【第41話】

やよい


や、やったわ!

ついに、やまたのおろちを倒した!

ほっとして、自分の体を見てみると

恐ろしいほど、あちこちから出血している・・・・・・・

あれ・・・・・なんか・・・・・気が遠くなってきた・・・・・


気が付いたら、私はベットの中だった。


「ん?ここは・・・・・・」

「お嬢ちゃん、気が付いたかね?」

「あ、あなたは確か、ここに来たときに泊めていただいた・・・・・・・」

「そうだよ。それよりお嬢ちゃん、いや、オルテガ様の

 娘さんだったかねぇ。大丈夫かい?」

心配そうにのぞき込む、おばさん。

「えぇ、体が丈夫なだけが取り柄ですから。

 ほらっ!ほらっ!・・・・・あたたたた・・・・・」

「無理するんじゃないよ、大けがしてるんだから。

 生きているだけでも、不思議だよ」

・・・・・はしゃぎすぎた。

あらためて自分の体を見ると全身包帯だらけで、

ピラミッドで闘ったミイラ男のようだ。

と、部屋の扉の隅から、女の子が私のことを覗いている。

おばさんも気が付いたようで、

「これ、やよい、そんなとこにいないで出ておいで」

やよいと呼ばれた女の子は、もじもじとしながら、

「あ、あの・・・・・具合の方はどうですか?」

と私のことを心配してくれた。

「大丈夫よ。あなたは・・・・・・」

「この子は私の子でねぇ。やまたのおろちの生け贄に

 されるところだったのよ。あんたがあいつを倒してくれたおかげで

 こうやって親子水入らずでいられるよ。ありがとうよ」

「いえ・・・」

「あの・・・・・その・・・・・・ありがとうございます・・・・・」

「この子、おとなしくてねぇ。全く、誰に似たんだか・・・・・・・・」

少なくとも、おばさんに似たんじゃないと思うよ。


第42話 ラーの鏡

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