【第107話】

禁断の呪文


バラモスにはなく、私にはあった物。

運ではない。

人々の願いと希望。

人に信頼されているからこそ、

力を限界以上まで引き出すことができるのだ。


「今度、あなたが生まれてくるときは

 光に生まれてきなさい。

(はぐりんのように・・・・・・・・・・)」


「くっ・・・・・・なめるなぁ!!!」


バラモスが最後の力を振り絞って立ち上がってきた。


「やめなさい・・・・

 今のあなたではどうにもならないわ」


「小娘・・・・・・・貴様も道連れにしてやるわ・・・・・

 このバラモス様の最高の奥義でな・・・・・・」


「最大の奥義?」


「まさか、この呪文を使うことになるとはな・・・・・・・

 私を怒らしたことを地獄で後悔するがいい!

 メ・ガ・ン・テ!」


「その呪文は!」


自分の命と引き替えに相手の体を粉々にする禁断の呪文!

私はとっさに身を固くした。

魔法は自分の精神力を高まれば影響を和らげることができる。

だが、バラモスが使うメガンテを

防ぎきる自信は・・・・・・ない・・・・・・



ゆっくりと目を開ける・・・・

何も起きない?

やっ、やったの?


第108話 歪んだ心

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