【第320話】
右か?左か?
塔に入り、襲ってきた魔物を二匹倒した私。いきなりメラゾーマの洗礼をうけた。魔王バラモスが使った極大魔法を一介の敵が使ってくるとは思わなかった。ここに住みついているモンスターの強さが伺えた。私は慎重に塔の中を探索することにした。
海岸にいた軍船の人がこの塔に入ったのだろうか。死体はまだ新しかったことから、もしかしたらまだこの中で戦っている人がいる可能性がある。ここがルビスの塔であれば、目指すルビス様はきっと最上階に囚われているのかもしれない。
しかしさっき倒したような強力な魔物がたくさん住みついているとしたらいくら歴戦の戦士がこの塔に挑んでも最上階にはたどり着けないように感じた。
今、二匹の倒した魔物と人間の死体が置かれているのは中規模の部屋ですぐ先にまた扉があった。その扉に手をかけて静かにあける。すると、左右に通路があった。
右の通路は、明かりが灯されている。一方、左の通路はまったく明かりがなく、先が見えない暗闇だった。右と左、どちらに進もうか。普通に考えたら、右だ。
暗闇は敵が攻撃をするには絶好の場所だろうしもしかしてトラップがあるかもしれない。左が正しい道かもかもしれないが、まずは明かりがある右の通路から行っていることにした。いつ襲われても反撃できるように稲妻の剣は抜刀したままで、勇者の盾をしっかりとかまえる。するとまた扉につきあたった。
「開けるしか・・・・ないよね」
扉を静かに開けると暗闇だった。中からはムッとする血生臭いが・・・・そして扉が締まる音がした。
「トラップ!?」
私の声が部屋に響き渡ると同時に獣の叫び声が聞こえた。しかも複数の叫び声が。辺りはまったく何も見えない。暗闇の中での戦いは自殺行為。どうする・・・・
第321話 暗闇の戦い
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