六月十九日

結局収穫なくサラボナに戻ってきた。

ルドマンさんが自分の乳母や町の吟遊詩人たちを呼んで、妖精に関して色々調べ てくれた。アンディのおじいさんが、妖精なら森の奥深くに行かなくてはならないと忠告してくれる。

このあたりの地図を広げて、一番ありそうなところを調べてみると、ここから真 東に美しい湖があるという。ここを中心に探索してみることにする。

そう言えば、アンディは無事、フローラと結婚できたようだ。いい夫婦になるだ ろう。
フローラはビアンカのことをとても気にかけていた。もう一度会いたいと。僕も 会いたい。



戻ってくる途中、爆弾岩が仲間になった。ロッキーとか言うらしい。どう扱った らいいのか困っている。今までに無いタイプの戦い方をする。とりあえず育てて みようと思うけれども、馬車に乗りきれるだろうか?

六月二十一日

湖のあたりは捜し尽くしたが、見つからない。このまま捜索の輪を広げるには人 手が足りないので、北に進むか南かで話し合っている。

子供たちはより奥地の南を提案しているが、サンチョやピエールが反対している。
最終的に僕の独断と勘で、南へ進むことにした。

六月二十二日

勘は的中した。それらしい雰囲気を感じる。けれども、その感じ方は鈍く、昔の ような、爽快さみたいなものはあまり伝わってこない。自分の感覚が衰えたのだ ろうか。

妖精の森に入ったというのは、入る瞬間、確かに分かった。まわりの森と、明ら かに違っている。だが、今日はもう遅い。早めにキャンプを張る。

森の入り口でメガザルロックを仲間にした。倒したと思ったが、後ろからごろご ろと転がって勝手についてくる。ピエールがどうも仲間になりたいらしいという のでパーティーに加える。メガーザというらしい。
ピエールに輪をかけて無口だが、なかなかお茶目なようだ。子供たちが歩きまわるのにあわせて転がっている。
これまたロッキーと同じくどう扱っていいのか分からない。二匹が馬車の後をご ろごろ転がって行く姿はかなり異様だ。妖精は逃げてしまうんじゃないだろうか?


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