【第211話】

尊敬と恐怖


ドムドーラで力の盾を手にいれた私は

吟遊詩人ガライに会うことにした。


ガライはアレフガルド中をまわっているから

もしかしたら行方のしれない伝説の武器防具のありかを

知っているかもしれない。



ドムドーラで水を水筒につめ、適度な食料を買い

再度砂漠を横断する。


魔物たちに遭遇したが、魔王の影のような強敵にはあうことがなく、

攻撃、回復をできるだけ、魔法にたよらず

稲妻の剣と力の盾を使う戦いにより、

意外に楽にラダトームに戻ることができた。

力の盾は文字どおり、力をあたえてくれて

傷をいやしてくれるものだった。


ラダトームの街で、砂漠でつかった水などを補給し、

ガライに関する情報を集めてみた。

結構ラダトームでも知られている詩人のようだった。


ラダトームの北西にガライの家があるということがわかった。

だが、そのガライの家にはあまり人が近づかないらしい。

私はその理由を街の一人に聞いてみた。


「なぜ、ガライの家に近づかないかって?」


「えぇ・・・・・・・・・」


「それは、ガライが不思議な力をもっているからじゃよ」


「不思議な力?」


「ガライは、銀の竪琴というこの世に1つとない、

 美しい竪琴をもっておる。

 その竪琴で歌われた唄はあまりの美しさに

 魔物をも惹きつけるつけると言う。


 だが、魔物を好む人間がおるだろうか?


 ガライは、吟遊詩人として尊敬の対象でもあるが、

 恐怖の対象でもあるのだ。

 だから、ガライの家には誰にも近づこうとしないのだ」





第212話 暗闇の森

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