このあたりの魔物はそう強くないからいいが、念のためたき火は絶やさないよう
にしておく。僕は父さんとの経験があるが、ヘンリーは野宿は初めてだ。
まあ、馬車の中はあそこよりはましだし、暖もとれるので心配はないだろう。
早起きすれば、一日でラインハットにつけるかもしれない。ヘンリーを送り届け
たら、サンタローズに帰ろう。
あたりは懐かしい風景だ。とはいえ、ここには6歳の頃のたった数日間の思い出
しかない。
父さんと旅に出る前は幼すぎてよく覚えてないからだ。
これからサンタローズへ向かう。
サンタローズは廃虚になっていた。あの事件の責任が父さんのせいという事にな
って、ここが焼き討ちされたらしい。あのとき僕が城へ戻っていたら、、、と思
う。もうとり返しはつかないが、悲しい。
何人かはまだ残っていたけれど、再建の見込みはいまだに無い。アルパカに行っ
た人もいるようだ。
以前洞窟で父さんの舟を見掛けたと書いたけれど、それと関連するのだろうか、
父さんの知り合いというおじいさんが、洞窟について話をしてくれた。明日行く。
教会も残っていて、冒険の書を記入してもらいに行ってきた。僕の記録がすべて
あの中に封じられていると思うと複雑な気がする。