ラインハットはいい国になった。ヘンリーとデールはいい政治をしているようだ。
顔を見せるとヘンリーは本当に驚いたようだった。夜までいろいろともてなして
くれた。
僕が石になっていた八年のあいだ、随分心配してくれたようだ。「八年分の若さを手に入れたわけだ」と、皮肉をいわれる。マリアにたしなめられてすぐに失言と謝ったけれども、まあヘンリーだからこれは許す。
こういうところもヘンリーらしい。
息子のコリンズ王子もヘンリーそっくりだ。というより、ほとんどそのままとい
っていい。子供たちも今日は随分と翻弄されたようだ。
妖精の話をすると、マリアさんが宴の席で妖精の歌というのを聞かせてくれた。
これは今まで聞いたことの無いものだ。よく聞くと、修道院にいた頃に、院長か
ら聞いたという。
明日あの修道院に行ってみよう。
たった一日とはいえ、彼らに会えたのは懐かしい。ビアンカや父さんも加えて、
もう一度みんなで旅をしてみたかった。