【第１６話】

転職の神殿｢ダーマ｣

「だってぇ、やられたくなかったんだもん！｣

本当に勇者なのだろうか？

「勇者よ！だから、これから強くなりに行くんじゃない」

そう、わたしはこれからバハラタの東にある、ダーマの神殿に

行こうと思うのだ。

そこで、いろいろな呪文が使える「賢者｣へ転職してみたい。

罰当たりめ・・・

「何か言った！」

いいえ・・・

・・・まぁ、わかっていたけれどね。

思いっきり、神官さんに怒られてしまった。

結構、賢者志望の人がこの神殿には集まっていて、「悟りの書｣を

読むことができたら、初めて、賢者になる資格が与えられる、

また、その悟りの書は、「ガルナの塔」にあるらしいという話を耳にした。

行ってみるか。

キラーエイプは助けを呼ぶ、強いったらありゃしない。

それでも、何回か退却して再度チャレンジ。

一回もやられず、悟りの書をget！

「ふふーん、賢者になるもんねぇ。」

「ばっかもーーーん」

「なんでぇ？」

「なんでもじゃ。理由なんかない！

勇者が転職するなんて、絶対に許さん！！」

「だってぇ、悟りの書、持ってきましたよぉ。」

「第一に、おぬしは勇者の自覚があるのか！」

「だから一度賢者に転職してから、また勇者に転職しようかな、なんて・・・」

ぎろっ

「いいえ、なんでもないです。さよならー」