【第231話】

無邪気な質問


無事にマイラの村についた私。

マイラの村のあちこちには、

湯気がでている泉がたくさんあった。

どうやら、マイラの村は、温泉地としての

観光地でもあるみたいだ。



「ねぇ、チェルト」


「ん?」


「なんで、この泉からは煙がでているの?」


はぐりんはきょろきょろした目で

ものめずらしいものを見るように

温泉を見ている。


そっか・・・・

はぐりんは、温泉なんか、見たことないものね。


もしかして、お湯とかも、わからないかも?


だって、水を熱でわかすなんて、

人間くらいしかしないもの。


「お湯ってわかる?」


「わかんなぁ~い」


「水をあっためるとね、その温度がどんどんあがっていくのね。

 それがお湯っていって、

 水は液体なんだけれど、それが気体になるから、

 湯気っていって、この煙みたいのが出るわけ」


「ふぅ~ん・・・・・

 じゃぁ、どこかで、大きな水たまりを

 メラとか使って水をあっためている人がいるのかなぁ」


はぐりんがかわいらしい無邪気な疑問を思い浮かべる。


「温泉っていうのは、もともと、あったかいのよ。

 水がたまる理由はいろいろあると思うけれど

 雨がふってたまることもあるけれど、

 沸き水っていうのもあるでしょ?」


「うん」


「地面から沸き水がでるときに、

 地面の熱で、たとえば近くに火山などがあって、

 あったまってそれがそのままお湯になって出てくることがあるのよ」


「へぇ~

 チェルト物知りだね!」


「まかせなさい・・・・こう見えても私は、雑学は詳しいんだから」


はぐりんに、ちょっと自慢気に話した。


「で、人間はお湯を何に使うの?」


「え?」


「それに、このお湯の泉は何に使うの?」


「ええと・・・・」


「それにそれにぃ~

 なんで、あの泉に人間が裸で入っているの??」


「だから・・・・・」


「あとさぁ~

 水は普通透明なのに、なんで、このお湯は色がついてるの???」


はぐりんはたたみかけるように

どんどん質問をあびせかけた。


第232話 お湯の文化

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