【第120話】

素直な顔


なんだったのよぉ・・・・・

あんなに恥ずかしい思いして

(別にあの格好しなくても良かったんだけれど)

苦労して、金の冠取りに行ったのに、偽物だったなんて・・・・

そんな、余計なやっかいごと、押しつけないでよぉ。


まぁ、こっちもすっかり忘れていたから、

あまり、怒れない立場だけれど・・・

ちょっとふてくされてしまった私。



「さて、チェルトよ」


「なんですかぁ?」


「これ、そんなにふてくされるでない」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


だってぇ~~


「ところで、チェルト、これから、お主はどうするのじゃ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・

 バラモスを退治したことを

 知っているとは思うのですが、

 直にアリアハン王に伝えておきたいと思います」


「まぁ、そうあせるでない。

 ちょっとゆっくりしていかんかい。

 ロマリアでも、バラモス退治記念で、国総出で

 祝うのでなぁ。

 その宴にお主も出席して欲しいのじゃ」


う~ん・・・・・・・・

引き留めてくれるのはうれしいんだけれど

早く、家に帰りたいのよねぇ・・・・・


「どうじゃ、出てくれんか?

 やはり主役がいないとのぉ~」


お母さんに早く会いたいし・・・・


「チェルトよ・・・・・・お主は、すぐに顔に出るのぉ・・・・」


「え?」


「顔が帰りたいと言っているぞ」


「・・・・・・・・・そ、そんな・・・・こと・・・・

 ありませんわ・・・・・・」


と、つい言ってしまった。


「お?そうなのか?

 おぉ~!!!そうか!!!

 嫌でないのなら、宴に出てもらおうかのぉ~

 ホホホ!」


し、しまった・・・・・

はめられた・・・・・・


「い、いや、ですから・・・・・」


「さぁ、宴じゃ、みなのもの、今宵は楽しい夜になるぞ!」


あぁ・・・・・・・・


第121話 久々のドレス

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