Mission2 「ストローク」

隊長:さて、今回から実際にドラムセットを使って行くワケだが…

隊員:イエッサー! 昨日から楽しみで眠れなかったであります!

隊長:ところでアレ、やっといただろうな? 基礎練。

隊員:イエッサー! もちろんであります!

隊長:よろしい。では今日からドラムの基礎を貴様に叩き込む特別講師を紹介しよう。

隊員:と、特別講師…でありますか?

隊長:その通り。軍曹、入れ。

隊員:……(ぐ…軍曹……やっぱり鬼軍曹っぽい人で激烈に怖い人なのかなぁ…)

軍曹:はいはーい、おっはよーございまぁーす♪

隊員:……(……え?)

隊長:相変わらずだな、軍曹。

軍曹:変えようとして変わるモンでもないですよぅ。ねっ?

隊長:まぁ良い。可愛いから許そう。彼女が今日から貴様の指導を担当する軍曹だ。

軍曹:よろしくねー☆

隊員:………イ、イエッサー……

隊長:では我輩は用事があるので帰る。あぁ、それと隊員、軍曹に手を出さん方がいいぞ?

隊員:手、手を出すなどそんなコトは…(なぜ解ったんだろう…)

隊長:彼女は見ての通り小柄だが、体長4m、体重1tを超えるホッキョクグマを素手で殺せる。下手に手を出すと命はないと思え。

隊員:……イエッサー!!

軍曹:ヤだなぁたいちょーったら。ずっと前の話なのに☆

隊長:では軍曹、くれぐれも殺さん程度に頼む。

軍曹:いえっさー♪

隊員:………………

軍曹:まずはストロークからね。ストロークは何か知ってる?

隊員:知らないであります!

軍曹:んー、じゃあ説明するから腹筋100回♪

隊員:イ…イエッサー!

軍曹:ストロークとゆーのは、要するに「スティックと腕の振り方」の事で、大きく分けて4つです。名前とどんな時使うかは下の表を見てね♪

ストローク名

今出す音

次出す音

腕の振り

フルストローク

上から振り下ろし、上まで振り上げる

ダウンストローク

上から振り下ろし、振り上げない

アップストローク

おろした状態で叩き、上まで振り上げる

タップストローク

おろした状態でたたき、振り上げない

隊員:イエッサー! …と、ところで軍曹、腹筋は…

軍曹:はい頑張ってー♪ あと80回♪

隊員:イエッサー!!

(しばらくそのままでお待ちください)

軍曹:じゃあですねー、とりあえずドラムセットの前に座ってくださいな。

隊員:イエッサー! こんな感じでありますか?

軍曹:座り方は人それぞれで、ドラムスローン(椅子)に深く腰掛ける人と、お尻をひっかける程度の人がいるから、一番楽な姿勢で座った方が良いよ♪

隊員:ところで軍曹、ドラムを叩く時の注意点とかは無いでありますか?

軍曹:注意点? んー…じゃあ私が注意してるコトを教えよっか。

<注意点>

① 満腹時は避ける

② 準備運動、特にストレッチを念入りにする

③ 手首の柔軟運動をしておく

④ 服装は極力動きやすいもので

⑤ カンフーシューズ着用

⑥ スティックにひびが入っていないかをチェック

軍曹:…ってとこかなー。

隊員:あ、あの…これは一体どーゆー理由で?

軍曹:まず①はね、ドラムは全身運動だから満腹の時に叩くと気分悪くなっちゃうの。それでね。

隊員:②~④はわかりますが…⑤のカンフーシューズは一体?

軍曹:……知りたい?(ニヤり)

隊員:(ぞくっ!!)で…出来れば…

軍曹:ほら、カンフーシューズって足の裏が固いゴムでしょ? 滑りやすいのよ。私の場合、『バスドラのダブルストローク』をするときは足を滑らせて叩くから、こっちの方がやりやすいの。それに足にフィットするから楽だしね♪

(これはホントにお勧めです。カンフーシューズは一足1000円~2500くらいで、バスドラムの『ダブルストローク』(二つ打ち)を「足を滑らせて叩く」形式の人はやりやすいと思います。ぜひ試してみてください。ちなみに僕はドラムを叩いてた頃は5年間ずっと福建省産ツバメ印のカンフーシューズを愛用してました♪ 一足980円です()

軍曹:で、⑥はスティックにひびが入ってると…

隊員:折れて危険であります!

軍曹:それもあるけど、まぁスティックは折れて当たり前。消耗品だからそこら辺は気にしないの。ただ、スティックにひびが入ってると叩いたときの感触も違うし、それに音が悪いの。

隊員:消耗品…でありますか……

軍曹:どっかの誰かさんなんて、1ステージでスティック4本も折っちゃった事があるんだよ?

隊員:よ…四本も…?

軍曹:それでねー、あと気をつけるのは『力を抜いて叩くこと』かな。これが一番大事。

隊員:力を『抜く』でありますか? それではパワフリャなドラムは叩けないのでは…

軍曹:初心者ほど力をいれちゃうモノなのよ。それにほら、ドラムは重労働なんだから、力入れて叩いてたら1ステージ持たないよ?

隊員:た、確かに……30分間全力疾走は出来ないであります…

軍曹:長いときは1ステージ1時間くらいあるからねー。それじゃまずは基本のリズム。↓の楽譜どおりに叩いてみて。

隊員:イエッサー!

軍曹:……力入り過ぎだってば(苦笑)

隊員:申し訳ないであります! サー!

軍曹:まずねー、両手両足が全部バラバラ。だからリズムとして成り立ってないの。ドラム叩くときは両手両足が別の動きをするけど、それを統率する「大きなリズム」を体のどこかで取ってないといけないよ。

隊員:…難しいであります……

軍曹:一般的には「リズムは腰で取れ」って言われてるから、2拍のリズムを腰でとって、1拍のリズムを左足で取ると良いよ。どっかの誰かさんもこれでやってるみたいだし。これをやるためには全身をリラックスさせないと出来ないから、力抜いてね。

隊員:イエッサー!!

軍曹:…うん、じゃあただドラムだけ叩いてるのもつまんないから、これにベースを合わせてみるね。

隊員:軍曹がベースを弾くでありますか?

軍曹:うん。ベースの勉強ってドラマーにとっても凄くためになるから、覚えておくと良いよー。ドラムとベースって凄く重要なコンビだからね。

隊員:イエッサー! 勉強になるであります!!

軍曹:じゃあ↓の楽譜の通りに叩いてね。私はその下の楽譜でベース弾くから。

隊員:イエッサー!!

(演奏中…)

軍曹:どう?

隊員:ぐ…軍曹のベースに合わせるので精一杯であります…… 

軍曹:最初はそんなもんよ。で、今回のは8Beatというよりは『実際にドラムを叩くときにどうやって叩くか?』っていう、ホントに根本的なところにとどまっちゃったから、次回からは8Beatのバリエーションとか、テンポによっての叩き方とか、あとは「こーゆー風にすると気持ち良い8Beatになるよ♪」っていうのをやるね☆ じゃあ今日はこれまでっ

隊員:イエッサー! ありがとうございました!!

 

第3回:「スローテンポの8Beatとアップテンポの8Beat」 に進むのぉ。

第1回:「リズム隊とは何かッ!?」に戻るのぉ。

目次に戻るのぉ~

トップページに戻るのぉ~~