五月十二日

兵士の報告とサンチョの記憶を頼りに、大陸沿岸の巨大洞窟を捜している。
父さんは若い頃このあたりを旅したようだ。遭難してサンチョとはぐれ、かなりたっ てから母さんのマーサをつれて発見されたという。

帆船がゆうに入る巨大洞窟を通ったことを父さんが語るのをサンチョが憶えてい た。エルヘブンを内陸で発見した兵士の報告とも矛盾はしない。




五月二十日

海が荒れてきた。嵐が近いかもしれないので、昨日の夜見かけた湾まで戻ること にする。
五月二十一日

朝になって、捜していた洞窟のすぐ近くにいたことが分かった。落石で、どうに か船が入りそうなくらいに入り口が狭くなっていたし、この前は夜だったので気 がつかなかった。
入り口を爆破して中に入った。

広いのは広いが、上に向かって狭まっているので帆げたが心配だ。操舵手は緊張 の連続だ。まわりは暗いので小船を出して先導させている。たいまつの小さな光が唯一の頼りだ。
しかし、その光が魔物を引き寄せてしまう。今のところ怪我人はでていないが、 あまり危険なことをさせるわけにもいかない。

とりあえず今は錨を下ろして対策を練っている。

五月二十二日

ここは神殿のようだ。ところどころ階段があったりして、人工のものが見える。

先導船に聖水を持たせるようにしてから効率が上がった。もうかなたに星が見え るところまで来た。みんな緊張でつかれきっているので、今は休んでいる。

背後の方に巨大な大扉が見える。なんともいえない、不気味な気配を感じたので 近づかないように言ったが、どうも気になる。


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