帆船がゆうに入る巨大洞窟を通ったことを父さんが語るのをサンチョが憶えてい た。エルヘブンを内陸で発見した兵士の報告とも矛盾はしない。
広いのは広いが、上に向かって狭まっているので帆げたが心配だ。操舵手は緊張 の連続だ。まわりは暗いので小船を出して先導させている。たいまつの小さな光が唯一の頼りだ。 しかし、その光が魔物を引き寄せてしまう。今のところ怪我人はでていないが、 あまり危険なことをさせるわけにもいかない。
とりあえず今は錨を下ろして対策を練っている。
先導船に聖水を持たせるようにしてから効率が上がった。もうかなたに星が見え るところまで来た。みんな緊張でつかれきっているので、今は休んでいる。
背後の方に巨大な大扉が見える。なんともいえない、不気味な気配を感じたので 近づかないように言ったが、どうも気になる。