【第122話】

冗談?


きれいなドレスをきた私は、今回の宴の主役。

最初はあんまり気乗りしなかったけれど、

やっぱり、うれしい・・・・・・・・

ドレスも素敵だし、食べ物もほっぺたが落ちるくらい、おいしい。



「楽しんでいるようじゃな」


「はい!」


「昼頃の顔つきとは、まったく違うのぉ」


「あ・・・ははは・・・・・・・」


「それにしても、本当にきれいじゃ、うんうん」


「ありがとうございます」


「う~ん、まるでイシスの女王のようにきれいじゃのう」


「そ、そんな誉めすぎですよぉ~」


「いやいや、本当に、そう思うぞ。

 お主は女王になっても、まったく違和感がないわい。

 そのまま、女王にでもなったらどうだ」


「それは、なれるものでしたら、なってみたいですけれど」


私も調子に乗って言ってみた。


「お?

 お主、女王になっても良いのか?」


「え?」


「そうか、そうか!

 女王になっても良いのじゃな!

 よし、今日から、この国をおさめてみい。」


えぇ!?

じょ、冗談でしょ!?


「みなのもの、良く聞くがいい!

 この度、勇者チェルトに、王位を渡そうと思う。

 この者なら、みなも納得じゃろう!」


ちょっと!

嘘でしょ!!!


会場にもどよめきが走った。


しかし、それは一瞬のこと。

パーティーの観客は盛り上がり、有無も言わせない状態になってしまった。

わたしは、王様の


「冗談じゃ」


という言葉を最後まで期待した。


しかし、その言葉が発せられることはなかった。


第123話 夢・・・であって欲しい・・・

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