演技
群衆に見つかり、もみくちゃにされてしまったわたし。
いっこうにこの騒ぎが収まる様子がない・・・・・
しかたない・・・・・
この手で行くか・・・・
といって、ふらっと、倒れかける。
「チェ、チェルト様!!!」
「どうなさいましたか!?」
「い、いえ・・・・・・・ちょっとあまりの暑さに、
めまいが・・・・・・・・
何か、冷たい物が飲みたいわ・・・・・」
「今、私がおもちします!」
「いや、わたしが!!!」
「それと、涼しいところで休みたいの・・・・・・
どこか、落ち着けるところないかしら・・・・」
どうにか、まいた・・・・・
あのあと、近くにあった喫茶店に連れていってもらったの。
そこのお店の中で、お化粧室に行くと言い
その中で隠し持っていた普段着に着替えて、窓からエスケイプ。
これじゃ、泥棒じゃない・・・・・
でも、我ながら、かわいらしく演技できたと思う。
フフフ・・・・・私、演劇とかできるかしら?
んなぁんて、悠長なことを言っている場合ではない!
はやく、あの気まぐれな王様を見つけないと・・・・
さっきは、ドレスを着ていたので明らかに女王様だとばれてしまったが、
私の顔が一般の人にそんなに知られている訳でないので
私服での町の人の聞き込みは、結構たやすかった。
とはいえ、道具屋、武器屋、防具屋、宿屋などいろいろなところを
探し回っていたが、王様の情報が1つも手に入らなかった。
酒場は、まだこの時間、やっていないし・・・・・
どこに行ったのよ・・・・・
あと、人が集まるところと言うと・・・・
ん?
あそこは・・・・・
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