【第284話】
炎の柱
メルキドを旅立った私は南に向かいドラゴンロードに向かうことにした。結局メルキドの戦にオルテガという男は間に合わなかった。その人がお父さんなのかそれともまったく別人なのかわからない。しかし確かめたい。ドラゴンロードに向かう足も自然と速くなった。
また私とはぐりんの二人旅になった。ちょっとの間だったけれどカンダタがいた頃はすごくにぎやかだった。はぐりんも陽気な方だけれどやっぱり以前より少し寂しさを感じる。
今はたき火をして野営をしているところだった。野営って言ってもアレフガルドはずっと夜だけれど。ドラゴンロードがあると思われる山が遠くに見えたので、山に登る前に休憩をとっておくべきだと思った。
「カンダタのおじちゃん、大丈夫かなぁ」
「そうだね・・・・ しばらくは動けないと思うけれど・・・・」
はぐりんははぐりんなりにカンダタのことを心配しているのだろうけれど結構気にしていたことを、無邪気にはぐりんがストレートで尋ねたのでぐさっと心にきたのだけれどはぐりんはまだ子供(?)だし、そういう微妙な心遣いっていうのは難しいからね。差し当たりのないように答えた。
「でもやっぱり二人で旅するとちょっと寂しいね」
「そうだねぇ。
でもチェルトのお父さんがこれから行くところに
いるかもしれないでしょ?」
「うん、まだわからないけれど」
「お父さんだったらいいね!」
「うん」
素直にうなずいた。
「そういえば、はぐりん、アレフガルドに以前来たことがある とかつぶやいていたことあったけれど何か思いだした? はぐりんのお父さんとかお母さんとか」
「う~ん・・・・
よくわかんない」
くりくりした目がそれなりに悩んだ顔になったのだがやっぱり思い出せないみたい。
「そう・・・・ 残念だね・・・・・」
そう言って仰向けに根っころがる。上を見ると真っ暗。アリアハンなら星空でも見えるのだろうけれどここは大魔王ゾーマの魔力によって夜に変えられたアレフガルド。空は不気味な雲がいつも渦巻いている。
「はぁ・・・・今日はここで一休みしようか・・・・」
そうはぐりんに提案して、目を閉じようとしたときだった。突然地震がおきた。かなり大きい。そしてその地震と同時に遠くの山で炎の柱が見えた。
驚いてその様子を見ている私とはぐりん。
「あれは・・・・・・自然の炎じゃない・・・・・ それにドラゴンロードの方向みたい・・・・・」
火山の噴火はガイアの剣を火口に投げたときに本物を見ている。あれは火山の噴火ではない・・・・
ではあの炎は・・・・・
「はぐりん!」
「うん!」
私達は炎の柱の方角にかけだした。
第285話 ドラゴンロード
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