【第111話】

夜のお星様


はぐりんのおかげで命を救われた私。

どうやらはぐりんにキメラの翼をあげた女性がいるようだ。

誰だったんだろう。



「ところで、ここ、どこ?」


はぐりんが私に尋ねてきた。

どこって・・・・・・私に聞かれても・・・・・・


ん?なんか、この光景、見覚えがあるわ。

確か、船をもらったポルトガの街だ。

何故、ここへワープしたのかはわからないのだが、

バラモス戦で疲れきっている私(とはぐりん)は

一日、この街で滞在してアリアハンに戻ることにした。

(疲れ果てて、ルーラを使う気力もないわ・・・・・)



宿のベットに横たわり、ぼっーと、していた。

未だにバラモスを倒したという実感、ない。

今までの旅が長すぎたということもあるけれど・・・・・

でも私はやったんだよね?

父さん、サイモンさんの敵を討ったんだよね!

あらためてそう考えると、うれしくなってきた。


2階の宿を与えられていたので、

空気を入れ換えるため、窓を開け、

外を見る。

もう夜だった。

空には星がいっぱいだった。


「はぐりん、おいで」


肩に飛び乗るはぐりん。


「これがお星様よ。とってもきれいでしょ?」


「うんっ!」


はぐりんも大いに感動してくれているようだ。


きれいね・・・・・・・・・・

星なんてゆっくり見るのいつ以来かしら。

しばらく、そんな余裕もなかったし。

やっと取り戻した平和。

その余韻をこのきれいな星空を見ながら

今夜は過ごそうかと思う。


第112話 夜中の一人歩き

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