【第183話】

勘違い


城の門兵さんに城の中を案内されて台所で

お礼のあいさつをしたあと、 城の図書館にある昔の書物で

アレフガルドについて調べようとした私は

元気の良い声に呼び止められた。



「ちょいと、おまえさん!」

 

え? わたし?

 

「は、はい・・・・」

 

そう言って振り返るとそこは、たくましそうな、

まさにおかみさんというにふさわしい女性が 私を呼んだ。

 

「あんた、新入りさんかい?」

 

「えぇ・・・」

 

「じゃぁ、そんなところでぼやっとしてないで

 早く手伝っておくれ」

 

「え!?」

 

「え!?

 じゃないだろう、今はスライムの手でも借りたいんだ」

 

忙しいときに、アリアハンでは猫の手を借りたいっていうのに

こっちではスライムの手を借りたいんだって言うんだなぁ・・・

なぁ~んて考えていたら

 

「ほら、はやく!」

 

とせかされてしまった。

 

「は、はい!」

 

私はわけもわからず、台所に連れていかれた。

ちょっとぉ、これから、私はどうなるのぉ?


ちゃぷちゃぷ・・・・

 

「う~ん~・・・・・  手が・・・つめたい・・・・・・・」

 

ぶつぶつ言いながら、私は大量の皿を前に 流しで、洗ってる。

 

「っていうか、私はいったい、ここでなにをやってるの?」

 

私は情報をしいれるために、お城に入り込んだのに

まさか、本当にお手伝いをさせられるとは・・・・

それにしても、なんて,お皿が多いの・・・・

そりゃ、城中の兵士さんや文官さんの食器を洗っているのだから

量が多いのはわかるけれどさぁ~~

もっと人雇いなよぉ~~

すべての食器を洗い終わったときは

くったくたになって、私は座り込んでしまった・・・


第184話 仕事疲れの朝

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