【第146話】

視点の高さ


海の幸をふんだんに取り入れたおいしい料理を食べながら

普段飲まないアルコールを口にした上、

親友ミリーに会った今の私は、とっても幸せ。

ミリーとの話しにはなをさかせた。


「でもそこがあんたのいいところだよね」

 

「何がぁ?」

 

「悩みがあったって、問題があったって

 常に前向きに生きる姿勢。

 なんか、うらやましいな・・・・・・・・・」

 

「ミリーだって、そうでしょ?」

 

「そう・・・・・なんだけれど・・・・・・・

 なんて言うのかな・・・・・

 人のうつわというか、視点の広さが違うというか・・・・」

 

「う~ん・・・・・言っていることがよくわからない」

 

「たとえば、わたしが悩む理由に

 子分をいかに統率するかとか、考えるわけだけれど」

 

「うん」

 

「チェルトは、平和をとりもどすことをずっと考えていたでしょ?

 結局、それって視野が狭い範囲でしか悩んでいないんだなぁ・・・・と」

 

「う~ん・・・・・・・・」

 

「でも、そういう、世界的な困難に立ち向かっているのに

 常に明るくさぁ・・・・・・・

 やっぱり、人のうつわがちがうなぁ・・・・・と思って」

 

「そんなことないと思うよ」

 

ちょっと酔いもさめてきた。

 

「だって、私は、世界を平和にすることを考えていたけれど

 それは、平和な世界で他の人が幸せに暮らす、

 そんな世界ができればいいと思った、お父さんの願いを

 ただ、わたしが引き継いだだけだもん。

 それしか考えていなかった。

 それって、人のうつわとかじゃないと思う。

 逆にあえて、そういうことを言うのなら、

 私ではなく、お父さんの人のうつわが大きかったんだと思うよ」


ミリーはそれを聞いて何か考えている様子・・・・


第147話 親友の定義

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