亡霊の夜
次に原爆ドームを目指すことにした。
もう、夜の11時を過ぎている。
今日、私たち眠ることできるのかしら・・・・・・
唯一、良いことは、ずっと重い荷物を引きずって歩いていたので
体が温まったことくらいだ。
ちょっと暑いくらい。
「と、とりあえず、休もうよ」
「賛成~」
ふぅ・・・・・・・
荷物を下ろし、その上に座り込む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これが原爆ドームなんだ・・・・・・」
「夜だから、あんまりわからないね」
かすかに原爆ドームの中には明かりがついていたが、
夜中と言うこともあり、
間近で見てもよくわからなかった。
さっき、コンビニが見えたから、あそこで適当にご飯買って
今日はさっさと寝よう」
確かにこれじゃ、見学もできなそうだし・・・・」
「・・・・・・・・だめだ、来た時間が悪すぎる・・・・・・・
「・・・・・・・そうねぇ・・・・・・
「でも、これからまた寝床を探すの?」
「えぇ~~動くのやだぁ~」
確かに私もへとへと・・・・
「んじゃ、ここで寝るか?」
「え!?」
「え!?」
「え!?」
どうしたの?」
「ん?
「いやよぉ~~
こんなところで寝るのぉ~」
「霊とかでそうじゃない・・・・・」
「別に、俺、霊とか信じていないし・・・・・」
「で、でもさぁ・・・・・・ここはちょっと・・・・・・」
「これから、寝床探すの大変だぜ・・・・・・・・」
「まぁ・・・・ミディリンの言うことも一理あるわね・・・」
ちょ、ちょっと、ミリーまで!?
「こ、ここで寝たら、き、きっと罰が当たるわよ・・・・」
「ふぅ~ん・・・・・・・・・・・・・・・恐いの?」
ミディリンがにやにやした顔で聞いてきた。
「・・・・・・・・・べ、別に・・・・・・・・・・」
正直言うと・・・・・・・・ここで寝たくない・・・・・・
やだよぉ・・・・・・・・・
しかし、ここで怖がっては、ミディリンにからかわれる・・・・・
「・・・・・・・わ、わたしは・・・・いいけれどさぁ・・・・・
ムーンが・・・・・・・・・ね?ムーン?」
わたし、別にここでいいよ。
コンビニでご飯買ってワンちゃんにあげるの」
「え?
「・・・・・・・決まりだな・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ということで、旅をはじめて1日目
私たちはこともあろうに
原爆ドームの目の前で野宿することになった・・・・・・・
いやぁああぁぁぁぁああ!!!!!