【第４話】

番犬との戦い

リュックと旅立つことを決めた俺は

必要最低限のものをそろえなければいけなかった。

水、食料、それと武器だ。

水はリュックに任せるとして、

俺は近くの農家に食料を盗みに行った。

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「・・・・ったく暗くてあたりがまったくみえねぇ・・・」

暗闇の中、この辺に数件しかない農家についた。

俺は忍び足でその農家の畑に踏み込んだ。

確かこの辺に芋があったはずだ。

だが、スコップなどがあるはずもなく、

俺は素手で土を掘り起こした。

土はそれほどかたくなかったが

しかしなかなか芋は出てこない。

俺の指は土まみれになり

だんだんと爪が割れてきた。

くそ・・・・早く出てこいよ・・・・

そう思った瞬間土の中で何かがあたった。

それを掘り出すと、芋の根っこが見つかった。

俺は芋をそおっと傷つけないように掘り出した。

するとかなり立派な芋が出てきた。

これは、うまそうだ・・・・

よだれが出たが、ここで食うわけにはいかない。

俺はさらにそのあたりの土を掘り出した。

二人分の食料を掘り出さなければいけない。

できるだけ持っていかなければ・・・

俺は必死に土を手でほり芋を探した。

数十分土を掘り起こして

どうにか５本の芋を掘したのだが・・・・・

”グルルル・・・・・・”

と番犬が気がついたようだった。

「やべぇ・・・・・」

番犬の鳴き声が聞こえると農家に明かりがつく。

そして中から家から男が出てきた。

最初、暗闇の中、男は目をこらしていたが

俺が芋を掘り起こしているところを見ると

「泥棒！」

と叫び、俺に駆け寄ってきた。

くそ・・・捕まってたまるか・・・・

ここで捕まったらすべてがパーだ・・・・

俺は６本目の芋を掘りだすのをあきらめて

全力でかけだした。

犬と大人が追いかけてきた。

大人の方は足が遅かった。

しかし犬が見る見るうちに近づいてくる。

ふつうに考えて犬の方が人間より早い。

大人の方は巻けるだろうが、犬には追いつかれる。

俺は一本の芋を思いっきり犬に投げつけた。

”キャンキャン！”

芋はその番犬におもっきりあたり逃げ出した。

俺は足をゆるめることなく全力で走り

大人もどうにか巻くことができた。

ふぅ・・・・危なかったぜ・・・・

後味はわるかったが、なんとか逃げ出すことができた。

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そのあと俺はリュックと待ち合わせの鍛冶屋の裏に行った。

リュックはどこから持ってきたのか

大きな水筒を３つほど持って水を持ってきていた。

「水持ってきたよ・・・」

「ご苦労さん。

　俺の方はとりあえず芋を盗んできた。

　しかし４本しか盗めなかった。

　二人で分けて２本ずつだ。

　しかしこれじゃ１日もしのげねぇな・・・」

「ええと・・・・これ・・・」

リュックが水と一緒に袋に入ったものを俺に手渡した。

「なんだ？」

袋の中をのぞき込むと、パンくずがいっぱい入っていた。

「すげぇじゃないか。

　よくこれだけ集めたな」

「うん、パンのミミとかいっぱい捨ててあったから

　全部持って来ちゃった」

「これだけあればしばらくは食いつなげるな」

俺は満足げに頷いた。

「よし・・・あとは武器だ・・・・

　鍛冶屋の連中も昼間しかここにはいないから

　たぶん誰もいやしないと思うが

　静かにしろよ・・・」

「うん・・・・・」

俺達は鍛冶屋の裏口のドアをあけた。

第５話 相棒

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