【第221話】

5つの首をもつもの


沈黙の洞窟に閉じ込められた私。

傷口を回復しようにも魔法も使えない。

とにかく先に進むしかない。


しばらく先に進むと広間に出た。

先ほど戦ったトロルに似ている化け物の3倍は大きい。



あれは・・・・・ヤマタのオロチ?

ジパングで戦ったヤマタのオロチ?


いや・・・・しかし、ヤマタのオロチは、

首が8本だったのに対し、

こいつは5本だ。


5本の首をもつ化け物は私を見つけると

のそりと立ち上がる。


そして、目がきらめくと同時に2本の首が

炎のブレスを吐き出した。


とっさに呪文を使おうとするが、

使えないことに気がつく。


普段なら、ベキラマでも使い、炎や吹雪を相殺するのだが

ないものをねだっても仕方がない。


力の盾をかざして、とっさに身を守る。


うっ・・・・・すごい熱量だ・・・・・・

蒸気がたちのぼる。


体のあちこちにやけどをする。

が、同時に力の盾が私の傷をいやしてくれ、

どうにか致命傷にならずにすんでいた。


炎がとぎれたあと、残りの3本の首が私を食いころそうと

同時に襲いかかる。


私はその一瞬を見逃さず、

跳躍して、一本の首にのりうつり、稲妻の剣で切り裂く。


魔法の剣は、ドラゴン族特有の硬いうろこをはじきかえし、

深々と傷をおわせる。


すると、そのやまたのおろちもどきは

のたうちまわるどころか、

傷ついた一本の首を他の首が食いちぎり

傷ついた首を切り離した。


なんて奴なの・・・・・


あまりの光景に絶句していると

残りの3本の首が同時に炎を吐いてきた

横に転がりこむように飛び

直撃をさけるが、地面にあたった炎の粉が

私をおそって確実に私の命をけずる。


強い・・・・・


第222話 ヒドラ戦

前ページ:第220話 「先へ進め」に戻ります

目次に戻ります

ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります