七月三日

天空城では誰も見送ってくれなかった! 後はよろしくというつもりらしい。ち ぇっ。

ボブルの塔についた。下の階はすべてふさがれている。天空城からの観察による と、屋上から進入できるようだ。明日の朝、攻略を試みる。
ロッキーとメガーザもついてくるつもりらしい。いったいどうやって上り下りす るつもりなのかは分からないが、一応編成に加える。

七月四日

何がどうなっているのかは分からないが、あの二匹はどうにか屋上まで上ってき た。
塔のような屋内では、二匹の威圧感のある巨体は絶大な威力がある。狭い通路一 杯にごろごろと転がって行くと、たいていの魔物は武器や道具を放り出して逃げ てしまう。

と、ロッキーが命令もしていないのにいきなりメガンテをして自爆。メガーザが あわせてメガザルで自爆。もう一度ロッキーが自爆する。
戦闘後すぐに二匹ともザオラルで生き返らせると、今度は吹き抜けから落ちてい った。
どうやら賢さが足りないようだ。


まだ昼間だが、一階の扉を開いたところで今日は休む。この塔の司祭が倒れてい て、塔が魔物に占領される時の様子を語った。どうも危険な感じがする。体力を 温存していった方がいいかもしれない。

七月五日

信じられない!父さんの仇の一人がいた!あまりに突然だったので、はじめは気 がつかなかった。どうにか倒したが、もう呪文が使えないほど疲れている。いっ たん回復剤を取りに馬車まで戻ってきた。
おそらく、最後の一人もいるに違いない。これからもう一度地下へ降りる。 生きていたら、夜にこの続きを書く。






「私のことを憶えているか憶えていないか、そんな事はどうでもいい」と言った。 憶えていないわけはない。この目に、瞼に、脳裏にしっかり焼き付いている。

戦いは長期戦になった。魔法戦よりもむしろ肉弾戦だった。焼けつく息をかわし ながら切りかかり、激しい炎に必死で耐えた。何度か体を麻痺させられて覚悟を 決めたけれど、絶妙のタイミングで仲間が救ってくれた。そしてとどめをさした。 あいつは死んだ。仇を討った!



馬車に戻ってきてもまだ信じられなかった。とにかく疲れていたので倒れこんで、 しばらく死んだように眠っていた。目が覚めるとまだ夜だった。星が明るい。
馬車のむこうでサンチョが泣いているのが聞こえる。


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