【第105話】

一人目の犠牲者


巨大ムカデが三匹現れ、俺とゼネテスで傷をおわせ

親方がしとめた。


しかし仲間が突然砂にひきこまれた。




あっという間だった。

親方がとっさにかけより、砂に剣を刺したが

手応えはなかったようだ。


「むぅ・・・」


親方は剣を砂から引き抜いた。


「・・・もう駄目か?」


ゼネテスが親方に話しかける。


「あやつも無事ではすまないだろうが、

 やむを得ない。砂に電流を流す」


そう言うと親方は再度剣を突き刺し、気合を発した。


雷神の剣は輝き、光が地面に吸い込まれた。

かすかに俺達にも電流が流れ、軽く体がしびれる。


”グギャァア!!!!”


砂に隠れていた巨大ムカデが悲鳴をあげ、姿をあらわした。

その口には仲間の上半身が加えこまれていた。

下半身は既に食べられ、絶命しているの明らかだった。


目の前で仲間が食べられる姿に吐き気をもよおすが

しとめないわけにはいかない。


俺とゼネテスが四体目のムカデに向かって

剣を振るった。


俺の一撃がとどめとなり、大ムカデは砂煙をあげて倒れた。

ちょうど三体目も仲間達によって倒されたところだ。


「さっそく犠牲者がでたか・・・」


親方がつぶやく。


慣れない砂漠に、初めて見る魔物。

バラモスによって凶暴化された魔物達との戦いは予想以上につらそうだ。

もしかしたら、先ほど食われていたのは俺だったかもしれない。


俺やゼネテスは他のものと違って戦士系の鎧で武装をしているので

一瞬で絶命することはないだろうが、これでは命がいくつあっても足りない。

いまさらながら、俺達は今までにない危険地帯に足を踏み入れることを実感した。


第106話 野営

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