【第131話】

これからの国政


格闘技場の裏は人間の欲のたまり場。

いや、格闘技場がどうのこうのということより、

人間の欲望、自分勝手、そんなところに心底嫌気がした。

わたしは、お城に帰った後、王女になりたくないこと

また、さっき思った人間のエゴイズムについて、

そして今の格闘技場の制度を変えることを

王様に提案した。



「うむ、お主の言いたいことはよくわかった。

 バラモスが倒れ、平和になったとうかれておった。

 しかし、それは表向きじゃ。

 まだまだ国の内情はあれまくっているようじゃ。

 わしは、早急にこれらについて取りかかろう。

 王女のことは、明日私が言っておこう」


「ありがとうございます・・・・・・」


「お主はこれから、どうする?

 もう少しとどまるか?」


「いえ、わたしは、アリアハンに戻り、

 先日お話ししましたとおり

 アリアハン王にバラモス退治のことを話し・・・・

 あとは・・・・・・・・家に帰って

 少し今までのことを振り返りたいと思います」


「そうじゃな、それがいいじゃろう」


正直言って、アリアハンに戻りたいと言うより

この国を早く立ち去りたかった。

もう・・・・・・ここには・・・・・・いたくない・・・・・・


でも、王様も真剣に考えてくれたみたいだし

これからのロマリアに期待しよう・・・・


自分の部屋に戻った私は、眠っているはぐりんを

一瞬ためらうように、そして優しく包むように

道具袋に入れてやり、ロマリアを立ち去ることにした・・・・・



恒例の後書きです。


第118話~第131話の第14話による長編になりました。

「金の冠シリーズ」どうでした?


私が書きたかったのは、第129話と第130話です。

今回のテーマは「動物の命」「人間のエゴイズム」についてです。


なぜ、今回の作品を書いたかというと

ニュースかなんかで聞いた話なのですが

競馬の武豊騎手(もしかしたら、違ったかもしれません)が

乗っている馬が、レース中に骨折をしたそうなんです。

その骨折した馬は、もうレースで走れなくなったので

やはり飼育費がかかると言うことで、

そのあと毒殺されることになったらしいのです。


武豊騎手もそれを聞かされたときは

たいそう傷ついたようで・・・

自分が乗っていた相棒が毒殺されれば、それは、そうでしょう・・・


わたしは賭事はいっさいしないので

競馬とか全然わからないのですが、

はっきり言って悲しかった。


競馬や賭事を否定しているのではないんです。

それは全然かまわないんです。


ただ、チェルトで書いたように

人間の欲望のために、働かされ、役に立たなくなったら捨てられる。

この世は人間が中心に回っているという考えが

あまりに今の世の中にはありすぎるような感じがする・・・


そんな怒りの気持ちを込めて今回の作品を書きました。

第129話~第130話については

構想ができていたので、

あとは第118話~第128話をうまく書いて

文章をつなげたという感じですね。


さて、ここのところダークシーンばかり書いていたので

次回からは、アリアハンに帰ったチェルトと母親との

暖かいふれあいシーンでも書きましょうか?


第132話 第131話について

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