集まる担当者。ぼくを含め異世界から来た人々も多い。 最後の1人がついたとき、ジンの様子が急変。異世界から来た全員の魔力を奪って殺害−−
嫌な夢だった。思えば、ジンと言う人物についてぼくは何も解っちゃいないんじゃないだろうか。 しかし、彼がウソをついた事があったか? ない。 そんなこと…あるはずがない。 |
第126話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
目を覚ますとぼくは汗をかいていた。 「夢か・・・・・」 それにしても、はっきりととその様子がわかるくらいリアルな夢だった。 隣を見るとジンはすやすやと寝ていた。 どうやら、目的地にはまだついてないらしい。 そのとき、突然女性の声が、どことなく響き渡った。 「まもなく着陸します。ベルトをしめて、席をたおしている方は元の位置に戻してください」 そういえば、この鉄の生き物が空を飛ぶときも、 突然声が流れそのようなことを言っていた。 人間がいないのに声が聞こえてくる、本当に不思議な世界だ。 しかし逆に考えればこの世界の人もぼく達の世界に来れば奇妙がるに違いない。 今回、魔法力が有る女性に会いに行くとはいえ、 この世界では基本的には魔法が存在しないものとしているらしい。 一度いったところならルーラでいけるのに、それができないとは不便な世界だとも少し感じた。 どこから声が聞こえたのかわからない女性の声がしたあと、 ジンも目を覚ましたようだ。 「随分騒がしいところだな」 北海道の旭川と呼ばれるところでぼく達は鉄の生き物から降ろされた。 しかしそこにも人はたくさんいた。 「さて、これからどうする?」 ぼくがジンに尋ねると 「北海道といったら、まずはラーメンだ」 とジンが真剣な顔で言った。 「ラーメン?」 「あぁ、ラーメンだ」 初耳な言葉だ。 「それは新手の武器の名前か? それともこの国での魔法か?」 「・・・・・・・・」 「なぜ、黙る?」 「・・・・・ついてくればわかる」 もしかしてベギラゴンやイオナズンのような極大魔法の一つかもしれない。 「アツイとだけ行っておこう」 アツイ? 炎系の魔法なのだろうか? なんて強そうな名前なんだ。ラーメン。 そういうとジンはずんずんと道を歩き出した。 「ま、待ってくれよ・・・・」 「確かにアツイな」 「アツイだろ・・・」 確かに熱かった。 |
第127話 |
あびさん |
875000HIT |
「そしたら常時ボミオスがかかっているようなアイテムが必要ね・・・」
「まだらくも糸じゃ効果は一時的だしのぉ・・・」
「ソレダッタラソウイウアイテムヲ製作シテモラエル所ニ心アタリガアリマス」
「おお、どこじゃそれは」
「サッソク行キマショウ・・・ルーラッ!」
ドゴン!(×3)
星ふる腕輪2の効果で超高速で頭を教会の天井に打ち付けて 昏倒している3人の姿がそこにはあった・・・
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第128話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
ルーラで延びている3人の姿は、ライアンがホイミンと共に 洞窟内で空飛ぶ靴を使ったのと同じくらい情けなかった。
「いったぁ〜い」
たんこぶをさすりながら、先に気が付く弥生。
「ペリーさん、おじいさん、起きて」
弥生に揺すられ、起こされた二人。
「次は気をつけておくれ」
「ゴメンナサイ〜」
三人はルーラの使えるところまで出て、再度ルーラを唱えた。
「ここは・・・・・ジパングじゃな〜い」
愚痴を言う弥生。 ジパングからポルトガに旅だったはずなのに、またジパングに戻ってきた三人。
「ジパングニハ、メイケン、”クサナギノケン”ヲツクッタ、 カジヤガ、イルデス」
「あっ、そうか、鍛冶屋の草薙さんなら神の剣を作った人だから もしかして何とかしてくれるかもね」
「素早さを落とすためのアイテムを作ってくれだと?」
ここはジパングにある唯一の鍛冶屋、草薙の家。
「まぁ・・・・・方法がないわけではないが・・・・ しかし材料が手にはいるかどうかじゃなぁ」
「いったい、何が必要なんですか?」
「ボミオスを使うモンスターの欠片が必要なのじゃ」
「というと」
「笑い袋の袋を集め、その袋に、アニマルゾンビの腸を煮込んで、 3日間煮る」
「あ、アニマルゾンビの腸・・・ですか?」
その様子を想像した三人は、あまりのことにげんなりした。
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第129話 |
クッポさん |
880000HIT |
「そうだ、だがまだ終わりじゃない。さらに3日間日の当たるところに置き乾燥したところを爆弾石・・・・ つまり爆弾岩の欠片で爆発させて残ったものが薬となる。だがこの爆弾石のせいでほとんど薬が吹っ飛んじまうんで 最低でも[『笑い袋の袋−10』アニマルゾンビの腸は袋一つあたり 10個必要だから100個]必要になるだろう。だがこれだけやっても おそらく袋は1〜3個くらいしか残らないだろうな。」
やることの多さと手間、さらに精神的にきついこともあり、 三人のやる気はかなり落ちてしまった。 さらに草薙はこう付け加えた。 「しかも誰も遅くなりたいとは普通思わないから、 この調合方法は私のひいひいひいひいひいひいじいさんが書き残した薬の調合なんだ。 私も作ったことがない。だからたとえできても効果がちゃんとでるかどうか分からない・・・。 っていうか、・・・そもそもなんでわざわざ遅くなりたいんだ? 普通いないぞそんなやつ。」
「犯人は魔力を持つものを狙う、といっていましたよね。 ・・・つまり僕たちもねらわれる可能性は高いということなんですか?」 周りの変わった景色にも少し慣れ、少し落ち着いた僕は聞いてみた。
「狙われる可能性はありますね。私もそれは予想して自分をえさに相手をひきつけようとしたんですが、 慎重なのか・・・はたまた何か別の考えがあるのか分かりませんが全くこちらには見向きもしないんです。 だから次に狙われる可能性の強い人に会っておくのです。 (彼女が強い魔力を持っている場合尾行しても気づかれりでしょうからね)」
「尾行が気づかれるのでは犯人の出現も僕たちやその人はわかるんじゃないんですか?」 「犯人の場合、少し魔力とは違うエネルギーによって ゲートインをして瞬時にゲートアウトしてきます。 通常の魔力とは別種の能力ですから探知は難しいと思われます。 前に話した無補給永久擬似機関によるエネルギーは絶大です。 おそらくその機関の犯人による乱用のせいで、最近頻繁に別次元や別時代、 つまりタイムゲート(時空震)に弾き飛ばされる、人が増えたのでしょう。 犯人を止めればこのようなことはまず起こらなくなると思います。」
一方、忘れ去られた邪教祖はというと・・・ まだ自分の魔法に関する経験について熱弁を振るっていた・・・。
そしてそれを見ていてついに堪忍袋の尾が切れたホーキングは 前もって渡しておいた時代次元が違っても音信が取れる道具をつかい、
「いっつまでやっているんだー、バカヤローー、えええ〜い、 もうお前ではだめだ!別のやつを送る、お前をただちに帰還させるぞ。」 「えっ、あっ、ちょ、ちょっとま、待ってください〜!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「お、おかしい・・・、時空震がおきない・・・。もしかして」 「なっ、なんですって!!一体何故・・?」 「おそらく・・・何かその地点でこちらの邪魔をしているものがあるようだ。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・もっ、もしかしてこっちで起きている事件のせいかもしれません」 「おそらく・・・な」
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第130話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
草薙に事情を話した弥生達。 しかし、話したからといって、事態がかわるわけもなく 弥生達はとりあえず草薙の家をあとにした。
「ほんとに、そんなことしないといけないの・・・」
弥生はヘナヘナとその場に座り込んだ。
「ペリー、おぬしはそのまま一生すごすんじゃ。うん、それがいい」
「ソンナ、セッショウナ〜」
「冗談じゃよ。 ふむ・・・・しかし困ったのぉ・・・」
「どのへんに魔物があらわれるのでしょうか?」
「アニマルゾンビはカサーブの近く、 笑い袋はイシスのピラミッド、それと厄介なのが爆弾岩が グリズリーやキラーアーマーなどがたくさん住み着いている 世界中の樹の近くにいるそうじゃ」
「カサーブはともかくとして、 イシスにいくためには砂漠越えもしないといけないし、 世界樹の木にいくためには、船でジパングまで言って大回りしないといけませんね・・・」
「イシスは以前いったことがあるわい。 だからルーラでひとっとびじゃ」
「どこから行きましょうか? でも、カサーブはイヤ! 絶対にイヤ!」
「ワシだってイヤじゃ。 そこで一つ、魔物使いをワシらのうち誰かがなるというのはどうじゃ?」
「魔物使い?」
「そうじゃ。ダーマの神殿ではまだ正職業として認められていない職業なのじゃが、 魔物たちを操ることができる職業があるとのことじゃ」
「へぇ・・・そんな職業があるのですか。 でも何故ダーマは魔物使いの存在を認めてないのですか?」
「魔物使いになったものは、魔物の術を会得することもできるからじゃ。 火炎の息、凍える吹雪、毒の霧、 そんなものが、人間が使ったら、他のものはどう思う?」
「恐怖の対象になるでしょうね」
「そういうことじゃ。 自ら魔物の技を使うことができ、さらに魔物を操ることもできる。 それは危険な禁断な職業でもあるのじゃ。 だからダーマは認めないのじゃな。 まぁ、いつの日か魔物使いの職業も認められる日も来るかもしれんが」
「でも、ダーマは”遊び人”の存在は認めているんですよね。 まぁ、危険性はないですけれど・・・・でも変なの! それで魔物使いになるにはどうしたらいいのでしょう?」
「賢者になるには、”悟りの書”というのが必要じゃが、 魔物使いになるには”魔物の書”というのが必要だそうじゃ」
「なんか、呪われていそうな本ですね」
「どこにその本があるんでしょう?」
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第131話 |
スペアリブさん |
890000HIT |
「魔物の本は、異界の地エルヘブンの巫女によって記されたものらしい。 すなわち、この世界ではなく遥かなる異界に存在するもの。 この世界をいくら探したとしても、恐らく見つからんじゃろうな・・・。」
「それじゃあ無いも同然じゃない!」
「うむ、そうなるのう・・・・。」
「北極海ニハ、沢山ノ[旅人の扉の泉]ガ存在スルト聞キマス。 モシカシタラ、ソコノ1ツニ異界ヘノ道ガアルカモシレマセン〜」
「ふむ、考えていても埒があかんし、ちと行ってみるかの・・・。」
「そうね!」
じいさん一行は、北極海に旅立つため準備を始めた。 全ての準備が整い、出航しようとしたその時・・・・
「待て。北極海に行ったとしても異界への扉は存在せぬ。」
はるか上空から、おどろおどろしい声がこだました。
「我が名はホーキンス。時を操る神。 これ以上の素性は明かせぬが、今は汝らに手を貸そうと思う。 魔物の本があるエルヘブンへ、汝らを誘おう。 どうだ、信じては見ぬか?」
「ほ、ホーキンスじゃと!? ホーキンスといえば十二の創造主の一人ではないか! 本当にホーキンスならば、なぜわしらに加担する!? 神魔の争いは絶対に避けねばならぬ禁則のはず! このデタントが崩れれば必ずハルマゲドンが起こる! そなたが神族側の立場であれば、絶対に出来ぬことじゃぞ? そなたを魔族側と思わざるを得ない状況だというのに、 なぜあえてそのような発言をするのじゃ!?」
「逆をいえば、このようなことを持ちかける余が魔族側だという可能性は 極めて低いということであろう? 今、この因果を覆すようなとてつもないことが起きようとしているのだ。 異世界にいけば、汝らにもこの事態がすぐにわかるはず。 どうじゃ、いってはみぬか?」
「うむぅ・・・・」
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第132話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
じいさん賢者は、ホーキンスの問いに考え込む。
「どうします?」
弥生は突然響き渡る声に驚きながらも、じいさん賢者に問いかけた。
「この話には何か裏があるようにしか思えんが。 裏を読めば、北極界に何かあるのに、そこへ行かせないためかもしれんし、 何故、ワシらに神に匹敵するものが頼むのかも気になるしの」
「汝らが余の言葉を信じるか信じないかは自由だ」
「と言ってますが・・・」
「確かにワシらがまだ何の手がかりも持っていないのも事実じゃ。 二手に別れるという手もあるが、今の星降る腕輪2をつけている ペリーは使いものにならん」
「ソンナ〜」
「まぁ、異界にいくのはワシのほうがよかろうて。 仮に変な世界に飛ばされたとしても ルーラでこの世界には戻って来れるはずじゃ。 ここは賭けにのってみる価値はあるじゃろうて」
「しかしただでさえ少ないパーティ、 これ以上少なくなり、パーティを分け一人旅をするのは危険だと思います。 であれば、一緒に行動していたほうが・・・・」
「むぅ、まぁ確かにワシも一人で異界にいくのは不安はある」
「ルーラで戻って来れるのでしたらまず異界に行きそのあと 北極界にいってみては?」
「そうじゃな。今とてつもないことが起こるという ホーキンスの言葉も気になるしの。 ホーキンス、そちの話わかったわい」
「契約はなされたぞ!!!」
そうホーキンスの声が聞こえると 辺りの景色が、霧にかかっかのようにぼやけてきた。
「こ、これは・・・・」
じいさん、弥生、ペリーの三人は気がつくと森の中にいた。
「どうやら、時空を越えたようじゃな」
「ここが・・・・・エルヘブンですか?」
「タタノ、モリデス〜」
「ふぅむ、ワシもエルヘブンは名前しか聞いたことがないから わからないわい」
そのとき、森の中からカサカサ音がした。
三人が音のした方を見ると、そこに一匹の生き物がいた。 その生き物はスライムの上に人間の形をしたものが 剣と盾を持っていた。
「なんじゃ、この生物は・・・・」
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第133話 |
新里君さん |
930000HIT |
じいさん、弥生、ペリーの三人は、 びっくりして一歩、一歩、後すざりをした。
「こ、この生物、いやモンスターかの?」
「デモ、ニンケンノカタチモシテマスヨ。」
「しかし、しゃべれるかしら?」
「ふうむ・・・」
そのとき、じいさんはあるものを見つけた。 もちろん、その何かに近づいて、二人に伝えた。
「ここに、薬草があるぞい」
「エ、ヤクソウ?」
「薬草じゃな・・・ある意味、不思議じゃな。 本当にただの薬草じゃのかな? もしかして・・・。」
「変な事言わないでよ」
そして、一人(1匹)さみしく、無視されている謎の生物は、どうしようかと悩んでいた。
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第134話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
目の前の薬草を丹念に調べるじいさん賢者。 目の前のモンスターもなんのその。
「やはり・・・・、これはパテキアじゃの」
「パテキア!?」
「そうじゃ。ジパングの灼熱の洞窟でもでてきたじゃろ。 難病にも効くという、薬草じゃ。 パテキアは成長が早く、種を埋めると 肥沃な大地でも、すぐに育つそうなのじゃが その絶対数が少なく、すごく貴重じゃ」
「では、ペリーさんにこのパテキアを飲ませて、 どうにかならないかしら?」
「それは無理じゃろうて。 ペリーは星ふる腕輪2の呪いで早くなっているだけじゃからな。 じゃが、これは今後の役に立つじゃろう。 ぜひ、持っていこうかの」
「思わぬアイテムをゲットできましたね」
「うむ、エルヘブンには他に貴重な薬草があるのかもしれんの。 他に貴重な薬草はないかの」
「そうね、なんか薬草探しおもしろそうね」
そういうと、じいさんと弥生は薬草を探すため 腰をかがめようとした。
「アノ〜」
遠慮がちに声をかけるペリー。
「なんじゃ?」「なぁに?」
はもった二人。
「ココニキタ、モクテキ、ワスレナイデ、クダサイ〜!!! ワタシヲ、タスケテクダサイ〜!!!」
ペリーはそう言うと泣き出した。
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第135話 |
クッポさん |
940000HIT |
「アノ〜」 無視され続けて泣き出しかけた(上にいるのも下にいるのも) 謎の生物は意を決して自分から話し掛けようとした。
「な、泣かないで、ペリー。さっきの世界ではその呪い解けなかったけど この世界では解ける可能性があるでしょ。」 「そうじゃぞペリー。泣くのはまだ早い!がんばらんかい。」 「そうよ、忘れそうだったけど魔物の悟りを探しにいきましょう。 それじゃあ早く町を見つけましょう」・・・やっぱり無視される謎の生物・・・・
プチッ 「イオラー!!!」 ついにキレた謎の生物は弥生達に向かってイオラを唱えた。 そうこの生物はスライムナイトでしかもエルヘブン周辺でも 生きれるほどのレベルに上がっていたのだ。
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第136話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「ぬおおぉぉ〜!!!」 「きゃぁあ!!!」 「ヒィィ〜〜!!!」
スライムナイトのイオラを受け、はじけとぶ三人。
「お、おまえら! 無視するのもいいかげんにしろ!」
スライムナイトは激怒していた。
「いたたた・・・・そういえば、魔物のことを忘れていたわ」 弥生はお尻を痛そうにさすりながらよろよろと立ち上がった。
「しかしイオラが使える魔物とは、かなり強敵じゃの」
じいさんも杖をかまえて、目の前のスライムナイトを見つめる。
「これは、少々てこずりそうじゃの」
そういってじいさんは呪文を唱えようとする。
「ち、違います! 驚かせてごめんなさい」
スライムナイトは急に礼儀正しくなり じいさんの前に騎士らしく、かしこまった。
「私はスライムナイトのピエール。 見ず知らずの旅人にこんなことを頼むのは無礼かもしれないが 実は訳あってあなたたち人間の力を借りたい」
顔を見合わせる三人。
「込み入った事情のようじゃの」
「実はこの世界は以前、大魔王ミルドラースとなるものに 支配されそうになったことがありました。 しかし10年前、グランバニア国の国王と王妃、 そして息子の天空の勇者とその双子の妹が 大魔王を倒しました。 私もその旅に同行をしました。 以来5年間の平和が訪れましたが、 また世界を暗黒の世界にしようと、邪教祖が魔界から 魔物を呼び寄せ、世界を混乱に陥れました」 「邪教祖!!!」
じいさんと弥生は顔を見合わせた。 ペリーはその時は旅に同行していなかったので 事情が知らなかったが、二人の神妙な顔に ペリーも真剣だった。
「奴め・・・こんなところまで足を伸ばしていたとは・・・」
「私たちは力を合わせて戦いました。 しかし敵の力は巨大で、グランバニアは元より 世界最大の王国といわれるラインハットまで、敵国に落とされる始末。 グランバニア王と王妃、それに天空の勇者様達は 数名の家臣を引き連れ、今は身を隠し、 機会を見て反撃を試みています」
「ふむ・・・・そこまでの話はわかったわい」
「私は、邪教祖に対抗するため、 各地で以前共に戦った共を探すため、旅をしておりました。 そして、このエルヘブンに、旧友のゴーレムがいるのです」
「ゴーレムとは、幻の石の魔人じゃな?」
賢者だけあり、じいさんの知識は多世界の知識も豊富だった。
「はい。このエルヘブンの地は、グランバニア王の故郷でもあり、 たくさんの魔物達が、この地にいます。 しかし邪教祖が巨大な魔力により、彼らの思考や理性を奪い取りました。 メダパニの魔法のようなものです」
「理性を失った魔物達は・・・・当然暴れるじゃろう」
「そうです、邪教祖はそうやってエルヘブンを自らの手を汚すことなく 内部からエルヘブンを崩壊させました。 私は彼らの理性をどうにか取り戻したいと・・・・ そして、それには理性の種が必要なのです・・・・」
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第137話 |
スペアリブさん |
1060000HIT |
理性の種とは伝説の薬草として名高い 「パデキア」の変種「パデリクティア」の種である。 パデキア種特有の霊的効能力は種の段階に最も強く現れ、 特に魔術や霊的な疾病の浄化にその効果を発揮する。 パデキアと違う点は、種より出でる花にある。 開花すると同時にその霊力は土壌等に分散されてしまい、 一部残った養分も薬的効能ではなく霊力として花にまわり、 何とも珍しい、人間と同程度の高い知性を備えた花となる。 人々から「しゃべる花」と呼ばれているのはこのためである。 以上に示した通り元々は魔力の浄化の力しかなかったのだが、 太古の昔、神々の住む天界より追放された邪な神官が 「進化の秘法」と呼ばれる秘術を用いてこの種を品種改良し、 己の内に秘めた邪な理性を引き出す力を持つ新種、 「パデキャティリシア」(種の俗称は「邪心の種」)が生み出された。 この花は恐ろしいほどの繁殖力で、 元来種であるパデリクティアやパデキアとも交配してしまうため、 パデキャティリシアの花粉を受粉した花から結実した実には元来種の種が付かず、 全ての実に邪心の種が付き、それが成長しパデキャティリシアとなる。 この恐ろしいほどの繁殖により、 パデリクティアはパデキアは瞬く間に絶滅してしまったのだ。 そのパデキャティリシアも神々の手により一時は絶滅したのだが、 最近何者かの手により北アイララ地方で再び異常繁殖しはじめ、 北アイララ地方では現在、人だけで感染者数が二千を超える程に膨れ上がっている。 何故これほどまでに感染者数が増えたかというと、 邪心の種の魔力はパデキャティリシアの花粉にも大量に含有し、 それが呼吸器等を通じ、体内の魔力核に到達すると感染する。 人や動物の場合、魔力核は脳内にあるが、 魔力に通じぬ者はまず感染することはないし、 魔力への免疫力が通常程度あれば殆ど感染することはない。 しかし、魔力が極端に消耗している者や免疫力が低い者には高い確率で感染する。 あと、魔力が生命源のサーバント類等は、 魔力核が剥き出しな上、しかも操作し易い構造になっている為、 例外はあるものの、ほぼ100% の確率で感染する。 これだけ強い感染力を持つ上何とも皮肉なことに、 この魔力を打ち消すことが出来るのは理性の種のみで、 この種を食したものを治すことはできないのが現状である。 このパデキャティリシアを復活させ、再び繁殖させたのが邪教祖である。 サーバント類を操るだけなら彼の魔術でも簡単に出来るのだが、 人間や他の生物にも感染する所に目をつけ、 神々から授かった強大な魔力を受け継ぐ エルヘブンの民の能力を得るのが狙いだった。 潜在的な高い魔力を持っているのにそれを忘れてしまっている彼らには、 この種の魔術はとても効果的なのだ。 魔力の免疫力が失せたエルヘブンの民に次々と感染し、 気付いてみれば、民の三割もが邪教祖に忠誠を誓う「悪魔神官」と化していた。 悪魔神官達は、共に感染したゴーレムやガーゴイル等を率いて、 なんとほんの二日でエルヘブンを陥落してしまったのだ。 そして邪教祖の命によりエルヘブン中部の ヘヴン湖畔の魔界門のある神殿へ赴き、 魔界から大魔王を召喚するため、神殿内で祈祷を始めた。 かつてここは大魔王ミルドラースが封印された魔界へとつながっていたのだが、 ミルドラースが滅びた後、天空の神がここを封印した。 この扉は、封印を解く必要があると民の代表である四人の賢者が判断した際、 神の力が備わった三つの指輪とエルヘブンの民の魔力を捧げると この扉の封印が解かれるという仕組になっている。 四人の賢者は神から絶大な信頼を受ける者で構成されており、 この四人の意見が一致しなければ扉の封印に要する魔法は使えないので、 間違って封印が解かれたりすることはまずない。 しかしパデキャティリシアは、 なんと、神から絶大な信頼を受けた賢者達をも冒してしまったのだ。 封印を解く3つの指輪も、大魔王討伐の時に捧られたまま放置されていたので、 魔界の門を開ける条件の全てが邪教祖の手中にあるということになる。 この静かで恐ろしい危機も、 他の諸国の者達には魔物達の突発的な暴動としか思われていない為、 更に事態を深刻にさせている・・・。 無論じいさんや弥生達、それどころかスライムナイトのピエールすらも この重大な事態に気付いてはいない・・・。 このことを知るのは、邪教祖と悪魔神官となった元賢者の四人のみである。 しかし、ミルドラースが滅びた今、魔界の扉は一体何処へ通じているのだろうか? その答えは、身の毛もよだつとても恐ろしいものであった・・・。 |
第138話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
じいさん達は、パテキアを手に入れていたが パテキアと理性の種の関係を知るはずもないし この世界に何が起ころうとしているかも知らない。 しかし、スライムナイト・ピエールから、邪教祖の名前を聞いた時点で じいさんや弥生の正義感に火がついた。 「ふむ・・・・これは放って置くわけにはいかないぞい。 まずは、その理性の種を見つけなければいけないわけじゃな」 「しかし、そうなるとペリーさんはどうします?」 「ソウデス〜 ホシフルウデワ2ノ、ノロイガトケマセン〜」 「この際じゃが、ペリー殿にはしばらくそのままいてもらうしかなかろうて」 「ソンナ〜」 とりあえず、ペリーの問題は棚上げとなり理性の種探しに 三人は協力することになった。 「ところで、理性の種の在処はわかるの?」 首をかしげる弥生。 「いいえ・・・・しかしここの辺りはあります。 メダル王という、王様がいて世の中の希少価値の高いものを 集めている王様がいるのです」 「王様っていうのは、なんでそういうものが好きなのかしら。 世の中には黒コショウを集める王もいたし・・・」 その黒コショウのおかげで、呪われた人物がここにいた。 「とにかく、メダル王というところにいけば・・・」 「えぇ、もしかしたらあるかもしれません。 メダル王のところに行くには、船で行くことができます」 「船を調達しないといけないのぉ」 「いいえ、心配には及びません。 私がグランバニアからここまで来たときの中型の船があります。 残念ながら、私以外のものがこのエルヘブンの地で命を落とし 一人で船を出すこともできなかったのです。 あなたがたが来ていただければ船を動かすことができます」 「それなら大丈夫じゃ。ペリーは船長をやっているから 船旅は心強いぞい」 「マカセテクダサイ〜」
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第139話 |
カオスさん |
1070000HIT |
ペリーと弥生とじいさんの三人はスライムナイト・ピエール(これ全部で本名かは謎)の船で いったんメダル王の城まで行くことにした そこでペリーを除く(航海中)3人(2人と一匹?)は今後の計画を立てていた 「メダル王のところに行ったら素直に理性の種をくれるのじゃろうか?」 「どうしたの?」弥生が聞く 「いや、黒コショウのときように交換条件かもしれん」 「さすがはじいさん。凄い感ですね、メダル王は昔珍しいアイテムを探し回って旅をしていました もともとが金持ちでしたので集まりやすかったんです 前に旅していたときに一度会いましたが、 そのときは小さなメダルだけを集めていました 前の旅で見つけた多少のメダルはありますが 珍しすぎる理性の種は交換条件のメダル何枚になるか分かりません」馬鹿丁寧な口調でピエールが言う 「そうか・・・。」じいさんが言う。弥生もじいさんもまったく持っていない 「ペリーは持っておるかの?」 「聞いてきます!!」ピエールが走っていく 「人(?)をつかって自分は動かないって言うのはいいのぉ」 「そうね・・・戻ってきた」弥生が言う。ピエールは首を横に振っただけだった |
第140話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「ピエール殿は、その小さなメダルというのを何枚もっているのじゃ」
じいさんがスライムナイトに聞く。
「3枚ほどしか残っていません。 前の戦いで隼の剣と交換してしまったため、ほとんどないんですよね・・・・」
ピエールはうなだれた。
「まぁ、仕方なかろうて。とりあえず理性の種があるかどうかもわからんのじゃから。 最悪の場合、その隼の剣ともう一度交換してくれと、 交渉に持っていくしかなかろうな」
「そうですね・・・・」
剣といえば、騎士にとってみれば命の次に大切なものである。 それを手放すのは騎士にとってすごく不名誉なことなのだが 今はそんなことを言っている場合ではない。 一生守ると誓った、グランバニア王、王妃にその双子の天空の勇者達が 危機にさらされているのだからと、ピエールは割り切った。
海に出てくる魔物は凶暴だったが、 じいさんの魔法と弥生とピエールの攻撃で次々と倒していった。 メダル王のところについたときは夜になっていた。
「夜じゃが、会ってくれるかのぉ・・・・」
城に入ると、使用人をほとんどつけていなく、 城というよりは豪邸というレベルのものであった。
そこに玉座に座っている王らしきものがいた。
「おぉ・・・・確かピエールとかいったのぉ。 久しぶりじゃの」
メダル王は前にあったピエールのことを覚えていた。
「お久しぶりです」
「今日もメダルを持ってきたのかの?」
王は顔をほころばせながら、ピエールに聞いた。
「えぇと・・・・それが今日は別件でして・・・」
ピエールはメダル王に事情を話した。
「ふむ・・・・・理性の種か・・・・・あるぞい」
「ほんとですか!!!」
全員の顔が輝いた。
「メダル15枚で交換じゃな」
そう言った瞬間、みんなの顔がみるみる沈んでいった。
「しかし、事情の方はわかったつもりじゃ。 後払いでよい。今すぐに理性の種が必要なんじゃろ?」
そう言うと、メダル王は自分の宝物庫にいき 2つの宝箱を出してきた。
一つの宝箱をあけるとその宝箱をあけると、かわいらしい種が入っていた。
「これが理性の種じゃ。 それとこれはおまけじゃ。 今のお主達は困っているようだからのぉ。 これからの旅に役に立つじゃろう」
そう言って、もう一つの宝箱をあけると・・・・
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第141話 |
カオスさん |
1085000HIT |
メダル王が二個目の宝箱を開けた! そこから出てきたのは剣だった その剣は神ゴウしい光を放って輝いていた 「これはわしからの気持ちじゃ、受け取ってくれ。それは天空の剣といってな・・・」
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第142話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
じいさんと弥生は、天空の剣の存在を元々知らなかったので その剣の美しさにただ見とれていたが、 天空の剣の存在を知っているスライムナイトのピエールは違った。
ピエールは、グランバニア王子こと双子の天空の勇者が持っていたはずの 天空の剣が何故こんなところにあるのかと言うことだった。 もし、天空の剣がここにあると言うことは グランバニア王子に何かあったのでは!? という想いだった。
「王、何故、ここに天空の剣が・・・・・ 天空の剣はグランバニア王子が持っているはずです。 もしかして、グランバニア王子の身になにか・・・・」 ピエールが重々しく口をひらいた。
「いや、これはイミテーション(偽物)じゃよ。 金属はまったく別物じゃ。 じゃが、以前天空の勇者殿が来られた時に あまりのその剣の神々しさに惚れての。 これは軌跡の剣に伝説の金属オリハルコンで塗装したモノじゃ。 その切れ味は天空の剣に劣らないぞい。 ワシが作った特注品じゃ」
「そうでしたか・・・」
ピエールはホッとした。
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第143話 |
スペアリブさん |
1090000HIT |
メダル王:「グランバニア王子が持つ本物の天空の剣は、材質そのものが違う。 天空の剣は現在の神よりも前の時代から存在していた神剣だそうじゃ。
創世記の混沌の中世界を征服せんとする魔族の祖先達が反乱を起こした時、 ラミアスという勇者が人間ながら凶悪な魔族を現在の魔界へと追放したのじゃが、 神でも成し得ないこの問題に立ち向かう彼への責めてもの手助けにと、 意思と受動の神性を持つクリスタル・メタルという金属で創られた剣を与えたそうじゃ。 それが天空の剣といわれておる。 もっとも、現在の神の時代より前は「ラミアスの剣」と呼ばれていたようじゃがな。」
弥生:「私達の世界の王者の剣と同じようなものね。 けど、このイミテーションも王者の剣と同じオリハルコンで出来ているんでしょう? 本物とそれほど変わらないんじゃないかしら?」
メダル王:「王者の剣・・・?」
メダル王はペリーの剣を眺め、首を傾げた。 そして、申し訳なさそうな表情を浮かべ、口を開いた。
メダル王:「う〜む、そのペリー殿が持つ王者の剣は、 残念ながら「伝説の剣」ではないようじゃな・・・。 イミテーションでも無い様じゃが・・・。」
ペリー:「エエッ!ソ、ソンナハズアリマセーン! ワタシノ父上ガ、神サマカラ授カッタモノト話シテイマシタヨ!? 父上ガ嘘ヲツイテイルトデモ言ウノデスカ!?」
ここで、今まで黙っていたじいさんが口を開いた。
じいさん:「いや、神から授かったというのは本当じゃろう。
わしらの世界の創世記、神の世界では皆オリハルコンの武具を使用していたそうじゃ。 しかし、これは非常に精製が困難で、需要と供給の差は開く一方じゃった。
この事態に悩んでいた大地神ガイアは、精製を人間に委ねることを提案した。 神々もこの事態を痛感していた為、一部の反対はあるもほぼ満場一致で可決された。 そこで神々は、神々への信仰が厚いムーという大陸の民に、精製の技術を伝授したのじゃ。
彼等は飲み込みが早く瞬く間にこれを習得した。 半分は神への献上だが、残りは軍事目的以外の使用なら自由とされ、 これを基に彼等は、一気に巨万の富を得たのじゃ。
しかし、更に欲が出てしまうのが人間というもの。欲の膨らみは止まらず、 侵略の為の軍事力拡大にと、禁忌である武具の精製に手をつけてしまったのじゃ。
この事態は神々を激怒させた。傲慢・怠惰・腐敗で澱んだ民の心を見かね、 遂にムーの滅亡を決意したのじゃ。」
弥生:「ムーの伝説はあたしも聞いたことあるわ。 精霊神ルビスの必死の嘆願で、正しき心を持つ人達に条件を与え、 合格した人達は新天地への移住を許されたのよね。」
じいさん:「そう。そしてその条件が、神々の力を借りず神の金属を精製し、 三つの武具・装飾品を献上するというものじゃった。 これは困難を極めたが、三年の年月を経てようやく合格し、 見事、新天地であるアレフガルド等への移住を許されたそうじゃ。
そしてこの試練を乗り越え誕生した武具には、特別に神を祝福を受けた。 それが、王者の剣・光の鎧・勇者の盾の三つといわれておる。 そしてこれらの武具は彼等と共にアレフガルドへ渡ったのじゃ。」
ペリー:「コレガソノ王者ノ剣デハナイノデスカ? アレフガルド ト呼バレル土地ガ何処ニアルカハワカラナイデスカラ、 私ガ住ム国ガ アレフガルド カモシレナイジャナイデスカー!」
じいさん:「まだ話は終わっておらん!最後まで聞くのじゃ! この時に試練に合格した者は、アレフガルドへ渡った者だけではない。 当時未開だったペリーの住むアメリゴ大陸に渡った者や、 そして、弥生の住むジパングに渡った者もおるのじゃ。」
弥生:「えっ!?ジパングにも!?」
じいさん:「この2つの地域にはまだ人は住んでおらんかったので、 ペリーはともかく、弥生はムー大陸の民の子孫ということになるのじゃ。 ペリーの住むアメリゴは、今はエウロップ大陸からの移住民が多いから違うと思うがの。」
弥生:「あ、あたしってムーの子孫だったんだ・・・。」
ペリー:「アメリゴ大陸ニ渡ったムーノ人達ノ子孫ハ多分、スー民族達デショウ。」
じいさん:「そうなるかの。で、彼らもちゃんと武具を献上したのじゃ。 ジパングの方はちゃんと三種の神器として残っておるじゃろう。 草薙神剣・八咫鏡・八尺瓊勾玉の三つじゃ。 アメリゴの方はよく解らんのじゃが、草薙の剣もアメリゴの方の剣も、 昔は「王者の剣」と呼ばれていたそうじゃ。 その時の名称のまま、ペリー殿の剣は伝承されたのじゃろう。
しかし、伝説として語られる王者の剣は間違いなくアレフガルドのものなののじゃ。」
ペリー:「ナンデデスカ!ドチラモ神ノ祝福ヲ受ケタノデスカラ、同ジデショウ!」
ここで、黙っていたメダル王が口を開いた。
メダル王:「そなた達の世界のことはよく解らぬが、 アレフガルドのことなら存じておる。 といっても、伝承だけで何処にあるのかまでは知らぬがな。
アレフガルドに人々が移住し、ようやく集落が形成されるようになった頃、 この平和な世界を狙った魔族達が突如現れ、人間の集落に侵攻を始めた。 魔物達は次々と集落を襲い、移民の三割もの命が犠牲になったそうじゃ。 善良な市民達の殆どは戦闘能力を有さない一般の民であったため、 魔物に立ち向かう術もなく、彼らは滅亡を覚悟したという。
しかし、そこに一人の男が現れた。 男はロトという齢二十歳前後の若者であった。 ムーの移民達は自分達と共にこの世界に渡ってきた者だと思っていたが、 誰ひとりこの男を知る者はいなかった。
そして彼は、ムーの民によって創られた三つの武具を手に取り、 たった一人で戦い、そして瞬く間に魔物達を滅ぼしたのじゃ。
彼は「勇者ロト」として称えられたのじゃが、 あの戦い以来、彼を見た者は誰もいなかったそうじゃ。 しかも、彼の使った武具はその後誰にも扱うことが出来なくなったらしい。 その為武具は、その後に誕生した王家の城の宝物庫に今も大切に保管されているそうじゃ。
じいさん:「ほう、向こうで勇者が魔物討伐に使用して伝説になったとは知っていたが、 そこまで詳しくはしらなかったぞい。」
メダル王:「武具も、何らかのきっかけで天空の剣のように意志を持ったのじゃろう。 そして、真の勇者を選ぶことが伝説を呼んだのじゃな。」
じいさん:「そう。ペリーの剣はわしにも弥生にも扱えるからな。 伝説と違うものと解ったのじゃよ。
ペリー:「・・・大切ナ剣デハアリマスガ、ヤハリ残念デス。 私、ズットコレヲ伝説ノ剣ト思ッテイマシタカラ・・・。」
すっかりしょげてしまったペリーに弥生が、
弥生:「何しょげてんのよ〜!神様に選ばれた剣には変わりないじゃない。 もっと自身持ちなさいよ〜。」
と、ふとイミテーションの天空の剣をみたピエールが、
ピエール:「ん?じゃあこのイミテーションの天空の剣は一体どういうものなんですか?」
メダル王:「ん?これか? これはペリー君の剣のような云われはないぞよ。 こちらの世界ではオリハルコンの精製は比較的発展しておるしの。 しかし、ルラフェンにいる腕の良い鍛冶職人が仕上げたものじゃから 良いものには変わりない。安心せい。」
ペリー:「ナンダ!ジャア私ノ剣ハ、 コノ"なまくら"ヨリハマシトイウコトデスネッ!良カッタデース!」
メダル王:「な、なまくらとはなんじゃ!失礼な!」 |
第144話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
かなり落胆はしていたが仕方がないと割り切ったペリー、 天空の剣のイミテーションを譲り受けたピエール、 じいさん&弥生は、「理性の種」を持って メダル王に礼を言い、再度エルヘブンに向かうことにした。
「これで、ピエール殿の旧友のゴーレムが理性を取り戻せばいいのぉ」
じいさんはあごひげを触りながら言った。
「はい・・・・ゴレムスが加わってくれれば百人力です。 エルヘブンも邪教祖の手から取り戻せるかもしれません」
自信を持ってピエールも答える。
「私達も力を貸すわ」
「ありがとうございます。 ゴレムスはエルヘブンの門番として立ちはだかっているはずです。 後はこの理性の種をどうやって飲ませるかということですが・・・」
「アバレルノデハ、ナイデショウカ〜」
「そうじゃ。石の巨人が暴れたらエライことになるぞい」
「はい、ゴレムスが暴れだしたらとてもですが我々には手がつけられません。 それでお力を借りたいのですが、ラリホーの呪文は使えますでしょうか?」
「うむ。一応賢者じゃからな。 ラリホーで眠らせて、その隙に理性の種を飲ませるんじゃな?」
「はい、私も魔法は使えますが直接攻撃と癒しと解毒の魔法くらいしか使えませんので ゴレムスの動きを止める方法を考えていたのですが、 それしかないかもしれません」
「うむ、わかった」
「あれが、エルヘブンか・・・・ それであれが、ゴーレムなのじゃな・・・・」
エルヘブンの入り口付近には馬鹿でかい 石の巨人が立ちはだかっていた。
「モノスゴク、オオキイデス〜」
「あんな大きい巨人にラリホーなんて効くのかしら・・・・」
ペリーと弥生は心配そうに見ている。
「魔法をかけるにはある程度近づかなければならん。 ペリーと弥生でゴーレムを引き付けておくれ。 そこでワシがラリホーを唱えて、聞けば ピエール殿が理性の種を飲ませるのじゃ」
「もし効かなかったらどうするんですか?」
「・・・・逃げるしかないじゃろ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
全員が沈黙したが、特にこれといって良い案がないので 実行に移すことにした。
ペリーと弥生が、巨大ゴーレムの前に躍り出た。
「ウゴー」
それを見たゴーレムが、ガシャンガシャンと音を立てて ペリーと弥生に攻撃をかけた。
星降る腕輪2を装備したペリーはひょいひょいとかわす。 また弥生も独特の舞のような防御で、ゴーレムの攻撃をかわして 注意を引き付けた。
その後、じいさんとピエールがゴーレムの前に出た。
「ラリホー!!!!」
じいさんはラリホーを唱えた。
ピロピロ〜(DQ1風の効果音)
しかしゴレムスには効かなかった。
「うそ!?」「うそ!?」「うそ!?」「ウソ!?」
四人の声がはもった。
「一時退却じゃ!!!」
そういって、じいさん達は逃げようとした。
ザザザッッ(DQ2風の逃げる効果音)
しかしゴレムスに回り込まれた。
「ど、どうしましょう!」
あわてる弥生。
「落ち着くんじゃ! ピエール殿! ペリーに理性の種を渡すんじゃ!」
「ペリー殿に!?」
「ナンデデス〜!?」
「この中で一番すばやい動きをできるのは 星降る腕輪2を装備したペリーだけじゃ。 ペルーに跳躍してもらい、理性の種をゴーレムの口に放り込むしかない」
「イヤデス!!! ソンナ自殺コウイ!」
「じゃが、このままじゃ全滅じゃ!」 |
第145話 |
クッポさん |
1140000HIT |
「シカタナイデス ゼンメツ ヨリハ コッチノカノウセイ ニカケテミマス」 特攻策を拒否するペリーだったが、拒否したところで全滅は間違いないと判断し、しぶしぶ特攻策をすることとなった。
「よし、いくらペリーの素早さとはいえ直接行ってはカウンターをくらう恐れがありそうじゃ。 ピエール殿、あのゴーレムは相当頑丈なのじゃろう?ちょっとやそっとの攻撃ではダメージらしいものはないのじゃろう?」
「は、はい、確かにゴレムスは高い耐久力を持っているのでそう簡単には・・・」
「ではわしの攻撃呪文とピエール殿の攻撃呪文を同時にぶつけひるんだところを攻めてみよう。多少荒っぽいが仕方あるまい・・・」
「それにしてもさっきからこっちを攻めてくる気配がないわね・・・。今のうちに一旦退却できないかしら?」
「こ、これは・・・まさか・・・・まずい! 逃げてください、皆さ・・」
カッッッ! ズドーーン!
突如雷鳴が轟き稲妻が三人を襲った。 と思われたが、どうやら落ちる位置がずれたようだ。
「あっ、危なかった・・・・忘れていました。ゴレムスは対遠距離戦のためにいなずまの特技を習得しているんです。」 「つまり仮にさっき逃げられたとしても追撃される可能性があったわけじゃな・・・ ペリーもう迷っているヒマはないぞ、即さっきの作戦を決行するぞい。」 「ダンゼン ヤルキガデマシタ。マカセテクダサイ!」
「うむ・・・ゆくぞ!ペリー、 ピエール殿!」 合図と同時にじいさんとピエールは呪文の詠唱を始め、魔法を放った。 ピエール「イオラ!」 じいさん「イオナズン!」 |
第146話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
じいさんとピエールのイオ複合攻撃により ゴレムスの周りには巨大な爆発が無数に起こった。
「ウゴー!!!!」
いくら耐久力があり巨人のゴレムスもこれにはたまらない。 ゴレムスは次々と爆風に吹き飛ばされ、バランスを崩し 後ろにひっくり返った。
「やった!!!」
弥生が声をあげる。
こことぞばかりにペルーがジャンプし、ゴレムスの上に飛びかかった。
ペルーはすばやく理性の種をゴレムスの口に放りこんだ。
「ウゴー!!!!」
それを飲みこんだゴレムスは苦しみだし、再度暴れだした。 ペリーはゴレムスのパンチを受けてはじきとぶ。
地面に叩きつけられたペルーは苦痛に顔をゆがめ 脇腹を抑える。
かけよる弥生達。
「これは・・・・・肋骨が折れてる・・・・」
「ペリー、待っておれ・・・・今すぐ助けてやるからな」
そうじいさんは言うとペリーの脇腹に手を当てて ベホマを唱えた。 ペルーの肋骨が元あるところに戻ろうとする。
「・・・・ア、アリガトウゴザイマス〜」
一方しばらく暴れまくっていたゴレムスだが やがてピクリとも動かなくなった。
「だ、大丈夫かしら・・・・・・」
心配そうにする弥生を横にピエールはゴレムスにかけ寄った。
「ゴレムス!!! 大丈夫か!!」
弥生達にとってはただの石の巨人でも ピエールにとっては戦友であり大事な仲間である。
突然、ゴレムスが起きあがり ピエールを大きな手でつかんだ。
「ピエール殿!!!」
このままではピエールが握りつぶされてしまう。 じいさんは、魔法で援護をした。
しかし、よく見ると・・・・・・
「ウゴーウゴー!!」
なんとピエールを肩の上に乗せてあげているではないか。
「ゴレムス、正気を戻したか!」
「ウゴー!」
ピエールとゴレムスの再会だった。 |
第147話 |
スペアリブさん |
1160000HIT |
新たに仲間となったゴレムスは、エルヘブンで起こった経緯を語った。 (といってもその言葉はピエールにしかわからないのだが・・・) パデキャティリシアにより理性を失われたエルヘブンの神官達のこと、 彼らを使い、魔物達には持ち得ない「光」の力で魔界の封印を解こうとしていること、 この異変を止めようと立ち向かったゴレムス達も同様に操られてしまったこと、 ここまではじいさん達も知っていることであったが、 ここからのゴレムスの話は、さらに驚くべきものであった。 ゴレムス「私が操られる少し前のことなのですが、 悪魔神官達の話によると、やつらは魔界の門を開くことはすでに成功していたのです。」 じいさん「な、なに!では、すでに魔物達はこちらに出てきてしまっているのか!?」 ゴレムス「いえ、門は開いたのですが、 ミルドラースが滅びた時のダメージが大きかったようで、 魔界に接続することは出来なかったようです。」 じいさん「な、なんじゃ、脅かしおって・・・。 ではもうあの門については心配要らないのじゃな?」 ゴレムス「いえ・・・・、魔界には接続出来なかったのですが、 どこだか解らぬ空間に接続したと言っていました。」 じいさん「空間・・・?どこか異世界につながったのじゃろうか?」 ゴレムス「いえ、そこは「世界」などと呼べるようなものではなく、 一里四方の小さな空間だったらしいのですが、 ただ、その空間の中央には妖しげな石碑が一つポツンと建っていて、 その石碑には、見たこともない謎の文字が綴られていたそうです。」 ペリー「謎ノ文字ジャ、私タチガソコニ行カナイ限リ解リマセンネー。」 ゴレムス「いえ、悪魔神官の一人がその石碑に書かれていたものを書き写していたので、 それをくすねて来ました。」 弥生「くすねてって・・・あなたの体格でそんなことできるの?」 ゴレムス「あ、いえ・・・、くすねるつもりだったのですが、 力が入り過ぎてしまったようで・・・・」 じいさん「そんなことはどうでもよい、その写しは今もっておるのか?」 ゴレムス「はい、これです。」 じいさんはゴレムスから一枚の羊皮紙を受け取った。 そこには全く見たことのない文字が綴られていた。 じいさん「んー。これじゃなんだかわからんのう・・・」 弥生「どれどれ?どんなの?」 弥生はじいさんから羊皮紙をかすめ、中を見てみた。すると・・・ 弥生「こ、これ・・・ジパングの言葉よ・・・。しかもこの内容・・・。」 じいさん「よ、読めるのか!? よ、読んでみい!」 弥生「けど、これ・・・・ まぁ、とりあえず読んでみるわね。」 弥生はそこに書かれていることを読み始めた。 ただ読むのではなく、旋律をつけて・・・。 彼女の歌は、初めての人が歌うようなものではなく、とても口に馴染んでいた。 かごめ かごめ かごの なかの とりは いつ いつ でやる よあけの ばんに つると かめと すべった うしろの しょうめん だあれ じいさん「おぬし、これを知っておるのか?」 弥生「えぇ。知ってるも何も、これ、私たちの国の童謡だもの。 とんだ期待はずれだったわね〜〜。」 ピエール「この詞はどういう意味なのですか?」 弥生「う〜んとね、そのまま読むと、 (みんながわかるように読んでいます。) 篭目、篭目 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った。 後ろの正面 だぁれ?? になると思うんだけど、これじゃ全く意味がわからないのよね。」 じいさん「籠に入れられている鳥が自分で出てくるはずはないし、 夜明けの晩というのも後ろの正面というのも意味不明じゃのう・・・。 急に鶴と亀が滑ったと言われても、前後との関わりもないし。」 弥生「私たちの国では鶴と亀は神様として崇められているから、 それが滑るということはすなわち縁起の悪いことじゃないか? って言われていたんだけど、これも俗説に過ぎないわね。」 ピエール「鶴と亀というのが対を表すものなのであれば、 籠の鳥が出る 夜明けの晩 鶴と亀が滑った 後ろの正面 というのは、 相対するものを表しているような気がしますね。」 ゴレムス「すなわち、光と闇・・・。」 ペリー「ウ〜ン、コノ歌詞、モシカシタラ何カノ暗号ナノカモシレマセンネ〜」 ゴレムス「そういえば、悪魔神官達が、 『邪教祖様はこの詞を見て、エルハーレトイに向かうと言っていたな・・・』 とか言ってました。」 弥生「エルハーレトイって?」 ピエール「エルヘブンの南にある、均等な六角の形をした神秘的な湖です。 かつて天空の城が落ちた湖としても有名です。 昔からその湖底には地獄に繋がる大穴があるといわれていますが、 その穴は創世記の頃から神々により封じられているそうです。 城が落ちたときもあの湖に落ちたのも、封印が消えるのを防ぐためといわれており、 昔も今も、その穴が開いたことは一度もありません。」 弥生「じゃあ城が落ちた時は天国と地獄が最も近い距離になったってことよね〜。 なんか不思議ね〜〜〜。 ん?・・・そういえば、これも「対」よね・・・。」 じいさん「うむ・・・。この湖とかごめかごめの歌、何か関係あるかもしれんのう。」 ピエール「考えていても埒があきません。とりあえずその地に赴いてみましょう。」 |
第148話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
さっそくエルハーレトイに向かった弥生たち一行。 エルヘブンから船に乗り、そこを出ると ピエールが言っていたエルハーレトイと呼ばれる 六角の形をした神秘的な湖があった。 「この湖に何か秘密があるということよね・・・・」 船を降りて、エルハーレトイの湖に近づくと 何か見えてきた。 「祠ガ、ミエテイキマシタ〜」 ペリーが指差す方向には確かに祠が見えた。 六角形の湖の1つの角にあたる部分である。 「何の祠じゃろうて・・・・」 祠の前に着いたじいさん達は、祠を見上げた。 「結構大きい祠ですね。入ってみますか?」 ピエールが提案し、その言葉に一同頷く。 祠の中に入ると、赤、黄、青、緑の色をした4つのプレートが 四方向に壁に飾られていた。 赤には炎の模様が、黄色には砂漠の風景が、 青には雨の風景が、緑には、森の風景がそれぞれ描かれており そのプレートの中心には優雅な鳥が描かれていた。 「不死鳥ラーミアみたい・・・・」 弥生がプレートに描かれている鳥を見てそんな感想をもらす。 部屋の真中にはプレートにはさまれるように 大きく「A」という文字が床に刻まれている。 「なんかの・・・記号かのう・・・・」 じいさんが腕を組む。 祠には地下へ行く階段があり、その階段を下りていくと 地下二階にはまったく同じような四色のプレートに、 床には「B」と描かれているプレートがあった。 さらに階段を下りると地下三階に「C」・・・ と続き、地下4階には「D」という記述があり そこで祠は終わっていた。 地下4階からなる祠である。 「この祠に何かがあるのかわからないけれど・・ けれどなんかの秘密があるのは確かよね」 弥生はちょっと嬉しそうは顔をした。 「何をお主わくわくしておるんじゃ」 「こういう謎解きって、なんか面白くありません?」 「まぁ・・・・私も賢者のはしくれ、頭を使うのは 結構好きじゃわい」 「この四色のプレート、そして床もアルファベット。 いったい何を表しているんでしょうね」 そう言って、弥生が赤のプレートを触ると、 急に景色がゆがみだす。 「な・・・なに!!!!!」 弥生達が気がついたときは祠の入り口に全員が立っていた。 「・・・・・・どういうこと?」 「どうやらプレートを触るとワープする仕掛けになっているようじゃの」 「ふ〜ん・・・・・でも入り口に戻されただけね・・・・」 「タダシイ、プレートヲ、サワルト、ドコカニ、ワープスルトイウコトデハ、ナイデショウカ〜」 「その可能性はありじゃな」 「というと・・・・・4つのプレートでA〜Dの4階からなるということは 4×4=計16回やらないといけないってわけ?」 「それは大変ですね・・・・」 ピエールも困った顔をしている。 「ん?・・・ そういえば、あちらの湖の角にも何か見えません?」 「そういえば・・・・・」 一同は、その祠はとりあえず保留とし 新しく遠くに見えた物体の方向に進んだ。 すると、さっきいった祠とまったく瓜二つの祠があった。 一同は祠の中に入ると、先ほどと同じ、 赤、黄、青、緑の四色のプレートがそれぞれあり、 床には「E」という字が描かれていた。 その祠も地下四階からなっており、 「E」〜「G」となっていた。 「まさか・・・・・・」 弥生が顔を曇らせる。 そういってみんなの顔を見ると無言である。 プレートに触ると、また一同が表の祠の入り口にワープした。 「つ・・・・ま・・・・り・・・・・ 六角形の湖エルハーレトイの角にそれぞれ祠が存在して、 その祠は地下四階からなる、 そして祠の各階には、赤(炎)、黄(砂漠)、青(海)、緑(森)のプレートに 不死鳥ラーミアが描かれていて、床にはアルファベットが 書かれているということなのね」 図解すると となる。 これが1つの祠で4つあり、 最初に見た祠を祠1とすると 六角形のエルハーレトイにはそれぞれ祠が存在し 祠1:「A〜D」 祠2:「E〜H」 祠3:「I〜L」 祠4:「M〜P」 祠5:「Q〜T」 祠6:「U〜X」 となるわけだ。 「ということは、1つの階に4つのプレートがあり、 1つの祠が4階層、それが6つあるということは・・・ 4×4×6階=96回もやらないといけないこと!?」 「ソレハ、タイヘンデス〜」 ペリーもげんなりした顔で答える。 「むぅ・・・・それはすごく非効率じゃな。 一階触ったらまた祠の入り口に戻されて 96回繰り返したら、何日もそれだけでかかるじゃろう・・・・・」 「ウゴー」 そのときゴレムスが何か言った。 「どうした・・・ゴレムス? ・・・・暗号? 先ほどの暗号か?」 ピエールが通訳すると、先ほどの暗号らしき文を見たらどうだということだ。 かごめ かごめ かごの なかの とりは いつ いつ でやる よあけの ばんに つると かめと すべった うしろの しょうめん だあれ 「う〜ん・・・・・、まったく何の共通性もないようじゃがな・・・ ”赤、青、黄、緑の色”と”アルファベットの床文字”か・・・・ ん? アルファベット? この歌をアルファベットにしてみたらどうじゃ」 「そうね・・・・モノはためしね・・・・・」 KA GO ME KA GO ME KA GO NO NA KA NO TO RI HA IT U IT U DE YA RU YO A KE NO BA N NI TU RU TO KA ME TO SU BE TTA U SI RO NO SYO U MEN DA A RE 「ますます・・・わからんの・・・ なんかの法則があるのかのぉ・・・」 弥生、じいさん賢者、ペリー、ピエール、ゴレムスは 5人で頭を悩ませる。 「そういえば・・・・ここの湖の名前って エルハーレトイよね・・・・ これをローマ字にするとどうなるかしら?」 エルハーレトイ E RU HA (A) RE TO I 「・・・・・・・ん? もしかして、これらの文字はカゴメカゴメの中に 全部含まれているんじゃないか?」 「そうよ! 確かにそうよ!」 KA GO ME KA GO ME KA GO NO NA KA NO TO RI HA IT U IT U DE YA RU YO A KE NO BA N NI TU RU TO KA ME TO SU BE TTA U SI RO NO SYO U MEN DA A RE 「う〜ん、確かにあるようじゃが、なんの関連性もないの・・・」 「そうですねぇ・・・・」 じいさんと弥生がまた頭を抱えだす。 「でも、これら以外でも、組み合わせはあるんじゃないでしょうか?」 ピエールが横から口を挟む。 「確かに、他にも文字はあるからの。 しかし組み合わせは無限じゃぞ・・・・」 「例えば、まんべんなく、全部の行から、 アルファベットを抜き出すなんてことできないかしら?」 弥生が首をかしげる。 「では、試してみるかの・・・・」 KA GO ME KA GO ME KA GO NO NA KA NO TO RI HA IT U IT U DE YA RU YO A KE NO BA N NI TU RU TO KA ME TO SU BE TTA U SI RO NO SYO U MEN DA A RE 「おぉ!!!! ”ー”の伸ばす棒(A)を全部取り除いたら うまくおさまったぞい」 「もしかして、この暗号、あっているかもしれないわね・・・・ でも、これだけでは何もわからないわ・・・」 「まずは直前の文字に注目してみませんか?」 またもやピエールが提案した。 KA GO ME KA GO ME KA GO NO NA KA NO TO RI HA IT U IT U DE YA RU YO A KE NO BA N NI TU RU TO KA ME TO SU BE TTA U SI RO NO SYO U MEN DA A RE 「ふむ・・・ M I A N E A か・・・・・」 「そのまま読むと・・・”みあねあ”・・・・ なんの意味もありませんね」 「いや、これはアナグラムの可能性があるの」 「アナグラム?」 「アナグラムとは 文字、語句のつづり換えを変えて 別の単語のことにすることじゃ。 暗号のやり取りをするときに、よく使うの」 「ということは、上記の文字を並び替えるということですね」 「上記のアルファベットを並び替えて、別の文字にするのじゃ」 「A ME A I N ”雨・愛・ん”・・・・・だめだわ・・・ 言葉にならない・・・・」 「むぅ、単語が少ないのかのぉ・・・・ では、今度は二文字とってみるかの」 KA GO ME KA GO ME KA GO NO NA KA NO TO RI HA IT U IT U DE YA RU YO A KE NO BA N NI TU RU TO KA ME TO SU BE TTA U SI RO NO SYO U MEN DA A RE 「今度はいっぱい、アルファベットの組み合わせができるわね。 そのまま取り出すと O M R I Y A N N M E A A か・・・・」 「まずは単語を作るといいぞい」 「ええと・・・・ あ・・・・YA MI という言葉があるわ」 弥生が文字を紙に書き出す。 O M R I Y A N N M E A A 「ふむ・・・ということはyami(闇)と解釈できるかもしれないの」 「YA MI NO MA E RAN 闇の前・・・・あぁ、RANが邪魔だわ! 次に・・・・ YA MI NO MA RE NA 闇のま・・れ・・・な・・・・意味不明ね・・・ YA MI E NO RA N MA 闇への ら・ん・ま・・・意味が通じないわね・・・・」 「NA MA RI というのはどうでしょう?」 次にピエールが言う。 「ほぉ・・・金属のNA MA RI(鉛)じゃな・・・」 O M R I Y A N N M E A A 「NA MA RI NO YA ME 鉛の・・・や・・・・め・・・・ ダメですね・・・・・ NA MA RI NE MO YA 鉛・・・・ね・・・も・・・・や・・・・ これも意味がわかりません・・・・」 「YARI ハ ドウデショウ?」 次はペリーが案を言う。 「YARI(槍)じゃな・・・・」 O M R I Y A N N M E A A 「YA RI MO AME AN N 槍 も 編め・・・あ・・ん・・・・ ダメじゃ・・・」 「そうね・・・・槍も編めなんて 槍は編むものじゃないものね・・・ ん? でも、「編め」は「雨」とも解釈できるわよね」 「なるほど、その解釈はあるの・・・ では、雨を最初に持って単語をつくるかの・・・・」 O M R I Y A N N M E A A 「A ME NO MA RI YA N 雨 の ま り や ん・・・ まりやんって、女性の名前みたい・・・・結構ちかいかな。 A ME YO RA I N MA N 雨 よ ら い ま ん・・・ まったく意味不明になったわ・・・ A ME NO RA MI YA N 雨 の ら み や ん・・・・ これも意味不明ね・・・・」 「・・・む!? ちょっと待て!!!」 「どうしました?」 「それじゃ!!!!!」 じいさんは大きい声で叫んだ。 「弥生、それじゃよ」 「雨 の ら み や ん ・・・ですか? 言葉になってませんよ・・・」 「いや ra mi ya n「らみやん」 を「らみや」と「ん」に分けて考えるのじゃ。 雨のらみや ん・・・・ 雨の・・・・雨のラーミア!」 「そうじゃ! そして、 「ん」ではなく、「N」とすると・・・」 「Nの床がある雨の背景が描かれた、 青いプレートのラーミアを触ればいいってことですね!」 弥生達は、さっそく「N」の床がある祠に向かい、 青い不死鳥のプレートを触った。 そうすると景色がゆがみ、祠の入り口とは違う場所に 5人の姿が現れた。
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第149話 |
波音さん |
1315000HIT |
Nの青ラーミアに触れて、 別の空間に飛ばされてきたじいさん一行。 飛ばされた先には大きな扉がふたつあり、 辺りは暗闇に覆われていた。 扉にはそれぞれ、 「サイレンスプリズン」「ディープダークネス」 と爪痕のような字で書かれていた。
ペリー「チンモクノロウゴクニ、フカキヤミ、デスネ〜」 ペリーが言葉の意味を説明した。 弥生「じゃ、どっちに入る?」 じいさん「沈黙の牢獄じゃろう。 深き闇、となれば一体何が潜んでいるかもわからぬし、 罠があっても気付けぬかも知れぬ。 しかし牢獄ならば、先は行き止まるはずじゃから、 入った後引き返す事も出来るし、 誰か重要な人物が捕まっているかも知れぬ」 それに対し、ピエールが疑問を投げかける。 ピエール「牢獄ならば、牢兵がいて 私達が捕まってしまう可能性もあるのでは?」 じいさん「いや、それも罠の可能性がある。 今の状況なら大抵の者が目指す邪悪なものへ辿り着きたいあまり、 深き闇を選ぶじゃろうし、 牢獄へ行く必要はないと考えがちじゃ。 しかし、それがもし心理的に作られた 罠への誘導策だとしたら、と考えると、 ここは一つ逆の方向に行ってみた方が良い事がある。 それにわしのアバカムがあれば大概の牢扉は開けられるしのう」 弥生「なるほど、じゃあこっちの扉を開けましょう。 ・・・あれ?何か書いてある・・・。 全ての音が遮られし場所・・・?」 ピエール「気になりますね・・・ ですが今は先に進むのが先決でしょう」 一行は牢獄へ続く扉を開けた。
扉の奥にも暗闇が続いていた。 ゴレムス「ウゴー」 ピエール「ゴレムスが、どこからか声がすると言っています」 ペリー「アソコニ、ヒカリガミエマス〜」 ぽつんと見えた光に向かって進むと、 牢獄のような場所に着いた。 ゴレムス「ウゴー」 ピエール「ゴレムスがここの奥から聞こえると言っています!」 じいさん「鬼が出るか蛇が出るか・・・とにかく進んでみるかの」 一行はさらに奥へ進んだ。
牢獄の一番奥にあたる場所に辿り着くと、 そこには牢屋に閉じ込められた男と、 それを前に立ち尽くす一組の男女がいた。 ?「・・・!誰だ!」 牢屋の前にいた青い服の男がじいさん達に気付く。 ペリー「ワ、ワタシタチハアヤシイモノデハアリマセン〜」 ?「・・・良かった、人間みたいね。」 話に入ってきたのは横にいた赤い髪の女。 ?「私、バーバラ。こっちがテリー。 で、牢屋に入ってるのがミディリン王国って所の王子様、 ヤス・ダ=マコトさん」 じいさんと弥生は驚きの声を上げた。 じいさん「なんとノアニールの王子か! 行方不明と聞いていたが こんなところに閉じ込められていたとは・・・」 マコト「じゃあ、貴方達も向こうの世界から!?」 じいさん「そうじゃ」 じいさん達は一通りの自己紹介をした。 するとバーバラとテリーは顔を見合わせた。 そしてテリーが静かに口を開いた。 テリー「魔界の主ホーキングと大地の精霊ルビスを知っているか? 今、世界のあちこちでこの両名が開け放った時空震が口を開けている」 ペリー「ジクウシン?」 テリー「空間が捻じ曲がって出来た時間や空間を超えた波動の事だ。 これのせいで様々な時代や世界がつながった。 俺達も過去の世界からデスコッドという町からそれに乗ってきたんだが、 仲間の一人が未来へ飛ばされてしまった」 ピエール「お、恐ろしい・・・」 マコト「邪教祖はこの事を知らなかったようですが、 ヌルツーという者がこの事を知っており、 何とか時空震を操ろうとしているんです。 それを止めなければ、世界は大変な事になります!」 弥生「ヌルツーですって!?」 弥生はさらに驚く。 灼熱の洞窟で出会った男が名乗った名前と同じだったからだ。 マコト「そして、時空震を操るために必要だったのが・・・ 私の音楽の力なのです」 じいさん「なるほどの、そういう理由で捕まっておったのか」
マコト「とにかく私はここから出なければなりません! この扉は部屋のどこかにある 暗号が脱出に必要なのですが・・・」 弥生「おじいさん、アバカムを試してみてはどうです?」 じいさん「ふむ、だめもとでやってみるかの・・・」 じいさんはアバカムを唱えた。 が、扉には何の反応もない。 じいさん「やはり暗号を探す他なさそうじゃのう」 ピエール「では、手分けして探しましょう!」 ピエールの声に全員が一斉に動いた。
ゴレムス「ウゴー」 1時間ほどした頃、 ゴレムスが一枚の紙切れを見つけてきた。 バーバラ「これは・・・楽譜の一部みたいね」 マコト「見せて下さい! ・・・これは、我がミディリン王国の誇る作曲家、 ベートーヴェンの『エリーゼのために』の主旋部です! どうやらこれが暗号のようですね」 一同は早速、楽譜の暗号の解読をはじめた。 |
第150話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「う〜ん、またアナグラムでしょうか・・・・」 ピエールが、ゴレムスの暗号の紙を眺めながら提案した。 「そうかもしれんの。 しかし問題が2つある。アナグラムであるのならこの楽譜が どのようにして言葉にすればいいのかが一点、 それに問題はこの暗号を解いて、いったいその暗号を どうすればいいのかということじゃ。 その問題事態が暗号に隠れているのかもしれんが・・・ 前は4つのプレートという「触るもの」に暗号を当てはめたが ここはただの牢屋じゃ。 周りに何もないの」 「そうね、それとこの牢屋は鍵穴もないもの。 いったい、どうやって鍵がかかっているんだろう・・・ 目の前にあるのは鉄格子だけだけだし・・・ いや、魔法で封じられているっぽいから鉄じゃないのか・・・」 弥生が牢屋を何気なく見てつぶやいた。 「・・・・ん?」 「どうした、弥生?」 「いや・・・・・あの牢屋の左上にある文字みたいの・・・・なんだろ?」 「ふむ・・・・・一番左上に、「1」という数字が書いてあるみたいじゃな」 「これって、何かのヒントかしら?」 「そうかもしれん。数字が何か関係するのかの。 ちなみに今、数えたところ、この牢屋は15本の格子からなっているようじゃの」 「ふ〜ん・・・・・」 「とりあえず、この楽譜を何か文字に置き換えることってできませんかね?」 ピエールが提案する。 「それなら、まずは冒頭のメロディーをドレミファソラシドに置き換えてみない?」 暗号の楽譜をさっそく弥生は紙に文字として書いた。 ”ミレミレミシレドラ” 「こうなるわよね」 「では、アナグラムにするために、前回同様アルファベット化してみるかの」 じいさんが、音階をローマ字化した ”mi・re・mi・re・mi・shi・re・do・ra” 「同じ文字が多いわね・・・」 「まずは頭文字をとってみるかの」 ”mi・re・mi・re・mi・shi・re・do・ra” 「mrmrmsrdr」 「母音(aiueo)が一個もないから、単語は無理ね」 「デハ、ボインノトコロダケ、トッテミテハドウデショウ?」 ペリーが提案する。 ”mi・re・mi・re・mi・shi・re・do・ra” 「ieieiieoa」 「う〜む・・・・何かの単語にはならなそうじゃの・・・・」 「根本的に違うんじゃないかしら? アルファベットの変換方法が違うってこと」 「どういうことです?」 ピエールが尋ねる 「そうねぇ・・・例えば音符ってドレミファソラシド以外に読み方があるんじゃないかな?」 「ノアニールではドをCと表すことがあります」 ノアニール王子が会話の様子を聞いて牢屋から声を出した 「ドがC?」 弥生が聞き返す。 「えぇ、ドがC、レがD、ミがE、ファがF、ソがG、 そのあと、ラがAに戻り、シがBになります」 「なるほどね・・・・ じゃぁ、試しに変換してみる?」 ”ミレミレミシレドラ” ↓ ”EDEDEBDCA” 「あら・・・・これならローマ字より文字が少なくて 単語の組み合わせが少なくていい感じじゃない」 「母音はAIUEOですから、これらの単語だけ文字は作れますね」 「母音が4文字ということは、4語の言葉ってことかしら?」 「でも、他の文字が5文字あるから、1字ローマ字があまっちゃうのぉ・・・」 「そっかぁ・・・・前のプレートのようにこの周りにはアルファベットのものなんかないから あまった文字を「N」のプレートみたいな文字の扱いはできないものね」 またみんなが頭を抱えだした。 「あるのは、数字の「1」だけか・・・・・ ねぇ、例えばアルファベットって数字に変換できないのかな?」 「どういうこと?」 「例えば、Aを1、Bを2とかに置き換えるってこと」 「なるほど!!!!」 ”EDEDEBDCA” ↓ ”545452431” 「弥生、かなり近づいてきたぞい。 つまりじゃ、この牢屋の一番左を1と数えて、順に割り当てるのじゃ」 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | | | 「なるほど! つまり、格子を0〜15として、この格子を順に触ればOKってことね!」 弥生はそうすると、「545452431」の順に触った。
しかし何も起きなかった。
「なんで!!!」
弥生が絶叫する。
「かなり自信があったのじゃが、これも違うのか・・・・・ う〜む、お手上げじゃ!」 じいさんもあきらめムードである。
「でも、いい線言っていると思いますよ! もう少し考えて見ましょう!」 「ウゴー!」
ピエールとゴレムスが暗号の紙をのぞきこむ。
「しかしのぉ・・・・他にアルファベットをどうやったら 数字に置き換える方法などないぞ・・・・む? まて?」 「どうしました?」
「うむ、あるぞ、他にアルファベットを数字に変換する方法がもう1つあるぞい!」
じいさんは鼻息を荒くした。
「どんな方法なのですか?」
ピエールが質問をする。
「どうも、15本の格子というのが気になったのじゃ。 16進数という考え方があっての。 普通、数字は1、2、3・・・・となり、9のあと、1繰り上がり、10となるわけじゃ」 「そうですね」
「この数え方を10進数と呼ぶ。 しかし、16進数では、9の後、10をAとあらわすのじゃ、 同様に11をB、12をC、13をD、14をE、15をFとするわけじゃ」 「なるほど・・・・」
「試しに、16進数に変換してみるのじゃ」
”ミレミレミシレドラ” ↓ ”EDEDEBDCA” ↓ ”14・13・14・13・14・11・13・12・10”
「もう一回、この順に触ってみましょう!」
弥生が、格子を触ると、目の前にあった格子が音を立てて蒸発した。
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第151話 |
ユーリルさん |
1330000HIT |
「ふぅ〜あいたぞい。わしらが来た道でないがでるぞい」 じいさん達が牢屋をでて少し進むと、近くの牢屋でうめき声が聞こえた。 「なんじゃ?ここにも牢屋があるのかのぅ〜」 じいさん一行はその牢屋の近くに大急ぎで向かった。 すると……そこには一人の青年が横たわっていた。 「ん?ル……ルージュ!?」 テリーとじいさんが同時に言った 「えっ?まっ…まさか……あっ!やっぱり!!この牢屋ってどうやってでればいいんですか? 格子さわったら光るから何かしらの法則があるんじゃないかって思ったんですけど」 「左から1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13・14・15と番号を付けて、 14・13・14・14・13・14・11・13・12・10の順にさわるんだ!!」 やはり牢屋が開いた。 「ふぅぅ〜助かりました」 弥生達は一通りの自己紹介をした(2人のぞく) 「私は正確にはシマリオール・ペリオZ世なんですけど、やっぱり本名にします。ユークリット・ルージュです。」 しばらく進むと鍵のかかった扉がでてきた。 「ではアバカムを唱えるとするかのぉ〜……アバカム!!」 しかし、不思議な力によってかき消された!!! 「な…なぜでしょうか?」 「ウゴ〜!!」 「何だ?ゴレムス…そうか…えーと、ここはサイレントプリズン。つまり、沈黙の牢獄なのでこうなったのではないだろうか? と言っています。」 「さっきの牢獄では一応使えただろ」 「たぶん、その場合は効果がうち消されたのではないでしょうか?」 ルージュの解釈により、一同は納得した 「えっ?じゃあ私はどうなるの〜?魔法が使えなかったら私は……」 …と弥生・バーバラが同時に言った(息あいすぎ) 「心配するな。俺が守ってやるから」 …とテリーがバーバラに言った 「ちょっと!!私はどうなるのよ!!!!」 弥生が怒りの抗議をぶちまけた 「心配いらんぞい。おまえなら大丈夫じゃ」 「え?な…何故ですか?」 「おまえはわしの肝臓を打ち抜いたり、気功掌3HITさせたりして邪心ラーミアをわしとともに気絶させる腕前があるからのぉ〜」 「やかましい!!!!」 「は…はい…すまんぞい」 弥生の見幕にじいさんはたじたじである(笑) 「デハ、ドウスレバイイノデスカ〜?」 …と、この話でやっと登場(爆)ペルー 「しかも私の音楽の力もままならない状況です」 …と、またまたやっと登場(爆)ヤス・ダ=マコト 「ウゴー!」 なんと、ゴレムスが扉を壊してしまった!!(爆) 「………と、とにかく先に行くぞい」 「キヲツケテ、イキマショウ」 しばらく進むと ちんもくのひつじが現れた 「う〜んさすがはサイレントプリズンじゃのぉ」 「おじいさん!!そんな納得してる場合じゃないでしょ」 「メラゾォーマァ!!」 「だから魔法は使えないんだって!!……私に任せてください」 「マホウハツカエナインデ〜ス!ワタシガタオシマ〜ス!」 ペルーとルージュが戦いに参加した ペ「エンドオブハート!」 ル「無双稲妻突き!!」 どっちもFFだ〜(爆) (ちなみにペルーが8ルージュがタクティクス) ちんもくのひつじを倒した(早) 「コンナノワケナイデ〜ス。サアサキニススミマショ〜」 次は ガルキマセラが現れた エッ? FFじゃん!! ガ「あっ!!すいませんでした!!でるとこ間違えました。さよなら」 ガルキマセラは去っていった(爆) 「な…何じゃったんじゃ?」 「とにかく、さきを急がないと」 |
第152話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
一同が歩き続けると、先に明かりが見えてきた。
「もしかして、出口!?」
弥生が駆け足で走り出し、他のみんなが続く。 光に飛び込み、突然まぶしいところに出て、弥生は目をつぶる。 ゆっくり目を開けると見たことがある光景が前に広がっていた。
「ここは・・・・・エルハーレトイじゃの・・・・・」
弥生達が、プレートの謎を解いた6つのほこらのうちの1つの外に立っていた。
「ドウヤラ、モクテキヲ、ハタセタヨウデス」
ペリーもほっとした表情をしている。
「ありがとうございました。あなた方のおかげで私は外に出ることができました。 私は時空震を阻止するために、彼ら(テリー・バーバラ)と自分の行くべきところへ以降と思います」
「そうか・・・・・わしらは別の目的があるので、そなたらの旅に同行はできんが、 たぶん目的はつながるはずじゃ。 最後まであきらめずお互いがんばろうではないか」
「はい」
じいさん賢者とノアニール王子は握手をかわす。
洞窟を無事出た一同は、それぞれの旅を続けることになった。
ノアニール王子はテリー、バーバラと共に ヌルツーが時空震を操るのを阻止するために一度過去の世界デスコッドへ戻りに そして、じいさん、弥生、ペリー+じいさん孫は ピエール、ゴレムスの目的 身を隠したグランバニア王・王妃・天空の勇者・家臣を探し グランバニアやラインハット開放のため、 邪教祖と戦うことを決意した。 |
第153話 |
コリンキーさん |
1335000HIT |
勇者、爺さん、その他登場人物が本来の目的を忘れていて別世界に行っていた頃、 地上・アレフガルトではゾーマが、勢いを盛り返した人間と戦っていた。 バラモスは、その中で華々しく戦死した。
なぜか・・・それは、はるか昔に戦争をしていたローディス国に、 アレフガルトが援軍を送ってやった借りを今こそ返すべしと、ローディス義勇軍が突如現れたからである。 背後からの敵襲・・・魔物たちは浮き足立った。 離反者が続出してしまったのが、バラモスの敗因だったのである。
ネクロコンド陥落・・・ルビス神殿(ゾーマ城)も、崩壊寸前であった。 「我が覇道、未だならざるというに・・・このままでは!!!」 窮地に瀕したゾーマは、地獄の底から、バラモスゾンビを召喚したのだ!!! 次いで、ヤマタノオロチも復活!!! 一気に形成が逆転した。 死んだと思っていたものが突然動き出したのだから、当然である。 バラモスゾンビ・ヤマタノオロチは、理性も無くオリを壊し、地上軍本部・タキ・バーグを 三日間破壊し続け、知性を取り戻してネクロコンドを奪還した。 地上は、もはや闇の世界・・・ 唯一、元勇者パーティーのいる、アリアハンだけは、何とか残っているという有様だった・・・。 勇者達は、そんな事は知るよしも無く冒険を続けていた・・・
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第154話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
魔王バラモスが滅び、喜びもつかの間 ゾーマの魔力により、全世界は闇に覆われた。 太陽がない世界。
人々は闇の中生活をするしかなかった。 太陽のない世界は病気を引き起こし、 食物は育たず、さらに魔物の戦いにより 数えきれないほどの人が命を落とした。 腐敗した死体はゾーマの超魔力によろゾンビと化し ゾーマの尖兵として扱われた。
唯一の希望はアリアハン大陸のみが、 まだ太陽の光が注いでいることだった。 何故かゾーマの魔力を持ってもこの地域だけは闇に覆うことができなかった。
そのため、人々はアリアハン大陸に移住を希望するものが多く 結果として、人口過密、住むところがないほど建物が乱立された。 レーベ周辺は以前は草原地だったが、人口過密により ラーベ、リーべ、ルーべ、ローべの4つの街も新たに作られた。
しかし人が多い分、闘いに出られる戦士達も数多く 魔物達の侵略から街を守ることができ、 結果としてアリアハンのみが魔物達の侵略から逃れられた状態だった。
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第155話 |
波音さん |
1345000HIT |
マコト「此処が、デスコッドですね」 ヤス・ダ=マコト一行は過去の世界へとやってきた。 マコト「さて・・・。まずはどうしましょうか?」 テリー「・・・時空震を操る者と接触する必要があるな。 ホーキンスと会う方法は今のところない。となると・・・。」 バーバラ「ルビス様、ね。」 マコト「大地の精霊はこの世界にいるのですか?」 テリー「ああ・・・。 だがあんたの世界で言うルビスと同一者かどうかはわからないな。」 マコト「どちらにせよ少しでも可能性のある方へ行ってみましょう。」 バーバラ「じゃあ、神の船まで戻ろうか。」その先はマコトにとって驚きの連続だった。 彼らの世界は夢と現実の二つの世界が共存していた事。 「神の船」と呼ばれた船は人魚達の加護を得、潜水能力を携えていた事。 そしてその海底に、荘厳たる大地の精霊の城があった事。 ルビス「テリー、バーバラ。よくいらっしゃいましたね。 そして・・・異世界の者よ、ようこそ、時空の城へ。 私が大地の精霊ルビスです。」 城の玉座に座っていた、美しい女性にマコトは目を見張った。 マコト「貴女がルビス・・・。」 テリー「あんたの事だ。俺達が此処に来た目的、わかってるんだろ?」 ルビスは微笑を浮かべ、そして言った。 ルビス「ええ。 ・・・ヌルツーを止めるため、時空震を操れる私のもとへ来たのでしょう?」 バーバラ「はい、ルビス様。・・・私達はこれからどうすれば?」 ルビス「まずはあの者を此処へ呼び戻す必要があります。」 そう言うとルビスは印を結び何やら言葉を呟いた。 勇者「ジンさん、あの人が?」 ジン「そう、ターゲットのビアンカです。」 勇者とジンはビアンカの尾行をしていた。 いつ犯人達がビアンカを襲って来ても構わない様にと。 が。 ビアンカ「・・・いい加減出てきたらどう?」 ジン「ばれてしまいましたか。」 ビアンカ「随分と強い魔力の持ち主みたいね。 例の事件と関係してる人ではなさそうだけれど。」 勇者「何故僕らに魔力がある事を!? それに事件の事まで・・・貴女は一体?只の留学生では?」 ビアンカ「私?留学生なんてウソよ。 過去の世界から来たの。貴方もそうなんでしょ?」 勇者「驚いた・・・。当たってる」 ビアンカ「私の家族は魔王を倒す程の力を持っていたわ。 それ故に、邪教祖と名乗る者に捕まったの。 私だけは何とか逃げ出して助けを呼ぼうとしたんだけど 時空震に捕まっちゃってね。」 勇者「邪教祖だって・・・?」 その時である。 彼らの目の前に急にゲートが開いた。 ジン「これは一体!?」 ?「勇気ある者よ・・・貴方の力が必要です。 今すぐ私のもとへ戻って下さい。 そしてグランバニア王妃よ。 貴女のあるべき場所へ、お連れします。さぁ、時空震の中に・・・。」 勇者「ルビス様!」 ビアンカ「何故私の名を・・・?」 勇者とビアンカは時空震に近づく。 勇者「ジンさん。 僕には行くべき場所が出来ました。」 ビアンカ「私もだわ。捜査の協力、出来なくてごめんなさい。」 ジン「ええ・・・此方の事件は私に任せて下さい。 ・・・頑張って下さいね。」 ビアンカ「分かれ道だわ・・・。」 勇者「此処でお別れですね、ビアンカさん。」 ビアンカ「待って。貴方の名前は?」 勇者「・・・。イザ。 アリアハンの、そして・・・レイドックのイザです!」 ビアンカ「イザ・・・お互い頑張りましょう。」 そして二人は白い光に包まれた。 イザ「・・・?此処は?」 バーバラ「イザ!戻ってきたんだ!」 テリー「心配かけさせやがって・・・」 イザ「テリー、バーバラ・・・。 そうか、僕は戻ってきたのか!」 三人は喜びの声を上げた。 マコト「よかったですね、皆さん。」 ルビス「そうですね・・・。 三人とも。いつまでも喜んでいる暇はありませんよ。」 イザ「ルビス様!」 ルビス「ヌルツーを止めるためにも、一刻も早く魔族の力を弱める必要があります。 イザよ、アリアハンの自分を取り戻した今、貴方の行くべき道は只1つ。 時空震にのってアリアハンに戻り、ゾーマ軍を打ち倒し魔族の力を弱めるのです。 今ヌルツーがいる世界には先ほど帰したビアンカと、 ハッサン、ミレーユ、チャモロ、そしてテリー達が出会った賢者達がいます。 彼らがいる限りそう簡単にはヌルツーは身動きを取れないはずです。」 イザ「・・・わかりました。 テリー、バーバラ、そしてマコトさん。一緒に行ってくれるかい?」 バーバラ「モチのロンよ!」 テリー「ふん・・・世話が焼けるな。」 マコト「世界のためにも、一刻も早くアリアハンへ!」 ルビスは時空震を開け放った。 ルビス「さあ・・・お行きなさい。」 勇者イザ達は魔王ゾーマを打ち倒すべく時空震へと入って行った。 一方その頃のじいさん一行・・・。 ルージュ「へぇ、弥生さんはジパングの出身なんだ。」 弥生「うん、そうなの。」 楽しそうに仲良く話をするルージュ&弥生・・・。 ペリー「アノフタリハ、オニアイレスネェ〜!」 じいさん「ふむ、弥生が孫の嫁と言うのも悪くないのう。」 ピエール「あの〜、そんな事を言ってる場合では無いと思うのですが・・・。」 ゴレムス「ウゴー・・・。」 じいさん一行はルビスの期待に応えられるのであろうか? |
第156話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
時空震に乗ってアリアハンに戻ってきた勇者一行。 アリアハンでは人間達と魔物達の総決戦が始まっていた。
アリアハン兵にロマリア、サマオンサなどの猛者ぞろいの兵士と 魔王軍の闘いは一見均衡に見えた。
しかし大魔王は次々と死体をゾンビ化して蘇らせることにより 不死の騎士団は次々と数を増やし、闘いを有利に進めていった。
さらには魔界から強力なモンスターを次々と呼び寄せ 一気に大魔王軍におされはじめた。 特に大魔王の召喚された感情を持たないキラーマシーンは 人間達が持つ武器はほとんど通じず、次々とキラーマシーンの餌食となった。
「惨い・・・・・」
勇者イザはその姿を見て自分のもう一つの故郷の変わり果てた姿に絶句した。
目の前にはキラーマシーンが3対暴れまくっていた。
それを見て何も言わずに駆け出す者がいた。 テリーである。
テリーに気がついたキラーマシーンは矛先をテリーに変えて サーベルを振るう。それを紙一重で交わすテリー。 そしてすれ違いざまテリーは剣を振るった。
鋭い金属音が鳴り響く。
キラーマシーンの装甲にはヒビが入っていたが テリーの剣はへし折れていた。
テリーは素早くキラーマシーンから離れて それからあまりの衝撃で手をおさえてうずくまる。
「〜〜〜〜〜っ!!!! なんて、硬さだ!」
「ダメだ、並の剣では歯が立たない! 呪文で攻撃だ」
イザとバーバラは同時に精神を集中して呪文を唱えはじめる。 先に呪文が完成したのはバーバラだ。 ベギラマの閃光がキラーマシーンを襲い、当たりに砂煙が舞う。
「・・・・やったか?」
テリーが目をこらす。 しかし煙から3体のキラーマシーンが出てきた。 テリーの攻撃で装甲にヒビが入っていたキラーマシーンは スパークしていたが、残りの2体はほぼ無傷だった。
「あぁ!!!!」
驚くバーバラ。 バーバラは魔法使いとしてのレベルは決して低くはないが、 一人前の魔法使いとは言い難く、 ベギラマ、メラミが使いこなせるといったところだ。 じいさん賢者のように魔法を極めているものなら ベギラゴンやイオナズンを使えるだろうが、 今のバーバラにはまだ使えない代物だ。
一方、イザはまだレベルがそれほど高くなくギガデインが使えず そのため自分が唱えられる最強の魔法ライデインを唱え始める。
しかしキラーマシーンも黙ってはいない。 サーベルとは別の手に装備されている クロスボウがイザの方に向き、発射された。
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第157話 |
ユーリルさん |
1355000HIT |
しかし、 「メラミ!!」 発射寸前に唱えられたバーバラの呪文でバランスを崩したキラーマシンの放った矢は 運良く体をかすめただけですんだ。 このまま放たれていたら確実に大怪我…いや、それどころではなかっただろう。 呪文を唱えるために集中し、動かなかったのも幸いだった。 と、そのとき、 イザの呪文が完成した。 「聖なる力宿し青き稲妻 敵を打ち砕け!! ライデイン!!」 見事直撃した。 キラーマシンは金属。 電気に強いはずが無い。 予想どうり、 キラーマシンはオイルに火花が飛んで引火し、 大爆発!!! |
第158話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
ライデインにより、キラーマシーンが爆発して どうにか戦闘に勝利を収めたイザ。
辺りはキラーマシーンであった破片が散らばり 残り火が少しある状態だ。
「危なかったな・・・・・」
激しい息遣いでイザはその火を見つめていた。
「おい、ゆっくりしている暇はないぜ」
テリーの声にはっととなるイザ。 そうだ、今は魔物の大群が攻めてきているのだ。
ぼっとしている訳にはいかない。 手ごわいキラーマシーンを沈めても 死体をゾンビ化して次々とモンスターを蘇らせて来る。 それをどうにかしなければ。
「敵をよみがえらせない為には炎で焼却するしかない。 バーバラは魔法でゾンビ達を倒してくれ! テリー、君はバーバラを守るんだ。 ボクは魔物の大将を倒して、この戦を鎮める」
「ほほぉ・・・・お主に簡単に鎮められるかの?」
そう言って現れたのは、地獄の淵から強力になって蘇ってきた 重鎮ヤマタノオロチだった。 |
第159話 |
hidemk2さん |
1360000HIT |
「フハハハハ!!」”ゴ〜〜” ヤマタノオロチは笑うと同時に攻撃を始めた!! ごぅっ!!イザ達の目の前に赤い風景が広がる!! イザが「しまった」と思った瞬間・・・ ”フバーハ” 聞こえてくる方向に目をやると・・ バーバラが炎を軽減する呪文を唱えていた!! 「イザ、今よ!!」 イザははっと我に返り所持している武器を握り締め ヤマタノオロチに向かっていった!! 「うおおおおおっ!!」 ガシッ!! ぶしゅうう!!ドサッ!! イザが切り付けた後に何か塊のような物が落ちてきた!! ヤマタノオロチの手であろうか!! 「はああああああっ!!」テリーもすかさず攻撃に移った!! ”ぐああああ・・・”ヤマタノオロチが苦しがっているようである!! ”メラミ” バーバラがヤマタノオロチに攻撃させまいと連続で呪文を放った!! ”ライデイン”!!テリーの攻撃!!・・・・ ヤマタノオロチは何も出来ないままにすでにぼろぼろの状態である!! 「よし!!みんな一度に攻めるぞ!!」 ”ライデイン”・”べギラマ”テリーの攻撃!! ”ぐあああああ・・・・・・・・” ズズゥン・・・・・!! ヤマタノオロチはほとんど何も出来ないまま地に伏せた!! 「はあっ!はぁっ!やったか」さすがのテリーも息が上がっている!! が次の瞬間!! ”ベホマ”!!何とパワーアップしたヤマタノオロチは何事も無かったかのように起き上がってきた!! 「ククククッ!!貴様らの実力見せてもらったぞ!!」 何とヤマタノオロチはわざと攻撃を受けていたのである!! |
第160話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
息があがっている三人に対して回復したやまたのオロチは 悠然と見下ろした。
わざと攻撃をさせてイザ達を疲れさせるのがも目的だったらしい。
「では、今度はこっちからいくぞ」
やまたのオロチは再度炎を吐きだした。 しかしバーバラが先程唱えたフバーハがまだ効力を発していて イザ達は身を守ることで初回の攻撃をやり過ごした。
「炎では、致命傷を与えられんか。 ならこれでどうだ!!!」
ヤマタのオロチは赤い目が輝いた。
イザ達は目をつぶった。
そしてゆっくりとイザが目をゆっくりとあけると何も起こってなかった。 バーバラも同様だった。 二人は一瞬何が起きたのかわからなかった。
しかしテリーだけには体の変化があらわれた。 足の先から石化してきたのである。
「ふむ、全員に石化の魔法をかけたが、 どうやら魔法力の強いものは無事のようだな」
やまたのおろちの計画では、全員を石化するつもりだったのだろう。
イザとバーバラは魔法力を持っていたため 魔力への抵抗力があったが戦士のテリーには やまたのおろちの石化攻撃を防ぐ術がなかった。
テリーの石化はさらに進行し、腰の辺りまで灰色の石に変色をしている。 |
第161話 |
コリンキーさん |
1365000HIT |
「くそ!どうすればいいんだ!」イザは叫んだ。 しかし、テリーの石化はどんどん進んでいく・・・ そして・・・ 遂に、体の全てが石化してしまったのだ・・・ 「テリーーーーー!!!」 バーバラは泣き崩れてしまった・・・ しかし、次の瞬間! 「マヌーサ!」 若い女の声がしたと思ったら、オロチは勇者達の姿が捉えられなくなった。 「ヌ?これでは奴らがどこいるのかわからんではないか!」 焦るオロチ 「だ、誰だ?」イザも戸惑っていた。 「無敵の人材王国・アリアハンをなめてもらっちゃ困るわ!」 そう、ルイーダの酒場ではいつかまた勇者の役に立てるように、選ばれなかった仲間達が日々鍛錬していたのだ。 「とりあえず、ここは逃げるよ!」 「何だって!そんなことしたら・・・この戦いの意味は・・・たくさんに人が死んだのに・・・」イザは反対した。 「馬鹿!あんたが死んだらどうするんだよ!」女は無理やり引っ張っていった。 かくして、イザは、石となったテリーを負ぶって、バーバラ・女とともに城へ退却した。 もうすでに、城の兵士達は城まで引いている。 イザたちが城に入った瞬間、城の門は閉ざされた。 籠城戦の開始である。 王の謁見の間では、城の構造の説明と、これからの作戦会議が開かれていた。 王様「つまり、この城の門・塀は特別な素材でできておる。いかに魔物の力をもってしてでも、うちやぶるのは不可能じゃ。この城の弱点は唯一つ・・・キーが城の外にあることなんじゃ・・・」 イザ「と・・・いいますと?」 王「その昔、アリアハンが世界の覇者であったとき、最高の技術者・コリンに城を作らせた。そして、門のカギをコリンに託したのだ。」 イ「はぁ・・・」 王「時のアリアハン王は、コリンが当然アリアハンに永住すると思っていた。いや、まさかアリアハン大陸から船なしに脱出はできないと考えていた。そして、コリンに船を貸すことを禁じていたのだ しかし・・・故郷のイシスに帰りたかったコリンは『旅の扉』を作った・・・一人の従者を連れてそこからロマリアへわたり、イシスに帰り着いたのだ。アリアハンは大騒ぎになったが、誰も彼がどこに 行ったか知らなかった・・・ その後、彼はピラミッド研究にいそしみ・・・そこで死んだ。 ミイラ男にやられたのだ。従者は一人で逃げ帰り、行きと同じ方法でアリアハンに報告した。時の王は大至急船でイシスにわたり、ピラミッドへカギを探させた。しかし、誰も帰ってこなかった。 平時なら中からあけたり閉めたりはできるので、これで事足りる。しかし、もしゾーマ軍がカギを手に入れたら・・・この城は裸同然。勇者・あるいはお前のパーティの誰か一人でもいい・・・! キーを、コリン・キーを魔族より早く・・・とってきてくれ・・・!」 イザは、戸惑った。 本当なら、ここでみんなと一緒に戦いたい・・・ しかし、コリン・キーがとられたら人間の希望は無い・・・ しかし、「き〜ちゃったき〜ちゃった♪オロチ様にご注進!」と偵察用のベビーサタンがこの会話を聞いていたことをイザは知るよしも無かった・・・ |
第162話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
イザは迷った。 コリン・キーを取りに行く必要性はわかる。
しかし取りに行くには現在魔物に包囲されている地帯を やりすごし、イシスに行かなければいけない。
ピラミッドにはワナだらけだ。 しかも仲間を連れていくとアリアハンは手薄になる。 単独でこれらを突破しなければならない。
一人で行くのが怖いわけではない。
ただそれだけのリスクを背負って仮にコリン・キーを手に入れたとしても、 アリアハンにたてこもる時間は稼げるが・・・ 魔物達を直接倒す方法ではない。そこがイザの迷いだった。
このまま打って出たほうがいいのでは? という考えもある。
一方、イザの心にはもう一人のイザがいた。
力を増したやまたのオロチに勝てる手段は今、思いつかない。 ましてそれさえを配下にしている大魔王ゾーマには到底叶わないだろう。
しかし命さえあれば、何かができる。 だが死んでしまっては何も出来ない。
今は皆が生き延びることを考え、コリン・キーを手に入れ、 その間にやまたのオロチを倒す方法を模索するしかないのでは?
イザは散々迷ったあげく、1つの結論を出した。
選択肢A「わかりました、ボクがキーをとってきます」 選択肢B「しかしそれではただ時間を稼ぐだけです。やはり打ってでるべきです」 選択肢C「他に案があります。その案とは・・・・」 |
第163話 |
波音さん |
1370000HIT |
イザ「王様、もうひとつだけ、案があります。」 王「ほう?イザよ、その案とやらを言ってみよ。」 イザ「はい。・・・バーバラ、テリーのカラダは調べ終わったか?」 バーバラ「うん・・・多分、やまたのおろちの邪念による呪いだわ。 助けるには、一時的にでもいいからやまたのおろちを封印しないと・・・。」 バーバラの頬には涙の痕が残っていた。王「その案と、テリーは関係があるのか?」 イザ「ええ勿論。 おろちと戦う直前、僕達はキラーマシンと言う機械の魔物と戦いました。 その戦闘で彼は、愛刀を折ってしまったのです。 その剣とは・・・吹雪の剣です。」 謁見の間にどよめきが走った。 王「なんと!如何なる竜をも凍てつかせると言うあの吹雪の剣か!」 バーバラ「・・・そっか。テリーの剣が通らなかったのは、 敵が吹雪に強い耐性を持つ機械だったからなんだ。」 イザ「テリーはおろちと戦った時雷鳴の剣を使っていたので、 吹雪の剣は石化を免れています。打ち直せば使えるはずです。」 *「それは俺にやらせてもらおう。」 そこに現れたのは元勇者パーティの一人の遊び人(盗賊)だった。 遊び人「俺はあらゆる職を体験してきた。 勿論鍛冶関係もな。だからそいつを即行で叩きなおせるぜ。」 イザ「よし、じゃあこいつは君に頼む。」 遊び人「任せておけ。」 そう言うと遊び人は、その場で作業に取り掛かった。 イザ「吹雪の剣さえあれば、僕がおろちを一時的にでも封印させます。 そうすれば、テリーの石化も治せます。 テリーは剣を使わせれば右に出る者はいません。 彼の存在は戦力に大きく関わると思います。」 王「石化解除に関してはわかった。 して、周囲の魔王軍はどうする?」 イザ「それが、実はゾンビ化した者の呪縛を解く方法があったんです。 僕が本当のカラダを取り戻した時に手に入れた魔法・・・ ギガジャティス。この呪文は、如何なる付加効果をも消し去ります。 召喚と言う形で現れたおろちには効かないと思いますが、 ゾーマの魔力によって復活したアンデット達は、土に返す事が出来ます。 さらに、魔王軍にかけられた強化術も完全に消せるので、 現在の戦力でも十分に敵軍を全滅させられます!」 王「あいわかった! ではイザは吹雪の剣が打ち終わるまでその魔法で敵戦力を弱らせよ! 遊び人よ・・・作業中すまんが、そなた名はなんと言う?」 遊び人「俺か?俺はシモンだ。」 王「シモン・・・?はっ!まさか勇者サイモンの息子の!?」 シモン「そんな事はどうでもいいさ。俺は俺だからな。」 王「・・・よし、シモンよ、そなたは極力早く吹雪の剣を完成させよ。 そして完成したならばそなたにも前線に立って欲しい。 バーバラ、テリーの身は近衛兵達が守る、そなたはイザの補佐に付け。 近衛兵達は国民をこの城に避難させたあと城の警備だ。 魔物はスライム一匹通してはならんぞ! では行け!わが国の勇敢なる戦士達よ!」 一同「はっ!」 そのころアリアハンのスパイを担当していたベビーサタン軍は・・・ ベビーサタンA「おおっ!これが鍵かぁ!」 ベビーサタンB「これで人間どもを根絶やしに出来るぞ!」 もはや城壁など眼中から外したイザ達の作戦から見れば、 全くの無駄骨と言える事を彼らは知らない。
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第164話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
新たな案を提案したイザはアリアハンの半数の兵士と 共に再度城から出撃した。
魔物達は強力な城を破壊しようとしていたが 人間達を見るなり矛先を変える。 魔物達の大群が兵士の群れに襲いかかってきた。 兵士達はその大群に息を飲みながらも恐怖に飲みこまれないように 自らを奮い立たせるため、おたけびをあげて魔物達に突っ込む。
激しくぶつかる両軍。 金属音、爆裂音、激しい戦いの音が鳴り響いた。
「イザ殿、ここは我らが食いとめます! ゾンビ達を無効化する魔法を!」
魔物達を食いとめている兵士の一人がそう叫んだ。 兵士達は前の戦いで心身共に疲れているはずなのに よく戦ってくれた。 数は劣勢ながらも、命の続く限り戦い、 敵を城から後退させるよう奮闘する。
イザはアリアハンの勇猛な兵士達に感動を覚えた。 兵士の言葉に肯いたイザは魔法の詠唱に入った。
「魔法に束縛されている者よ。 有るべき姿に戻りたまえ。 ギガジャティス!!!!」
魔法を唱えると、イザを中心とした光の輪が出現する。 その光の輪は徐々に広がり、兵士と魔物の軍をも飲みこんでいった。
人間達には影響がなかったが、光の輪に触れたゾンビ達は 次々と苦しみだし、その姿を崩していった。 そして最後にゾンビの群は跡形もなく消え去る。
兵士達は歓声があがった。 まだ、数多く敵はいるものの敵の数はイザの魔法で かなりの数を減らした。
しかし兵士達の歓声とはよそにイザは一粒の涙を流した。
「この戦いによって魔物に変えられた犠牲者よ。 安らかに眠ってくれ・・・・」
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第165話 |
波音さん |
1375000HIT |
ゾンビ達を呪縛から解き放ったイザ。
ギガジャティスの効果は他の魔物達にも及び、
魔王による強化術は全て解除された。
兵士長「今だ!皆の者敵軍を打ち倒せい!」
兵士「おおーーーっ!!!」
付加効果を失った魔物達等、屈強なるアリアハンの兵士達の敵ではなかった。
そして見事アリアハン軍は、
この地に攻め入って来ていた何万と言う魔物を全て退治した。
おろち「ほほお・・・我が軍を全て打ち破るとは・・・。
クククッ・・・クカカカカカ!気に入ったぞイザよ!」
勝利の喜びも束の間、再びやまたのおろちが姿を現した。
おろち「今度はあの剣士もおらぬ・・・。
強い者を甚振り殺す事は我にとって最高の悦びだ・・・。
イザよ、覚悟せい!」
そう言うと同時に、おろちは瞳を光らせた!
なんと兵士達全員が石と化してしまったのだ。
バーバラ「非道い・・・」
イザ「なんて事を!」
おろち「イザよ・・・次は貴様の番だ!」
おろちは煉獄の業火を吐き出した。
バーバラ「『フバーハ』!」
バーバラは防御呪文を唱える。
しかし、あまりにも凄まじい火力に前に、呪文は殆ど効果を見せなかった。
イザ「うああああ!」
バーバラ「きゃあああ!」
体中に火傷を負う。
イザ「べ・・・『ベホマズン』・・・」
イザは“アリアハンの自分”の能力を使い、完全回復呪文を唱えた。
しかし、再びベホマズンを使う程の気力は残っていない。
次にあの業火を受けたりしたら・・・!
おろち「これで終わりだ!!!」
おろちは大きく息を吸い込む。
しかし、炎が放たれる事はなかった。
マコト「・・・させるものですか。」
おろち「きっ貴様は確かノアニールの王子・・・!」
イザ「マコトさん!」
マコト「たった今、おろちの火炎腺(引火させる液体を分泌する器官)を
私の力で完全に閉じさせました。」
イザ「そんな凄い事を・・・!?」
マコト「音楽の都の業と、このMU2000さえあれば
この程度容易い事です。」
なんと伝説の楽器MU2000はマコトが所持していたのだ。
マコト「さぁイザ、バーバラ!ここからが本番です!」
シモン「吹雪の剣・・・完成したぜ。」
マコトの後から、シモンが青白く光る名刀を携え現れた。
シモン「使え。お前の仕事だ。」
イザ「・・・ありがとう、同袍!」
おろち「火炎が使えずとも、我の力は衰えぬわ!」
イザ「来い!おろち!」
おろちの鋭い牙が襲い来る。
イザは吹雪の剣に全神経を注ぎ込んだ。
イザ「氷神よ・・・凍てつく極海の精霊よ!
我の前に在りし禍々しき火炎邪龍を骨の髄まで凍てつかせよ!」
吹雪の剣から猛烈の冷気が発せられおろちに襲い掛かる!
おろち「まさか・・・これは!
ヌルツーとか言う邪教祖の相棒が使っていたものと同じ・・・!
おおおおおお!!!」
見る間もなく、おろちは完全な氷づけになった。
王「・・・む!?テリーの体が!」
テリーの体は七色に輝き、元の姿を取り戻した。
テリー「・・・やっと動けるようになったか。こうしちゃいられねぇな。」
王「ま、待てテリーよ!
復活したばかりの体でいきなり戦いに出向くと言うのか!?」
テリー「王さんよ。
仲間が戦ってるのを後目に休んでいられる程、俺は怠け者じゃない。
それに・・・イザだけにいいとこ持ってかれるわけにはいかないからな。」
テリーは雷鳴の剣を手に取り、風の様にかけ出した。
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第166話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
やまたのオロチを一時的に氷付けにして封印したイザ一行。
魔物の群は一時的に退却をし、当面の危機は避けられた。
やまたのオロチの封印がとけたおかげで兵士達の石化もとけ
安堵の表情が浮かんでいた。
「さて、一時的には封印はしたが、これからどうするかだな・・・・」
イザはやまたのオロチの氷付けを見てつぶやいた。
「氷なのだから、いつかは溶けるだろうからな」
とも付け加える。
「このまま、砕ければいいんだけれど・・・・
中途半端に打撃を与えて封印を解いてしまっては厄介だしね」
そんな話しをしていたら、石化がとけたテリーがやってきた。
「やったようだな」
やまたのオロチの氷づけを見上げたあと、テリーがイザに話しかけた。
「あぁ、なんとか。だが封印しただけだよ。
ほっておけば溶けるだろうし、中途半端に打撃を与えても
封印が解ける可能性がある。
そうだ。君の剣でどうにかならないかな。
君の剣速なら、この氷を砕けるかも」
イザは期待をした目でテリーを見た。
「どうかな。これだけ大きい氷を砕ける自信はないな」
テリーからは否定の声が返ってきた。
「そうか・・・・・」
テリーとイザは困ったように顔を見合わせた。
そこへバーバラが横から口を出してきた。
「魔人の斧があればどうにかなるかも?」
「魔人の斧?」
「うん。
遥か昔、巨人族が支配していた時代があったんだって。
巨人で有名なものというとゴーレムやサイクロプスなどだけれど、
特に石の巨人ゴーレムは普通の武器では傷をつけることができなかったの。
そんなとき、古代魔法使いが巨人族を支配するために作られた武器が
魔人の斧という武器で、魔術師には使えず、力の強いものしか使えないのだけれど
いかなるものも砕くことができる魔法の斧なんだって。
魔法と斧により、その巨人達を支配化にすることによって
巨人達の支配から人間の支配に時代が変わった時代があったそうよ」
「なるほど、ではそのどんなものでも砕くことができる斧があれば
いいわけだな。その斧はどこにあるんだ?」
テリーはバーバラに聞いた。
「はは・・・・それがわかんなかったりして・・・」
バーバラが苦笑いをする。 |
第167話 |
コリンキーさん |
1385000HIT |
兵士「た、大変です!」 イザ「どうした?」 兵士曰く、「城内に魔物が侵入!国王陛下の安否は不明。アリアハン城・城下はもう 魔物に制圧されています!」 兵士もかなりの深手を負っていたようだ。 一同は、驚いた。 テリー「そんな馬鹿な!あれだけ強固な城だぞ!そんな簡単に侵入できるはずが・・ ・」 イザ「まさか・・・まさか、コリン・キー?あれを今使われたのか?」 バーバラ「でも、オロチは倒したじゃない!城には強い兵隊さんがいるんだよ!そん な簡単に落ちるなんて・・・」 そのとき、城の方面から声が聞こえた。 「我こそは古の巨人・アトラス。この城は、我々巨人族がもらった!」 巨人の手には、巨人が使うには小さいが、人間が扱うにはかなりの大きさのある斧が 握られていた。 バーバラ「あれよ!あれが魔人の斧!巨人達が先に抑えていたのね!」 イザ「氷は、後どれくらいで溶ける?」 シモン「氷神の氷だ。そこらの氷ほど速くは無い。封印が解けるのは、120時間後 ・・・5日後ぐらいだろう。」 イザ「・・・5日間の間に・・・魔人の斧を奪う・・・それしかない!」
そのとき・・・ じいさん「腹が減ったのお。のどが渇いたのお」 弥生「そんな事いわないで!もうすぐ、テルパドールよ!」 天空の勇者を探し、テルパドールの砂漠をさまよっていた。 そのとき・・・ ?「お前達をテルパドールに行かせるわけにはいかない」 ペリー「ダ、誰ダ?」 ヌルツー「俺はヌルツーだ!ふ、やっとあの暑苦しい世界から脱出できた。」 弥生「えーあなたこの世界にいつ来たの!」 ヌルツー「俺は時空震を操れる。あいつらが監視する世界から、はざまの世界に脱出 できたから、やっとここに来れたのだ。」 じいさん「で、わしらをどうするつもりじゃ?」 ヌルツー「魔物のはびこる地・はざまの世界に飛んでもらおう!」 じいさん「させぬ!メラゾーマ!」 しかし、ヌルツーは微動だにしない。 ヌルツー「甘い・・・俺はマホカンタをかけている。」 じいさん「ヌ!・・・不覚・・・」 弥生「だ、大丈夫?」 じいさん「これしきの事で倒れる私ではない・・しかし、魔法だけの私には手におえ ない・・・」 ヌルツー「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥!子蛆寅卯辰巳午未申酉戌亥!子丑寅卯辰巳午 未申酉戌亥!勅!勅!勅!・・・エクスペクトパトローナム!・・・時空震よ!来た れ!」 遂に時空震が作動し始めた・・・ ヌルツー「あ!呪文間違えた!(干支の2列目の、「丑」→「蛆」)」 ヌルツーだけが、どこかの世界に吹っ飛び、じいさんたちは、大きな音を聞きつけた テルパドール軍に救出されて教会で介抱された。 |
第168話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「あれだけ堅牢な城がこうも簡単に乗っ取られるとは・・・・・」
兵士達は最後の拠り所を奪われ絶望した。
城を奪われては、一度退却して休むことこともできないし 食料を断たれたと言っても良かった。
「やまたのオロチの封印もあと5日で解けるが 食料がなければ、あと1日、2日で全滅だな・・・・・ 兵も大きな戦の後で疲れきっている。 とても巨人と戦える状態じゃない」
テリーはため息をついた。
「僕達だけでやるしかないってことか」
イザも暗い顔である。
「巨人の戦力はどれくらいあるのかしら?」
バーバラは疲れきった顔をあげていった。
「さぁな。 だが城が落ちたんだ。 1体や2体じゃないだろう。 巨人全部を俺達で倒すのは無理だな。 なんとか他の巨人はやり過ごして 魔人の斧をとるためにアトラスというボスだけを倒すしかないだろ」
「でも、どうやって城の中心部にいくの? 他の巨人はやりすごすといっても・・・・・・」
不安そうにバーバラは尋ねた。
「私ももうほとんど魔法は唱えられないわ。 何匹かはラリホーとかでやり過ごすことができるかもしれないけれど・・・・・」
「それはだな・・・・・、 レーベの村で魔法のタマと一緒に以前から村で大切にされていたという アイテムが手に入れば可能なんだが・・・・」
「アイテム?」
その「アイテム」とは?
選択肢1:レーベの村にある「風のマント」を使って城の上空から進入する 選択肢2:レーベの村にある「変化の杖」を使って巨人族に変身して正門から入る 選択肢3:レーベの村にある「消え去り草」を使って、裏門から進入する |
第169話 |
ユーリルさん |
1390000HIT |
「さて、どうしよう」 「レーベに消え去り草ってあったっけ?」 とにもかくにもレーベに出発したイザ(と愉快な仲間達…っじゃないかな) 到着 まずイザ達は変化の杖を探すことにした。 「変化の杖ぇ〜? なんだいそりゃ?あたしゃしらないよ。」 「ほう〜。なんだそれ?うまいのか?」 「はぁぁ〜早い話がないってことね。」 選択肢2は廃案となった。 次にイザ達は風のマントを探すことにした。 「風のマント…あっそれならあの家の人が持ってるよ」 「ごめんくっだっさぁ〜い 風のマント貸してくださぁ〜い!!」 「バーバラ、いきなりそれは…」 「何じゃお前ら…わしに何のようだ」 「あっ!!僕たち、風のマントを探しているんです。 アリアハンを取り返すのに必要なんです。おねがいします。風のマントを貸してください。」 「そうか、そういうことなら貸してやる。ほれ。 そのかわりの報酬は必要だがのー…ってもうおらんのか!!これだから最近の若いもんは…ブツブツ」 とりあえず風のマントを手に入れた。 「ねぇ?一応消え去り草ももっといたほうがいいんじゃない?」 というバーバラの提案により、消え去り草も探す事に決定。 「じゃぁまず、道具屋に行ってみますか?」 「消え去り草はないけど消え去れ草ならあるよ。」 「なんですか?それ」 「敵を吹っ飛ばす草だ」 「買った!!」 かくしてイザたちの作戦は決まった。 風のマントで忍び寄り、消え去れ草でふっとばす。 |
第170話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
風のマントと消え去れ草という怪しい草を手にいれたイザ達。
「なんなく風のマントは手に入れたけれど、 アリアハンの城の上空から進入するために この風のマントで飛ぶには高いところから飛び降りないとダメだわ」
バーバラは思いだしたように言う。
「アリアハンで一番高い建物と言えば・・・・ナジミの塔しかないな。 ナジミの塔にいくにはアリアハンから西の方向にある洞窟から 地下を通じていけるはずだ」
イザはそう提言して西の洞窟に向かうことにした。
戦いの音が激しくなりひびく・・・・・
「メラミ!」
バーバラが唱えた炎の玉が魔物を炎上させる。
キーン!!!!
イザの剣が敵の剣と打ちあわされる。
「なんだ、ここは!!! 以前はこんなに魔物がいなかったのに!!!」
以前はスライムや大ガラスなど弱いモンスターしか出現しなかった洞窟にも アリアハン攻めをした大魔王ゾーマの手下が数多くすみついていた。
イザ達が対峙しているのは、歴戦の戦士の屍を大魔王ゾーマが蘇らせた スカルナイトだった。しかも七対である。
元精鋭の騎士だけあって、強力な攻撃を繰り出し イザ達の攻撃はスカルナイトが持つ盾でことごとくはじき返される。
テリーが三匹、イザとバーバラは二匹、スカルナイトを受け持ったが お互いを助け合う余裕はなかった。 |
第171話 |
波音さん |
1405000HIT |
イザ「くそっ、どうする!?」
テリー「あれ程の盾捌きじゃ剣での戦闘はのぞめねぇ・・・」
スカルナイトの死神の盾は伝説の武具をも超える守備力を持つ、
鉄壁の呪怨装備。
人間が使うと常に危険が付き纏う事になるが、
魔物、それも不死者なら、その怨念を克服出来る。
イザ「仕方が無い、ギガジャティスを・・・」
バーバラ「ダメよ!
こいつら前のゾンビ達みたいに強制的に蘇らせられたタイプじゃなくて
自ら悪魔に力を売って復活したアンデッドよ!
魔の力を拒絶する心がなければ、ギガジャティスは効果が無いわ!」
イザ「じゃあどうすれば・・・」
その時、スカルナイトの剣を受け止めつつテリーがある事に気付いた。
テリー「おい・・・この盾さえなけりゃ何とかなるんだろ?
ならさっき手に入れた消え去れ草が使えるんじゃねぇのか?」
バーバラ「そっか!武具を吹っ飛ばせればなんとかなるね!」
バーバラは早速草をすりつぶした。
バーバラ「よおし、これで・・・」
粉を少し掴むとスカルナイトめがけて投げかける。
すると・・・
『ザシュッ!ザザザンッ!』
粉が光り輝いたかと思うと次の瞬間巨大な真空の刃が敵を襲った。
光の中心には赤く輝くクロスが見える。
そして、クロスが消えた時そこには見るも無残に吹き飛んだ
スカルナイトの残骸だった。
バーバラ「吹っ飛ぶって・・・ちょっと強すぎ?」
テリー「・・・今の、パラディンの秘奥義『グランドクロス』だよな?
魔物の邪念を吹き飛ばしてその体を粉砕する・・・」
イザ「吹っ飛ばすってそう言う事だったのか?」
一行はあまりの威力に暫し唖然とした。
すりつぶした粉は、まだ後7回は使える程残っている。
意外な戦力を得て三人はいよいよ塔内部へと足を踏み入れた。
|
第172話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
スカルナイトを退けて、洞窟をすすみ塔の最下層についたイザ達。
三人は次々と魔物達を退けながら頂上を目指した。
度々襲ってくる死神の盾を持つスカルナイトや
強力な炎をはくメイジバピラス、
アリアハンで苦戦したキラーマシーンなど強力なモンスターが巣くっていた。
中でも最も苦戦させられたのは異界から呼び寄せられた
フレイムとブリザードの混合部隊だった。
炎の魔法が効かないフレイム、氷の魔法が効かないブリザード
また剣で傷つけることもできず、
イザとバーバラの魔力は前の戦いでほとんどつきてぃるので
残りの消え去れ草を5つ使いグランドクロスで退けた。
塔の最上階についたときは皆、相当へばっていた。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・やっと頂上だぜ」
「アリアハン城に入ってもこれじゃまともに戦えないわ・・・」
テリーとバーバラは荒い息をついた。
「でもやるしかない。そのためにこの世界に戻ってきたんだから。
みんな、いくぞ!」
イザは風のマントをまとい、勇気を奮い立たせた。
手をつなぎイザ達は塔から飛び降りる。
すると下から風が起こり、イザ達は空高く鳥のように空を舞った。
イザ達は上空からアリアハンの城に入りこもうとしたが
その目論見が甘いことを知った。
人間と違い、魔物達には羽を持ち空を飛ぶものもいる。
剣を持つ鳥型モンスター、ガーゴイルとホークマンの混合部隊が
襲ってきたのだ。ガーゴイルが3匹、ホークマンが5匹である。
「ちきしょう、空にもいやがったか」
テリーはが舌を打つ。
イザの右にはバーバラ、左にはテリーが手をつないで
空を舞っている。
そのためイザは両手が使えず空中を飛ぶのにバランスをとるため
戦いには参加できない。
またバーバラ、テリーも片手しか使えない。
しかも不安定な体勢で始めての空中戦だ。
|
第173話 |
波音さん |
1420000HIT |
アリアハン城から舞い上って来る鳥人部隊にイザは困惑した。 イザ「くそっ、この体勢じゃ剣は使えない・・・ どうしたらいいんだ!?」 テリー「やはりここは消え去れ草を使うしか・・・」 残り少ない攻撃アイテムを使おうとしたテリーを、 赤毛の少女が制する。 バーバラ「待ってテリー。 グランドクロスの効果は絶大だけど、 だからこそ今は温存しておくべきよ。 あたしに考えがあるの。 確実にお城に降りるためにも、協力して欲しいの。」 バーバラは二人に突破法となりうる案を簡潔に告げた。
暫くして、遂に鳥人部隊はイザ達のすぐそばまで近づいてきた。
他の有翼動物の羽は手から進化しているのに比べ、 飛竜族や鳥人族の場合は肩甲骨が進化したものである。 そのため、羽ばたくにはかなりの体力を要する。 結果彼らの飛行速度は他と比べ非常に遅いのだ。 もっとも、飛竜族は大概が魔力を持ち、 それを利用して高速飛行するため遅いのは鳥人族が殆どである。
この時間を利用して、バーバラはいざと言う時のためにと 温存しておいた魔法の聖水をありったけ使い、 イザと自分の魔力を完全に回復させた。 テリーは剣を左手で構え、いつでも戦闘に入れる様準備する。 イザを中心に肩を組む形で舞い降りる三人。 そこへ、ホークマン五匹が一斉に飛びかかった。
バーバラ「イザ!お願い!」 少女の掛け声に合わせ青年は肩を右側に下げる。 丁度バーバラ一人が超人達の目の前に来る体勢だ。 それを見るや、バーバラ目掛けて突進するホークマン。 その時、不意に人間達の姿が消え、 同時にホークマンらの体は一気に燃え上がった。 赤毛の少女は十分に敵をひきつけたあと、 地上から舞い昇る様に向かってきた彼ら目掛けベギラマを放ったのだ。 三人の体はジェット噴射式のロケットよろしく、 ベギラマ噴射式のバーバラによって再び上空に舞い上がったのだ。 炎に包まれ地に落ちてゆくホークマン達。
テリー「よし、二人とも頼んだ!」 イザ「任せろ!」 バーバラ「いつでもいいわよ!」 青髪の青年は左肩を下げ、今度はテリーが下に来る様に体勢を変える。 ガーゴイル三匹は隊列を組むかの様に巧みに飛行し襲い掛かってくる。 テリー「今だっ、バーバラ!」 バーバラ「OK!」 少女は再びベギラマを唱える。 しかし今度は地面に向かってではなく、天空に向けてである。 尋常では無い落下速度で銀髪の少年の 得物の切っ先が鳥人達に迫る。 テリー「喰らえ、五月雨爆進撃!!!」 魔力の火炎によりスピードとパワーが流星を思わせるものとなった五月雨剣が、 鳥人達の体を細切れにしていく。
初の空中戦は、バーバラの機転と、 テリー、バーバラが協力して放つ新必殺技により勝利を収め、 三人は無事アリアハン城に降り立った。 イザの魔力は全快状態、バーバラもベギラマ二発分の魔力を使ったのみの、 見事な完全勝利であった。 幸い、先程のガーゴイル達が見張りだったらしく 他の魔物の姿や気配は感じられない。
イザ「テリー、この風のマントは君が使ってくれないかい? さっきの技は空中でこそ意味がある技だ。 滞空時間を延ばす効果があるこのマントを君が装備すれば、 二人だけで使えるはずだよ」 テリー「わかった・・・使わせてもらう」 イザの手からテリーに風のマントが渡り、 薬草で落下時に受けた擦過傷を全快させたあと、 一行は場内へと歩を進めた。
その頃・・・
シモン「ふぅっ・・・大丈夫かマコトさん」 マコト「はい、なんとか・・・ しかし、何故イザ君達が上空から攻め入っている時に 私達まで潜入する必要があったのですか?」 シモン「アトラスはな・・・本来は天空を支える神なんだ。 俺のご先祖がメデューサって魔物の首を見せて石にして、 その苦しみを消し、アトラスは山脈へと姿を変えたはずだった。 だが、ゾーマのやろうがアトラスの苦しみだけを復活させて、 醜い巨人兵に仕立てやがったんだ」 マコト「そんな事が・・・」 シモン「俺はご先祖から代々伝えられてきたこのイージスの盾・・・ メデューサの首から作られたこの盾で、 再びあいつを石に戻してやりたい。 だが、盾の効果も年月を重ねると共に薄れてきている。 そこであんたの出番ってワケだ」 マコト「私の音楽の力で邪気を封印し、 その隙に石化を促すのですね?」 シモン「ああ・・・コイツの石化能力はまだ十分残ってるが、 邪気を削らない限りには使い物にならねぇ。 盾としての力は伝説のロトの盾にも匹敵する代物だ、 この先戦闘が起こってもかいくぐるのはワケない。 このシモン・ヘレイオス、 先祖ペルセウスに続き巨人を苦しみから開放しなきゃならねぇ。 ・・・いくぞ、マコトさん」 シモンは愛刀である青銅の鎌、ハルパーを構え直す。 マコト「・・・はい」 二人は颯爽と城の闇に消えた。 |
第174話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
アリアハン城内に歩みを進めたイザ、バーバラ、テリーの3人は注意深く周りを見る。
「・・・・・おかしい」
イザが突然つぶやいた。
「確かに・・・・・おかしいね・・・・」
バーバラも頷いた。
テリーも無言ながら、その言葉に納得していた。
屋上から見たときの外壁は変わりがない。 しかし城内に潜入するとの中身がまったく異なっていたのだ。
つい先日まで三人はやまたの大蛇との戦いの前まで アリアハンの城にいたのだから、城内のことは記憶に新しい。
しかし城内は、イザ達の記憶とはかけ離れた姿になっていた。 城の内部は、その大きさからは考えられないほど 複雑な迷路になっていたのだ。
「どういうことだ・・・・ わずかな間にアリアハンの城を改造されたのか?」
「まさか・・・・どうみても外壁から見たこの城の物理的なスペースより この中の方が大きいわ」
「ということは・・・魔法か・・・・幻か?」
イザ達が目の前にある信じられない光景にあっけに取られていたときのことである。
「ケケケ・・・・・ようやくわかったかい・・・・」
突然、上空から声が聞こえてきた。 三人は武器を構えて天井を見上げた。 しかしそこには天井があるだけだった。
「誰だ!!!!」
イザは声を荒げる。
「ワシの名はハーゴン」
声の主は短くそう答えた。
「貴様もゾーマの手下か!?」
イザは言葉を続けた。
「ふむ・・・手下ではないな。 共謀しているというべきかな」
「何!?」
大魔王ゾーマ、それと同等の魔物がまだ存在するというのか。 イザ達は姿が見えないハーゴンと呼ばれる魔物の言葉に絶句し、同時に恐怖を覚えた。
「ワシの夢は邪神を復活させ、世界を征服することじゃ。 邪神を復活させるにはたくさんの生け贄が必要じゃ。 そうおまえ達人間の血がな・・・・
そのため大魔王ゾーマとワシは人間を支配するということで利害が一致したわけじゃ」
「なんだと・・・・・」
テリーの顔も緊張も引きつっている。
「そのため、ゾーマに力を貸した。 太古の巨人アトラスを復活させたのもその一つじゃ」
「おまえが、あのアトラスを?」
「人間が一人でも死ねば、それだけ邪神の復活は近くなる。 このアリアハンには城に立てこもっているたくさんの人間がいたからな。 そのため、このアリアハンにアトラスを向かわせた」
「なんてことを・・・・」
「だが、おまえ達は普通の人間とは毛並みが違うようだ。 人間の分際で、そこそこの力を持っている。 だから、ここで始末しておくべきと判断した。
ワシはいろいろな幻術に精通している。 その幻術をお主達に体験してもらおうと用意思ってな。 この迷路もその1つじゃ」
「ケッ、所詮は幻じゃねぇか。 大したことねぇよ」
テリーは恐怖に飲み込まれないために強気な発言をした。
「フフフ・・・威勢のいい若者じゃ。 しかし幻術と現実は紙一重じゃ。 幻も使いようによっては、現実より恐ろしいことも起こりうる。 それがお主に理解できるかの・・・・・」
そう言って、ハーゴンの声は消えていった。
三人は汗でびっしょりだった。 ハーゴンと呼ばれる魔物の邪気が凄ましかったからである。 さすが大魔王ゾーマと共謀するだけあって 声を聞くだけで三人はごっそり気力をとられた。
「まずは・・・・この迷路を抜けなければ行けないのね・・・・」 |
第175話 |
カンダタ子分 |
1500000HIT |
バーバラ「とりあえず・・・進まないことには何も始まらないわね」
とりあえず三人は進むことにした。 さすが邪教の大神官が作り出したという迷路だけあって、 ややこしいこと極まりない。行っては戻り、行っては戻りを繰り返していると、 かなり細い道の奥に、三人は扉を見つけた。
イザ「とりあえず僕が先に進む。 三分たっても出てこなかったら、二人で違う道を探してくれ。」 テリー「分かった。任せたぞ。」
イザは扉を開け、中へと入った。 そして二分半たった後・・・
イザ「とりあえず進めるみたいなんだけど・・・・ とりあえず入ってみてくれよ。」
中に入った二人が見たのは、 異様に低い天井と、 見渡す限りの底無し沼。 そしてそこにひしめくマドハンドの群れ。 テリー、バーバラは言葉を失った。
バーバラ「なんなのよこれ・・・」 テリー「マドハンドは普通に大群で現れるものだが・・・これは尋常ではないな。」 バーバラ「こう天井が低かったら、ベギラマ噴射で飛び越えるのも無理ね・・・」 イザ「やっぱりこれもハーゴンの幻術・・・」
ためしにイザは手近にいた一体を切りつけてみた。
テリー「幻術には変わらないのだろうが・・・実際にここにある、ということは変わらないようだな。」 バーバラ「でも確かマドハンドはそんなに強くなかったはず・・・吹っ飛ばすわよ!!」
バーバラはベギラマ、イザはライデイン、テリーは五月雨切りを浴びせた。マドハンドの群れは全滅したかに見えた・・・・が。 なんと復活してきた。
イザ「ただ倒すだけでは無駄、ということか・・・」 バーバラ「そういえば・・・聞いたことがある・・・ たしか、マドハンドはたくさんいても実は根っこは一つで、 その根っこ、球根を壊せばマドハンドも死ぬと・・・ でも、引っこ抜きでもしない限り出てこないらしいわ。」 テリー「じゃあ、こいつらをつかんで引っこ抜け、ということか?」 イザ「そういうことだね・・・気持ち悪そうだけど。」
三人でいっせいにそれぞれ違うマドハンドを掴み、 引っこ抜いた。 そこには、横に異様に長く、巨大な球根。 そしてそこから生える無数のマドハンド。
テリー「ぶっとばずぞ!!魔人切りぃ!!」 バーバラ「メラミ!!」 イザ「ライデイン!!」
三人の最高の技、呪文が炸裂した。 球根は跡形も無く吹っ飛んだ・・・・はずだったが、 球根は復活していた。 |
第176話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
炎のメラミと電撃のライデインで倒せないとなると さすがに三人は困りだした。
特にマドハンドの球根は襲ってくるようなことがないので こちらから近づかなければ被害は受けないが、通り抜けることができない。
「いや・・・・・・・待てよ? 引っこ抜くことができたってことは、このまま引っ張って この部屋の外から出しちゃえばいいんじゃないか?」 「そうね・・・とりあえず動けないんだから、この部屋の外から出しちゃいましょう」
三人は再度力を合わせて、マドハンドの球根を動かした。 しかし部屋の外に出そうとすると、扉より球根の方が大きく、部屋の外から出すことができない。
三人はそれでも無理矢理部屋の外へ引っ張り出そうとしたが 物理的にどうてみても扉が人間サイズのため無理であった。
「ビンラムネのビー玉を気合で出すことができないようなものか・・・・」
「ビンラムネって?」
バーバラが不思議そうにたずねる。
「あぁ、ジパングの特産の飲み物でそういうのがあるのさ。 あそこは剣を鍛えたりする鍛冶屋などがあって手先が器用な人が多くて ガラスの瓶に甘い飲み物を入れて、中にガラスのタマを入れるんだ」
「へぇ〜そんな飲み物あるんだ。飲んでみたいな」
「ラムネねぇ・・・・・待てよ? どうやったら中のビー球を出すことができる?」 「どうやっても無理でしょ。ビンでも割らない限りは・・・・・」
「それだよ」
「それって、何よ。この洞窟を破壊しろっていうの?」
「そこまでは無理だろうが、ラムネのガラスの入り口を壊したら・・・・どうなる?」
「・・・・そうか! マドハンドそのものを滅することができなくても、入り口なら壊せる!」 三人はマドハンドを部屋の中に置いた後、一度部屋の外に出て 三人の最大級の攻撃を扉に向かって放った。
もくもくとした煙がたちこめ、しばらくすると扉であったところが見える。 扉は破壊され、さらに大きな入り口ができていた。
「よし・・・・これなら・・・・」
三人はマドハンドを部屋の外にほっぽり出した。 哀れマドハンドは部屋の外で動くこともできず、手だけがうごめいている。
「後は次の底なし沼をどうするかだな・・・・・」
|
第177話 |
二代目カンダタ |
1530000HIT |
イザ「とりあえず・・ハーゴンの幻術だから、 何があるかは分からないな。 入った途端に熱くなって蒸し焼き、 なんてこともありえるわけだ。」 バーバラ「出来るだけ泥に入らないほうがいいわね。」 テリー「しかし・・・飛んでいくのもこの天井では無理だし、他にどう行く?」
三人は考え込んでしまった。 十分ほど考えた後・・・
イザ「いい事思いついたぞ!!」 バーバラ「え、どうするの?」 イザ「とりあえず、向こうまでいければいいんだろ? だから、表面だけ通れるようになって、後は泥でもいいわけだ。」 バーバラ「ふうん。で、どうするの?」 イザ「そこからが思いつかない・・・」 テリー「なるほど、そうか。分かった。 要は、上だけ固くすればいいわけだろ? 俺の故郷にな、泥を練って固くして皿として使えるようにしていた人がいた。」 イザ「なるほど・・・バーバラ、ベギラゴン使えるか?」 バーバラ「ベギラゴン?使い方は知ってるけど・・・魔力が足りるかどうか・・」 テリー「あれぐらい火力がないと無理だろうな。」 バーバラ「分かった・・やってみるわ。」
バーバラは詠唱を始め、火炎を手から出した。 火炎が泥沼に吹き付け、底なし沼の上を燃え盛る。 泥が固まり始めた・・・・が。 一部は固まったものの、ほとんど硬くならず、しかも、それも表面だけ、 つまり浮島のようになってしまった。 浮島はそれ自体の重さで浮き沈みしており、人間の体重は、すぐに沈んでしまいそうであった。
テリー「なんだこれは?こんなばらばらになるとは・・・」 イザ「きっと水の多さが違うんだろうな。 固まってないところは水分が多いんだ。とりあえず渡るしかないだろう。」 バーバラ「この天井の低さで?頭打つわよ?」 イザ「うさぎ跳びしかないだろう。」 テリー「膝壊すぞ。」 バーバラ「二人ともふざけてる場合じゃないでしょ!!」 イザ&テリー「俺たちは極めて真剣だ。」
ということで三人は渡ることに。 三人とも律儀に手を耳のようにし、 飛び始めた。 すぐに沈んでしまうので、 常にピョンピョンしている必要があったが、 もともと体力はあるので、別に支障は無かった。 しかし、三人が5分の1ほど渡り終えた途端、 泥が煮えたぎり始めた。
バーバラ「どういうことよ!!溶岩になっちゃったわよ!!落ちたら地獄鍋になっちゃう!!」 テリー「スーパーマ○オワールドを思い出すな。」 イザ「コクッパの城にこういうのがよくあった。」 バーバラ「二人ともどこの世界の話しているのよ!!どうすんの!」 テリー「落ちたらひとたまりも無いな。」
イザ「でも進むしかないし・・気をつけないと・・」 バーバラ「でも・・・出口が見えないわよ?」 三人がスーパーマ○オワールド風のアクションを、兎跳びでかましているころ・・・
忘れ去られている爺さん賢者と弥生は、テルパドールで、二人の人と会っていた。 邪教祖を倒すべくラインハット城に潜入した後、 誰からも忘れ去られていたハッサンとミレーユである。
ハッサン「お前たちは・・イザを知っていると言うのか?」 爺さん「合体前の、じゃがな。」 ミレーユ「彼は何しているの? 邪教祖スペ・ア・リヴと戦っているときに突然消えてしまったのよ。」 弥生「多分・・テリー、バーバラと旅をしていると思います。私たちがもともといた世界を。」 ハッサン「あいつらと?実は俺たちもどうやったら元の世界に戻れるか考えていたんだが・・・」 ミレーユ「この世界もいろいろ大変みたいね。」 ペリー「トリアエズグランバニアオウケの人タチヲ探スコトヲ先決ナノデ〜ス。」 弥生「とりあえず、みんなで旅をして、手がかりを探す、というのはどうでしょう?」
皆賛成し、彼らは一時旅を共にすることになった。 目指すはグランバニア城である。
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第178話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
ハッサン・ミレーユはラインハットで邪教祖が一時的に消えたため、 弥生やじいさん達と行動を共にしていた。
また弥生達も今だグランバニア・ラインハットが解放されず グランバニア王家の手がかりもないまま、 テルパドールをさまよっていたがなんの情報も得られなかった。
弥生・じいさん賢者・ピエール一行はハッサン達と共に 原点であるグランバニア王家が行方を晦ました大元のグランバニアに行くことにした。 王家の人間は数名の家臣を引き連れ、どこかに潜んでいるはずである。
今だグランバニア・ラインハットは光の教団と名乗る邪教祖の手に落ちたままである。
以前ピエールは一人であり、グランバニアを終われる身であったが 現在はメンバーは弥生・じいさん賢者・ペリー・ピエール・ゴレムス・ハッサン・ミレーユと 7人パーティーである。
人数的にはまだまだグランバニアに潜んでいる邪教祖の手下に及ばないものの 皆、仲間は実力者ばかりである。 手分けをすれば、王家の人々の手がかりがわかるかもしれない。
凶暴化した海の魔物を退け、ピエールの指示の元グランバニアに通じる川に入っていく。
「グランバニアは以前も申し上げた通り、邪教祖の手に落ちています。 このまま船でグランバニアの港に入るのは危険でしょう。 少し手前に入りえがあります。そこにいかりを降ろしてそこから徒歩で行きましょう」
皆、その意見に賛成でグランバニア近くに夜つき、そこで船をとめた。 流されないようにいかりを降ろし、上陸する。
グランバニアの森は静かな闇に包まれており、一行は静かに歩みを進めた。
メキメキ・・・・・・メキメキ・・・・
物音が聞こえる。木が倒れるような音だ。
「何?」
戦闘を歩いていた弥生が立ち止まり、同時に一行が歩みを止めた。 そうすると音が止まった。
「気のせいかしら・・・・」
また歩き出す。
メキメキ・・・・・・メキメキ・・・・
また音が聞こえたので、一行足を止める。 そうするとまた音も消えた。
「何かの待ち伏せかのぉ・・・」
じいさん賢者が答える。
「ソノトキハ、キョウコウトッパデス〜」
ペリーが過激な意見を言う。
「まぁ、用心をしながら進むしかなかろうて」
そう言って一行歩き出す。
メキメキ・・・・・・メキメキ・・・・
一行は一番後ろを振りかえった。 最後尾はゴレムスがいて、その巨体が歩くたびに木をなぎ倒していく音だった。
「おまえか、ゴレムス!!!!」
「ウゴー」
ゴレムスは恥ずかしげにうつむいた。
一方、ぴょンぴょン跳ねながら、泥沼を越えていく イザ・バーバラ・テリーの姿である。 煮えたぎった沼を急いでわたっていく。
「きっと、ハーゴンがまやかしの術で沼の温度をかえられたのかも・・・・」
バーバラが不安げにつぶやく。
「生かすも殺すも自由ってわけか・・・・ クソ・・・なめやがって!」
テリーが悪態をつくが、しかし立ち止まっている時間はない。 ウサギとびをしながら、三人は沼を越えていく。
「しかし情けない格好だ。 こんなときに過去に歌われた伝説の勇者なら、 ささぁ〜とかっこよくいっちゃうんだろうな」
イザがつぶやく。
「伝説の勇者?」
「知っているだろう? もう何百年も前の話しだけれど女の身でありながら たった一人で大魔王を封印したことがあるっていう勇者さ。 チェルト・フレイユっていう、後にロトとも呼ばれた人だよ」
「あぁ・・・・その人ね。 本当に現存した人かどうかわからないけれど・・・・」
「いただろう。 書物に名前まではっきり示されているんだ。 魔王封印以外にもいろいろと伝説が残っている。 そしてロトがその身に不死鳥ラーミアを象った武器防具を身に付けていたんだとさ。 その人の武器防具があればな・・・・」
イザがウサギとびをしながら、そんなことをつぶやいた。
「武器防具の力に頼って戦うのは危険だぞ。 いつも武器防具を身に着けているわけではない。 眠っている時とかな。 またそういう神々の装備は人を選ぶ。誰もが装備できるというわけではない。 まずはそれを身に着けるだけの器がなければな。 それにこういうところを切り抜けるのは戦いの力より知恵の方が必要だ」 テリーはそう指摘した。
「わかっているよ。とにかく当面はここを切り抜けないと・・・・」
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第179話 |
二代目カンダタ |
1540000HIT |
無事溶岩と化した沼を渡りきったイザ達。 そこからは順調に迷路を駆け抜けて行った。 百体近い魔物が出てくる階、 本当に回りくねった迷路、 問題に答えないと進めない仕掛け。 三人はこれまでの経験を生かし、難なく通り過ぎていった。
「なんてことないわね・・・さっきの沼に比べたら。」 「まあ魔物なんて街中でいくらでも倒したし、迷路も右手の法則で辛抱強く行けばいつかは抜けられるしな。」 「クイズもそこまで難しくなかったしね。」 「でも油断は禁物ね。」
三人は何も仕掛けの無い、一直線の道を進んでいた。 何も無いのが不気味なほどである。 すると、三叉路が見えてきた。
「なんだあれは?どれか正解で後は地獄、って奴か?」 「そうでもないみたいだよ。これを見てみたら。」
勇気ある者よ 自らの力を信じ その身のみで進め そこには困難が待っているであろう。 しかし希望も待っているであろう。 勇気を持ったときそこに道は開かれる
「三人で分かれて進め、と言うことなの?」 「みたいだ、ね。」 「一つ一つの扉に違うものがあるみたいだな。仕方が無い。分かれて進もう。」
バーバラは一番右の扉、テリーが真ん中の扉、イザが左の扉へと進んだ。 一番右の扉・・・とてつもなく巨大な巨人が立っていた。 巨人たちを率いる大巨人、アトラス。 その分部屋もとてつもなく大きかった。
「あなたは・・・・アトラスね?」 「いかにも。お前らにはここで死んでもらおう。」
中央の扉へ入ったテリーの眼前にいたのは、一匹の猿。
「バズズ・・・出来るな・・・」 「なぜ私の名が分かった?」 「・・・・腕に刺青が彫ってあるぞ。」 「!!!」
一番左に入ったイザ。そこに待ち構えていたのは、見上げるほどの巨大な悪魔。
「お前が・・・ハーゴン様に逆らい・・・この城に入ってきた戦士だな? 我が名はベリアルと言う。お前にはここで死んでもらおう・・・」 「死ぬのはそっちだ!!」
三人は挑みかかった。
一方爺さんと弥生一行。 何とかグランバニアの城まで辿り着いた。 しかし・・・・
「鍵がかかっておるのう。」 「このままでは入れませんね・・どうしましょうか?」 「とりあえず・・・アバカムッ!!やはり意味は無いか・・・」 「ぶっ壊しちまうわけにはいかねえのか?」
とハッサン。そのときピエールが何かを思い出したように口を開いた。
「そういえば・・・王リュカが言っていました。『もし・・・この城に何かあった時のために、鍵を王家の証があったところに置いておく。 もしそんな事態になって、僕が動けなかったら、取りに行って、危機を救ってくれ。』と・・・」 「名君じゃった・・いや、名君なんだの・・・ではそこへ行くとしようか。」 |
第180話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
バーバラは自分が使える必殺技ですぐに勝負を決めようとベギラゴンを唱え始めたが アトラスはその巨体からは信じられないほど早くバーバラに迫ってきた。
「くっ・・・」
呪文の詠唱をやめ、その場を離れるバーバラ。 バーバラがいた場所にアトラスが繰り出した巨大な棍棒がめり込んだ。 棍棒は硬い金属でできているようで、床をえぐり破片が飛び散る。 その破片のいくつかがバーバラにあたり細かい傷を負う。
「・・・・なんてバカ力なの・・・」
バーバラが再度ベギラゴンを詠唱しようとしたがアトラスが再度迫り、棍棒を横薙ぎにする。 これを読みきれなかったバーバラは持っていた鉄製の盾で防ぐが、盾ごとバーバラの体は吹き飛ばされた。 壁に激突し、吐血する。
持っていた盾は一回の攻撃でヒビが入り、腕も骨折したようだ。 すぐにベホイミを唱え傷を癒し、意識をはっきりさせると 目の前にアトラスが立っておりにやりと笑っていた。
テリーの剣が煌く。しかし当たらない。 バズズのスピードはテリーのスピードを上回り 剣が届く距離なのにことごとくかわされる。
一方、バズズの攻撃は一撃必殺ではないものの鋭い爪を繰り出すことにより テリーは少しずつ傷を負わされていった。 回復をしてくれる仲間がいないテリーには1つの傷でも分が悪い。 このままだとジリ貧だと感じ、剣を引き一度テリーは間合いをとった。
「フフフ・・・・・坊や・・・・もう終わりかい?」
バーバラとテリーは各自強敵と戦っていたが、もっとも相性が悪かったのはイザだった。 バーバラ同様最強魔法ですぐに勝負を決めようとライデインを放った。 轟音が鳴り響き、雷がベリアルに直撃する。
雷の余波がイザの側まで来て、思わず顔をしかめた。 しかし直撃を受けたはずのベリアルはいとも平然としていた。
「そんな・・・・・・」
「フン。俺には魔法は効かん。 それと魔法というのはこうやって唱えるもんだ」 ベリアルは持っている矛を天に突き出す。 するとその矛先の空間が歪み出し、徐々に光を集めだした。 「まさか・・・・・」
イザは背筋が凍るのを感じた。 自分がかつて見たことがないほどの強力な魔力をその矛から感じ イザは盾を前に出し精神を集中し、身を固め防御をする。
ベリアルの矛先の光は既に巨大になっており、主人の命令を待っていた。 ベリアルは満足げに光を見ると、口を開いた。
「イオナズン!!!!」
ベリアルの言葉と共に凝縮された光はイザに向かい、大爆発を起した。
すべての存在を無にする爆発。
そして静寂。
立ち込める煙が去った後、地に倒れているイザの姿があった。
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第181話 |
コリンキーさん |
1560000HIT |
バーバラvsギガンテス
「ブン!!ブン!!」 バーバラに絶え間なく棍棒が振り下ろされる。 避けるのに精一杯のバーバラは、しかし避けながらも策を練っていた。 「接近戦では滅茶苦茶不利だわ・・・距離を一気に離さないと。部屋は広いからどうにかなるか?」 考えている間にも、アトラスはその巨体を生かした包囲作戦を出し、バーバラを部屋の隅に追い詰めていった。 「逃げ場は無いぞ!!そりゃーーー!!」 ここでバーバラは会心の呪文を思い出す。 「ルーラ」 魔力を最小限に抑え、部屋の隅から隅へ移動 一気に敵との距離を離す。アトラスは、まだバーバラを向こうの隅で探しているようだ。 「こいつを倒すほどの呪文・・・アレしかない!!!」 もうバーバラに迷いはなかった。静かに最高の火球呪文メラゾーマの詠唱に入る。 まだ一度も撃った事の無い呪文だ。 自分がそれを撃てるかどうかはわからない。 しかし、これしか方法は無かった。
テリーvsバズズ
「くそう・・・」 テリーは悪態をつきながら、とっさに自分のポケットを探る その中に、入っていたもの・・・ 黒コショウ・・・ 水鉄砲・・・ イブールの本・・・ 戦士の指輪 見事に役に立たないものばかりだ 昔、テリーが趣味で収集していたアイテムたちである しかし、バズズは向かってくる 「これでえも食らえ!」 とっさに、テリーは黒コショウを投げつけた さぁ大変だ。 黒コショウは部屋中に広がり、空気が刺激を帯びる。 テリーもバズズも、くしゃみをしあうという誠に情け無い勝負となった。 しかし、テリーはあわてず水鉄砲を自分に浴びせ、黒コショウを洗い流す。 形勢は逆転した テリーはすらりと剣を再び抜き放つ 剣技の頂点の一つ「魔人斬り」の構えに入った。
イザvsベリアル
「フン、もうおしまいか・・・あっけないものだな」 ベリアルは勝ち誇って言う そして、止めを刺そうと、倒れているイザに歩み寄った しかし・・・ 「ザシュ!」 イザは気力を振り絞り、消え去れ草を発動したのだ!!! 意外な攻撃だったので、ベリアルもダメージを隠せない 「くくく・・・愚か者めが!!!下衆のくせにワシに傷をつけおったなぁ!!!」 ベリアルはマジギレし、イオナズンを連発した 「ベリアル!愚か者は・・・お前だ!!!!!!」 勇者は、古代の伝説の呪文「マホステ」を無意識のうちに唱えていた。 伝説の勇者の血が、今まで知りもしなかった呪文の発動を可能にしたのだ。 イザは、大いなる退魔の光に包まれていた 武器を収め、現存する最強の呪文「ギガデイン」を試みた 不思議と、撃てない気がしなかった。
じいさん一行
じいさん一行は、洞窟へと歩みを進めていた。 洞窟の前にたどり着いたとき・・・ 「ヌルツー登場!」 「出た!!!」(by弥生) 「この前はよくもやってくれたな!!!この怨み、貴様達の死で償ってもらおう!」 「く・・・お前・・・ワシらを邪魔して何の得があるというのか!」 「そいつは答えられないな・・・さて、今度こそはざまの世界へ飛ばしてやる!」 「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥!子丑寅卯辰巳午未申酉猫亥!子丑寅卯辰巳午 未申酉戌亥!勅!勅!勅!・・・エクスペクトパトローナム!・・・時空震よ!来た れ!」 久しく聞いていない時空震召喚の文言をヌルツーが詠唱する・・・ しかし!!! 「又呪文間違えた!!!(干支の2番目の戌→猫)」 再び、時空震は誤作動。運良く(悪く?)ヌルツーだけが吹っ飛んだ。 「まったく人騒がせな奴じゃ。さて、洞窟に入るとするか・・・」
さて、ヌルツーは・・・ 「どこだここ!!!」 「ここは、トラペッタの町です。あなたも鍵を探しにここに来たのですよね?」 何と、8の世界に吹っ飛ばされていたのである!!! |
第182話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
テリーが黒こしょうと水鉄砲の水に包まれながら魔人斬りの体制をする。 バズズは相変わらず黒こしょうでくしゃみをしていたが、その姿が止まる。
テリーが攻撃を仕掛けようとすると
「これは!!!!」
バズズが大声を上げた。 思わずびっくりしテリーは動きを止めてしまった。
「これは邪教祖様の本ではないか。何故お主が・・・・」
バズズが指を指しているのは先ほどテリーが放り出したイブールの本だった。
「いや・・・・・」
テリーにとって触れて欲しくない過去の1つだった。 テリーは一時期闇に身を任せていたことがある。 姉ミレーユと再会する前、テリーはミレーユが死んでいると思いこんでいた。 その為自分の無力さを呪い力を求めた。 その時に力を求めたキッカケがイブールの本である。 結果、闇に囚われたがイザ達の助けで、自分の意識を取り戻すことができた。
テリーにとっては呪わしき本であるが、自分を戒めるためこの本を持ち歩いていたのだ。
「この本をくれ!! そうしたら、ここを通してやる」 バズズはテリーに懇願した。 「はぁ!?」
間抜けな声を出すテリー。
「今この本は大変貴重でどこにいっても手に入らないのだ」
「・・・・・・・・・・」
「ただとは言わん。 ここを通すだけなく、私の宝もやろう。 だからこれをくれ」
これは油断をさせるための罠ではないかとテリーはバズズを注意深く観察しているが もしこれが罠であれば、こんな回りくどいことはしないはずだ。 「まぁ・・・・戦わずにすむのであれば、こちらも楽だしな。 持っていくがいい」 テリーはやはり油断しないようにバズズを観察する。
「おぉ!!!そうか!!!」
バズズは本当に嬉しそうだ。
「よし、ここを通るが良い。 それと私の宝も持っていけ」 バズズはそう言うと、自分のしっぽをばっさりと切り落とした。
「な、何を・・・・・」
「これが悪魔のしっぽだ。レアイテムだぞ」
「・・・・・・・・・・」
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第183話 |
二代目カンダタ |
1620000HIT |
「メラゾーマ!!!」 「何!!」
巨大な、バーバラよりも遥かに大きい火球がアトラスに向かって飛んでいく。 突然のことにアトラスは避け切れず、直撃した。しかし・・・・・
「はっはっは!!!俺には魔法は効かん!この勝負!!俺がもらったア!!!」 「なんていうこと・・・・勝てないわ・・・・・」
バーバラはじわり・・・じわりと壁に追い込まれていく。 しかし、あることを思い出し、かばんに手を突っ込んだ。
「一か八か!!!えい!!!」 「なにっ!!毒針とは・・・・ぐふっ!!」
バーバラはとっさに今毒針を持っていたことを思い出し、突き出した。 それが見事急所に命中し、アトラスは死んだ。危機一髪。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「イザとバーバラは何してんだ・・・どうせ誰かと戦ってんだろうけど、やられてんじゃねえだろうなあ・・・・」
バズズにイブールの本を渡すというよく分からない事態により突破したテリーは、 進んだ先にある広間のような場所で待っていた。辺りを見渡すと、出口も三つある。
「仕方ねえ・・・・俺の場合はラッキーだったもんな・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ギッガデッイ〜〜〜〜〜ン!!!!!」
イザの上空に発生した大雷雲が、ベリアルの巨体の上へと移動し、 そして激しい電撃を浴びせる。伝説の大呪文、ギガデインである。
「くっ・・・・聞きしに勝る威力・・・・しかし・・・そんなものではわしは倒せぬ!!」 「やばい・・・今ので予想外に体力を消耗したから剣を振るにも魔法を使うにもあと一発ずつだ・・・」 「死ねえ!!メラゾーマ×2!!!」
メラゾーマを何倍にも増幅したような大火球がイザへ襲い掛かる。 しかし、イザにはマホステが。ベリアルはこのことを忘れていた。
「そうであった・・・ぬかったわ・・・ならばこれならどうだ!!凍てつく波動!」
ベリアルは指から波動を放った。イザを包んでいる光が消えていく。 そして再び呪文の詠唱に入った。しかしその隙にイザはベホイミを唱え、少しではあるが体力を回復しておいた。
「これで魔法と剣、一発ずつ出来るな・・・・」 |
第184話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
必殺の呪文ギガデインでさえ、ベリアルを倒すことはできなかった。 ダメージを受けたもののメラゾーマを二発も放つほど平然としているのだ。 これは通常は考えられないことである。
確かにイザのギガデインは、ベリアルの頭上に落ちたはずである。
「…頭上?」
イザははっとする。 そういえばギガデインが落ちた瞬間、ベリアルの角が光を発していた。 あれはてっきりギガデインの光だと思っていたが、 ベリアルが発したものだとしたら…
(もしかしてベリアルの角が、魔力を吸収しているのか…)
稲妻系の呪文を敵にかければ、必ず頭上に落ちてしまう。
(奴の急所に直接呪文を叩き込めれば…)
ベリアルは巨大な矛を振りかざしてきた。辛うじて交わすイザ。
「ぼっとしているでないわ!」
ベリアルも極大魔法を連続で唱えているため、メラゾーマを再度放つ力はないようだ。 しかしその迫力はいささかも衰えず、イザは後手に回る。
再度ベリアルの矛がイザを襲う。
イザはその矛の動きだけを集中してかわす。
「チョコマカと!」
(もう少しだ…)
「動くでは!」
(あとちょっと…)
「ないわ!!!!」
(今だ!!!)
イザはベリアルの矛をかいくぐり、ベリアルの胸、つまり心臓に剣を突き刺した。
「グワアアァア!!!!!!!」
ベリアルの絶叫がこだまする。
イザは剣を手放し距離をとった。 そして
「ライデイン!!!!!」
雷雲から稲妻が、ベリアルの胸に刺さっている剣に落ちた。 稲妻はイザの剣を伝わり、ベリアルの心臓に直接流れ込む。
稲光が消えたとき、ベリアルの巨体が崩れた。 |
第185話 |
二代目カンダタ |
1640000HIT |
テリーが扉を抜けたところで待っていると、
「テリ〜〜〜!!」
と聞き慣れた声がしてきた。 アトラスを毒針で倒したバーバラである。 転がりまわったので真っ黒だ。そこに、イザも帰ってきた。 それを見て、テリーは(そうか・・・こいつらはまともに倒してきてんだよな・・・ 俺だけか・・・倒してねえのは・・・ばつが悪いな。)
バーバラ「あれ〜〜。テリー早いね。そんなに弱い相手だった?」 テリー「と言う訳でもなかったが・・・いろいろあってな。」
テリーは二人に事情を説明した。
イザ「ふ〜ん。そんなことがあったんだな。ということはハーゴン軍の結束も磐石、って言うわけでもないのか。」 バ「そんなことよりテリーなんでそんなもの持ってたの?」 テ「うっ!・・・いろいろあってな・・・」 バ「ふ〜〜ん・・・・・怪しいな〜〜〜〜・・・」 イ「まあいいじゃんか。それよりもこの先のことを考えようよ。」 テ「そうだな。やはりハーゴンが出てくるのだろうか・・・」 バ「あんな魔術を使えるんだからやっぱり強いんだよね。どうやって戦おうか・・・」 テ「やはり俺たちの得意技、長所をぶつけていくしかないだろうな・・」イ「ま、行こうよ。勝てるよ、きっと。」
三人はとりあえず、前にある階段を上っていった。 |
第186話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
「ヌハハハハ!!!、よくぞ我が配下を退けた」
突如威圧感のある声が響き渡った。
「ハーゴン!」
イザ達は疲れた体に鞭打って一斉に構えた。
「たかが人間と侮ったか。不甲斐ない奴らめ。 まぁ・・・・・よい。余が戦ってやろう。 そしてお前達を邪神のいけにえにしてくれる」 声だけ聞こえていた上空に徐々に何か霧状のものが現れた。 最初は形を持たない気体が漂っていたが、徐々に一箇所に集まってきた。 しばらくすると一人の人間くらいの大きさの生物が上空に静止していた。
「あれが・・・・・ハーゴン?」
イザが先ほど対峙していたベリアルと比べて、あまりにその姿は貧弱だった。 あっけにとられるイザ達。
「だが、姿形に惑わされるな。 仮にも魔王の一人だ」
イザがそう言うと、ハーゴンはにやりと笑った。 ハーゴンは上空でイザ達を観察していた。
手には何も持っていないが、ハーゴンが手をあげると 頭部に輪がついている錫杖が現れた。
ハーゴンがその錫杖を一振りすると、上空からベギラゴンを放ってきた。 三人はベギラゴンを避ける為に散る。
少し遅れてベギラゴンが床を焦がした。
上空に浮かんでいるハーゴンにバーバラがメラミを放つ。 しかしハーゴンは錫杖を一振りすると、見えない障壁が現れメラミを跳ね返してきた。
「マホカンタ!?」
メラミが跳ね返され、火球がバーバラを襲う!?
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第187話 |
hidemk2 |
1660000HIT |
「ヒャダルコ!!」 ボシュウゥウウウウ・・・・・ イザがとっさにメラミの火球に対して氷呪文で打ち消したものの 火と水が合わされば当然水蒸気が発生するものである。 メラとヒャドならばそこまででもなかったであろうが、かなり高い次元での メラミとヒャダルコであるため爆発にも似た大量の水蒸気が発生してしまった・・・
”イオナズン!!”・・・”ベギラゴン!!”・・・・”メラゾーマ!”
「ぐはっ!!」 「きゃあぁああああ!!」 「うわあぁ・・・」 ドサドサドサッ・・・・
水蒸気で見えなくなったところその隙を突いてハーゴンがありったけの 攻撃呪文を目の前の3人に向けてはなった!!
「はははははは!!せめて楽に死ねるように一気に殺してやったぞ!! ありがたく思え!!あはははははは・・」
ハーゴンの声が部屋中にこだまする・・・・
「本当だ・・・・」 「すごいねぇ・・・・」 「いやーたいしたもんねぇ♪」
何と三人は見えない状態を逆にかく乱に使いこっそりハーゴンの背中を 取っていたのであった。
「き・・・貴様ら・・・・ぐはっ・・・・」
「いつか使おうと思っていた連続・連携攻撃なのよ!!まさかここまでうまく良くとは思っていなかったけど・・・」
「油断は禁物さ・・・」
「うふふふっ♪」
と突然・・・
”バチバチバチバチ!!!!”激しい轟音が・・・・
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第188話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
イザ達の連続攻撃がハーゴンにあたった時、 バチバチバチバチ!!!!と激しい轟音が鳴り響いてイザ達をつつんだ。
「うわぁああ!!!!」 「きゃああぁ!!!」
イザやバーバラが悲鳴をあげる。
稲妻の衝撃が抜けた後、体からは黒煙があがっていた。
「なんだ・・・・・いったい・・・・」
テリーも傷つきながら体を起そうとするが、言うことをきかない。
「よくも、やってくれたな・・・・・」
そこには、先ほどイザが倒したはずのベリアルが 矛を杖代わりにして、立っていた。
「ベリアル・・・・・何故おまえが・・・」
イザが苦しげに見る。
「確かに・・・・はぁ・・はぁ・・・貴様のおかげで俺は・・・瀕死の重傷を負った。 だが・・・俺の死体を確認しなかったのは・・・・まずかったな・・・・」
「・・・よくやったぞ・・・ベリアル・・・」
傷を負ったハーゴンは、ベリアルを見てにやりと笑う。
「ハーゴン様、お怪我は・・・・」
「うむ・・・・怪我は負ったが、命に別状はない。 しかし、小ざかしい手をつかいおって・・・・」 |
第189話 |
KTRS |
1780000HIT |
ハーゴンの不意を衝いた連携攻撃も、ベリアルの妨害によって成功するまでには至らなかった。 それどころか、キズを負っているとはいえ強敵が増えて戦局は不利になってしまう。
イザ「僕との戦いで瀕死の状態になっているはずなのに、あれだけの魔力が残っているなんて…」 あれだけの魔力というのは、もちろん先程の雷撃のことである。
ハーゴン「ベリアルよ、援護ご苦労。さあ、魔力を回復してやるぞ」 そう言うと、ベリアルの周りに邪悪な気が集まりだし、ベリアルのキズや魔力が回復してしまった。 ベリアル「これで形勢逆転だな」
テリー(あれがベリアル…。俺が強さを求めて闇の世界にいた頃、 悪魔族最強のモンスターと称され、一度戦ってみたいと思っていた…) テリー「…あいつは俺がやる」 イザ「テリー?」 テリー「心配するな。こいつですぐにカタをつけて来る」 イザ「テリー!」 自分の懐を指差してそう言うと、テリーはイザの制止を振り切ってベリアルに向かって駆け出した!
その直後、光がイザ達を包み込み、みるみるうちにキズや魔力が回復していく。 イザ「…これは?」
ベリアル「どういうつもりだ小僧? 見たところお主は剣士のようだが、呪文も扱えぬ者に私が倒せるとでも思ったのか?」 テリー「つべこべ言ってないでさっさとかかって来いよ」 ベリアル「ふむ、ならば苦しまぬよう一息に殺してくれる!」
ベリアルが呪文の詠唱に入る。 しかしテリーはその場を動こうとしない。 ベリアル「…己の無謀さを悔やむがよい! “メラゾーマ!”」 メラゾーマの巨大な火球がテリーを包み込む! ベリアル「…どうだ? 骨すらも焼き尽くされただ…何!?」 テリー「…」
ベリアルは、間違いなくテリーを倒したと思ったのだろう。無傷で佇むテリーを見て驚きの表情を隠せない。 ベリアル「何故…」 テリー「…何故俺が無事だったのかって顔をしているな」 ベリアル「…」
テリーは懐からアイテムを取り出した。 テリー「こいつは『聖猿のしっぽ』といってな、あらゆるキズを癒し、攻撃呪文を打ち消す効果があるんだよ」
ベリアル「だが、それは…」 テリー「そう、一見ただの『悪魔のしっぽ』だが、お前の仲間、 バズズの『悪魔のしっぽ』は別名『魔猿のしっぽ』と呼ばれている。 普段は呪われていて使い物にならないが、 魔猿のしっぽは呪いを解くと『聖猿のしっぽ』と呼ばれるアイテムになるんだよ」
ベリアル「しかし、一介の剣士であるお主が何故解呪の方法を知っておるのだ?」 テリー「…俺が闇の世界にいた時に手に入れた『イブールの本』に書いてあったのさ。 そしてイブールの本と引き換えにバズズからこいつをもらったというわけだ」 テリー(それにこいつには所持者の身体能力を飛躍的に高める効果もある。 肉弾戦ならまず負ける心配はない。 だがこいつには、使用時間に比例する反動があるからな。早めに決着をつけないと…)
ベリアル「…呪文が無効化されるのならば、もはや力で決着をつけるしかなさそうだな」 テリー「…行くぜ!」
お互いの武器がぶつかり合う音が空間にこだまする! |
第190話 |
ミディリン@安田 |
-HIT |
テリーが一瞬に間をつめる。 ベリアルの顔つきがかわった。
テリーの剣が届く刹那、ベリアルの矛が受けとめる。
「思ったより早い動きをするようだな。 だがその程度のスピードではこの首は討ち取れんぞ」
「まだまだだ!」
テリーは剣を翻し、横から剣を振った。 ベリアルのまたそれを防ごうと矛を振るったが テリーは途中で剣をとめ、矛をかいくぐった。
「獲った!」
聖猿のしっぽの効果は長続きしない。 すぐにしとめるのが良策だ。
ベリアルの懐をとったテリーが心臓に剣をつきたてる。
するとベリアルの巨体が宙に浮いた。 テリーの攻撃を予測したベリアルがジャンプをしたのだ。 剣が空を切る。
「くっ・・・・」
肉弾戦ならすぐに決着がつくと思っていたテリーだが 悪魔族最強のモンスターと言われるだけあって、武術にも長けている。 ベリアルが地面に着地した後、テリーは素早く剣を突いた。 上段、中段、下段の三段突きだ。 一撃目、二撃目はベリアルの矛による防御で防がれたが 三撃目がベリアルの足に刺さった。
「やった!」
バーバラが歓声をあげる。
ベリアルはさっと後ろに飛び間をあける。
「スピードもベリアルより少し早いし、テリーが押しているね」
バーバラが隣にいるイザに同意を促したが イザの顔はくもる。
「どうかな・・・・」
イザがつぶやいた瞬間、距離をとっていたベリアルがベホマを唱えた。 足の傷がみるみる回復していく。
「くそっ・・・・」
テリーが悔しがる。
「確かにスピードはテリーが上だが、ベリアルには魔法がある。 剣でしとめるなら、一撃で急所にあてないと無理だ。 しかしベリアルはあなどれない。 一度手をあわせたボクにはわかる。 剣だけじゃ、奴は倒せない」
「それじゃ、どうすれば・・・・」
バーバラの不安を遮るようにイザが叫ぶ。
「テリー、悔しいが一人じゃ無理だ! 奴は剣だけじゃ倒せない、ボク達が力を合わせなきゃ・・・」
「邪魔するな!」
気の強いテリーはイザの助けを拒んだ。
テリーは認めるのが怖かった。 イザに一人で倒せた魔物が、自分で倒せないはずがない、 そう思いこんでいた。
イザは剣と魔法の力でベリアルを一度倒したが 剣だけの力では限界がある、 剣士であるテリーが、自分の限界を認めるのが怖かった。 |