新たなる決意
すごい有様だった。
腕がもぎとらえて、前乗りに倒れている戦士、
食いちぎられていて、はらわたが出ている女の人、
首のない子供など、直視できない光景が広がっていた。
そして辺りは人間の死体の腐敗臭に包まれていていた・・・・・・・
もちろん、死体を埋葬するためのものだ。
朝から掘り続け、手にまめを作りながら、少し休んでは、
また穴を掘る。その単純な動作を何も考えず、ひたすら繰り返した。
「今の私にはこれぐらいしかしてあげられない・・・・・・・」
「ふぅ・・・・」 私は、膝を抱えてうずくまった。
物音、一つ聞こえない、静かな街、テドン。
「今まで、いろいろあったわ・・・・・・」
でも、今日ほど、衝撃を受けたことはなかった。
なぜ・・・・なぜ・・・・
罪もない人が、こんな目に遭わなければいけないの・・・・
何故、魔物と人は争うんだろう・・・・・・
アリアハンという国がまだ存在しないほど昔、
人間と魔物、そして妖精は共存していたと言われている。
今の時代ではできないのだろうか?
私はノアニールのアンの事を思い出していた。
彼らは人間と妖精は愛し合うことができるを証明してくれた。
それなのに、結ばれることのなかった二人。
あのときは、母親の反対が原因だったけれど。
そもそも、人間と妖精がいがみ合うこと事態がおかしなことだ。
この世の中のバランスが今崩れようとしている。
バラモス・・・・・
悪の化身。あいつのせいだ。
あいつのせいで、人々がいがみ合い、この街の人々が殺された。
私は、おまえを許さない!
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