サンタローズにはかすかに再建の兆しが見えてきた。もう知っている人はほとん どいないけれど、少しだけ嬉しい。
息子のコリンズ王子もヘンリーそっくりだ。というより、ほとんどそのままとい っていい。子供たちも今日は随分と翻弄されたようだ。
妖精の話をすると、マリアさんが宴の席で妖精の歌というのを聞かせてくれた。
これは今まで聞いたことの無いものだ。よく聞くと、修道院にいた頃に、院長か
ら聞いたという。
明日あの修道院に行ってみよう。
たった一日とはいえ、彼らに会えたのは懐かしい。ビアンカや父さんも加えて、
もう一度みんなで旅をしてみたかった。