【第119話】

忘れられた冠


はぐりんに道具袋に入ってもらおうと思ったとき、

道具袋の奥底に入っていた1つの冠を見つけた。

あっ

(あっ・・・・・じゃない・・・・)



・・・・・・金の冠・・・・・・・


旅だってすぐ、バラモスの情報を集めようと思ったとき

大国ロマリアに行くことになったんだけれど

そのとき、ロマリアの王様にカンダタという盗賊退治を

どさくさに紛れて、頼み込まれてしまったのだ。

(なんで、私が行かなければいけないのよ)


その盗賊から、取り返したのは良かったんだけれど

そのまま、北に進み、ノアニールや、エルフの隠れ里にいって・・・・・・

・・・・・・・すっかりわすれていた・・・・・・


や、やっぱり、返した方がいいわよね・・・・


「はぐりん、ちょっと予定変更。

 家に帰る前に、ちょっと寄るところあるの」


「いいよぉ~別に」


体力の回復した私は、瞬間移動魔法ルーラで

ロマリアへ、行くことにした。


「おぉ~

 よくぞ、戻ったチェルトよ。

  ほ・ん・と・う・に久しぶり じゃのぉ~」


うっ・・・・・・・・

皮肉っぽい言い方・・・・


「お、お久しぶりでございます、王様・・・・・・・

 第4話以来でございます・・・・」


「なんじゃ、その「第4話」というのは」


「い、いえ・・・・・・・・・・」

(余計なこと言っちゃった・・・・・)


それにしてもかなり怒っていらっいます?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

こめかみ、ぴくぴくしているぅ・・・・・

きゃぁああぁぁ~~


こ、この無言に間に耐えられない・・・・・


「王様、ご、ごめんなさい!!!

 実は、忘れていたわけではないんです・・・・・

 なのですが・・・・・・・

 その・・・・・あのですね・・・・・・ゴニョゴニョ


「・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・フフフ・・・・

 ハハハ!!!


きゃっ!

な、なによぉ・・・・・突然・・・・・・・・


「よい、よい!

 お主の言いたいことはわかっておる」


「・・・・・・・・・」


「金の冠のことじゃろ?」


「はい・・・・」


「あれはじゃな、お前を試すためにただ言っただけなのじゃ」


「えっ?」


どういうこと?


「実はなぁ・・・・その冠、偽物なのじゃ」


「ええ!?」


「わしからの最初の試練とでも言おうか。

 いきなり、お主をバラモス退治に

 いかせるのもどうかと思ってのう。

 しかし、まったく知らせがないので、どうなったことかと思ったが、

 見事、バラモスを倒したとはのぉ~

 あっぱれじゃ!」


なに・・・・・じゃぁ、わたしは試されたわけなの?


・・・・・・あっぱれじゃないわよ・・・・・

そのため・・・・・

わたしは・・・・・わたしは・・・・


ガーターベルトと革の腰巻きを

つける運命になったというのよぉ~

もぉおぉ~~


第120話 素直な顔

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