【第260話】
囚われの身
メルキドが、魔物達の手に落ちたかどうかがわからなかったため、私たちは消え去り草をつかって、メルキドの門にたどり着いた。人間の兵士達が、門にたっていたため、まだ魔物に落ちていないと予測をたてて、戻ろうとしたのだが・・・当然ながら、急に姿を現した私たちは、兵士に疑われる結果になった。
「やい、離しやがれ!
俺達のどこが魔物に見えるんだ!」
「カンダタ、静かにしなさいよ・・・・」
案の定、兵士達には私達が魔物だと疑いをかけられ、囚われの身になった。
カンダタは、最初暴れ、反抗したが、彼をたしなめ、逆に反抗しないで、素直にしたがって、事情を話したほうがいいと思った。
私達は、数人の兵士達に囲まれ、連行された。
どこに連行されるかわからないけれど・・・
街中を見ると、どこも武装した人でいっぱいだ。戦乱の世の中だから仕方ないけれど、ドムドーラなどの町とは程遠く、殺気だった雰囲気をうけた。
また、気がついたことは、武装についてが、各々がバラバラだった。もともとアレフガルドには、城がラダトームにしかないから、騎士や兵士と呼ばれるものが少ないのかもしれない。
しばらく、兵士達に歩かされていると、別の兵士集団とすれ違う。その兵士集団の先頭にいる兵士が、私たちを連行した兵士に話しかけてきた。
「どうした?」
「はい、実は、魔物と疑わしい奴らがいまして」
その兵士が、私とカンダタを見る。
「あ!」
その兵士に見覚えがあった。ラダトーム城の武器庫の兵士であり、先日と、ラダトームの城で、盗賊の脱走騒ぎでも顔見知りの兵士だった。
「チェルト様!
それに、カンダタ!」
あちらの兵士も私のことを覚えていた。カンダタもラダトーム脱走騒ぎのことで顔を覚えられていた。
どうやら・・・・・誤解はとけそうね。
第261話 魔物の系列
前ページ:第259話 「閉ざされた門」に戻ります
目次に戻ります
ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります