エクスクルーシブ講座 2項


さて2項目に来ました まずは前項のおさらいとしまして
前項の「代表的なエクスクルーシブ」をひととおり簡単に書いておきます


GMモードON 「F0h 7Eh 7Fh 09h 01h F7h」

GSリセット 「F0h 41h 10h 42h 12h 40h 00h 7Fh 00h 41h F7h」

XGモードON 「F0h 43h 10h 4Ch 00h 00h 7Eh 00h F7h」

「F0h ~」の小文字の「h」については 16進数表記に用いるだけなので
実際エクスクルーシブ入力画面では打ちこまないで下さい

 

…では2項目いきます

今回はエクスクルーシブの書き方についてです。

これは各シーケンサ(MIDIを打ちこむソフト)によって 条件が変わりますが
もっとも一般的な記述方法で解説させて頂きます

まずエクスクルーシブは前項の通り 16進数を使って記述します
ソフトによっては10進数で記述するものや 直接選ぶものもあります…
それではRolandの「リバーブマクロ」を例に解説しましょう

(※リバーブマクロ…音の響き具合を細かく設定するステータス)

 
リバーブ・タイプ F0h 41h 10h 42h 12h 40h 01h 30h 05h 0Ah F7h

◆ 1. エクスクルーシブ・ステータス 「F0h」

…エクスクルーシブの始まりを示します
ここから「9.エンド・オブ・エクスクルーシブ」までが1つの
エクスクルーシブとなります

ちなみにカモンミュージック社のレコンポーザでは この表記は省かれています
(SSWも省かれていたと聞きました)

(※レコンポーザ・SSW=シンガーソングライターはMIDIを作るソフト=シーケンサのことです
他にはケークウォーク・XGWorksなどあります)

 

◆ 2. メーカーID 「41h」

…演奏する音源のメーカーを示し 41hはRolandを表します
これから「9.エンド・オブ・エクスクルーシブ」までのパラメーターは全て
Roland独自の形式のデータになります

ちなみに ヤマハは「43h」 コルグは「42h」 カワイは「40h」 カシオは「44h」
となります

 

◆ 3. デバイスID 「10h」

…同一のMIDI系統内で複数のGS音源を使う場合 各音源のデバイスIDを変更
しておくことで 個別にエクスクルーシブを送ることが可能になります
まぁ大体が音源を複数使って打ちこみをすることなどはないので
通常の「10h」を使うのをオススメします

デバイスIDを変える場合は 音源本体の操作で変更できます
その場合エクスクルーシブのデバイスIDも その変更した値にしないといけません
つまり本体の設定に依存するということになりますね

 

◆ 4. モデルID 「42h」

…機種を示すIDです 基本的にRolandでは「42h(GS音源の意味)」を使います
例外的に後に記述する「ディスプレイレター」などには「45h(液晶つき音源の意味)」
を使う場合もあります

 

◆ 5. コマンドID 「12h」

…このエクスクルーシブの働き方を示します
この「12h」は「GS音源にデータを送る」と言う意味になるので
デバイスIDと一緒で この数字さえ覚えておけば間違いはないでしょう

 

◆ 6. アドレス 「40h 00h 7Fh」

…Rolandの固有エクスクルーシブは音源を制御する個々の機能に
番号(これをアドレスという)を持たせて それらにあわせてデータを送るように出来ています


この例の「40h 01h 30h」はリバーブマクロのリバーブ・タイプ設定をするという命令です
これは他の各エクスクルーシブにも共通して アドレスは3バイトで構成されています
(パラメータが3つあるので 合計3バイトです …ただし例外もあります)

(※リバーブタイプ…音の響く空間の種類 Hall1・2やRoom・Plateなどがある)

 

◆ 7. データ 「05h」

…指定したアドレスの機能に対する値です ほとんどのエクスクルーシブでは
「00h → 使用する」
「01h → 使用しない」 …等
「00h~7Fhの値 → 0~127の値」 …等
と言ったような記述が多く見られます

このリバーブ・タイプのデータ部分は 「00h~06hの値」を選ぶようになっています
「05h」は「リバーブ・タイプをPlateに設定する」と言う意味で
「03h」では「リバーブ・タイプをHall1に設定する」といった意味になります
つまり「00h~06hまでを選ぶ」ということです

要はあまり気にしないで インプリ(後に記述します)の通りに
打ちこむとなにも問題ないということです

 

◆ 8. チェックサム 「0Ah」

…このエクスクルーシブの内容が正しく記述されているのかを
チェックする為のパラメータです
GS音源では 「1~7」までの音源に送ったパラメータと この数値を照らし合わせて
一致しない場合には音源にこのエクスクルーシブを反映させないようにして
誤動作を防ぐようにしています

チェックサムはそれぞれエクスクルーシブによって違うので
計算をしないと割り出せないですが シーケンサによっては計算してくれるものも
あります(レコンポーザ・歩くケーキなど) その計算方法は後に記述します

 

◆ 9. エンド・オブ・エクスクルーシブ 「F7h」

…エクスクルーシブの終わりを示します
ちょうど「1.エクスクルーシブ・ステータス」の対になるものです
シーケンサによっては省略されているものもありますし
書かないといけないものもあります



…ということで各パラメータの役割は理解できたでしょうか!?
これがエクスクルーシブで一番肝心なところなので 十分理解した上でさきほど出てきました
「チェックサムの計算方法」「インプリについて」を エクスクルーシブ講座 3項で解説致します
では3項へ移動しましょう


第1項  第3項

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