【第208話】

在庫一個限り


不思議な夢を見た。

神秘的な夢。


水辺にただずむ女性はいったい誰だったんだろう?



一日分寝たと思ったけれど、

外を見ても夜だからわからない。


最初に、防具屋にいく前に

酒場にいくことにするかどうか迷った。

情報集めに、酒場にはいろいろな人が集まるから、

伝説の武器防具の情報をあつめたいし

もしかしたらこの街にあるかもしれない。


だが、やはり盾がないことに不安があり、

いつおそわれても戦えるようにはしておきたい。

そのため、先の防具屋に行くことにした。


砂漠の街ドムドーラは文字どおり、

砂漠の中にある町で、

見た目も他の町とは違う雰囲気だった。


そうだな・・・・イシスに近いかも。




「あの・・・・・すいません」


「いらっしゃい」


不愛想なおじさんの声が店の中から聞こえてくる。


「防具を見せて欲しいんですけれど」


「何をお求めかな?」


「ラダトームから噂をきき、

 ここには、魔法の力を帯びている力の盾があると

 聞いたので」


「力の盾?

 あぁ・・・・・あるよ。

 あと、1個だけ、在庫があるはずだ。

 しかし、お客さん、これは・・・・・

 ちょっと値がはるよ。


 お嬢さんのような子が買えるような値段じゃないよ」


お嬢さんなんて呼ぶのやめてよぉ


「・・・・・いくらですか?」


「1個しかないから、30000Gだ」


高い・・・・・・・・


「あの・・・・・・まけて・・・」


「ダメだ。

 まけることはできない。

 うちも商売なんでな」


うえぇ~ん~

とりつく暇もありゃしない。


「そりゃ、うちだって、まけたいのは山々なんだよ。

 ただ、お嬢ちゃんも戦士ならわかるだろう?

 力の盾は、貴重な盾だし、そう簡単には作ることができない。


 特殊な金属で、盾をひきのばし、

 僧侶と魔法使いの魔法によって、

 スカラとベホイミを封じ込めるが、

 うまくいくのは数十個に一つ。

 本当に貴重な盾なんだ」


まぁ・・・・そうだろうな・・・・

魔法の盾なんか、そうそう売っているわけないしさ。

う~ん・・・・・・・



第209話 交換条件

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