親友の無言
アレフガルドの魔物は凶暴だ。
どれも強敵ばかり。
砂漠に足をとられ、苦戦する。
私は、今まで身につけたあらゆる格闘術で、
敵を次々と倒していった。
声がしない。
・・・・うそ・・・・巻き込まれたとか?
はぐりんの位置を確認してライデインを放ったから
大丈夫だと思ったんだけれど・・・・
まさか・・・・・
「はぐりん!」
心臓がどきどきする・・・・・
もしかして、まさかまさか!
「まったく・・・・チェルトったらぁ・・・・
無茶なんだから。
あんな強敵相手に一人で立ち向かうんだもの」
っと、急に後ろから、明るい声がする。
「・・・・・・・・・・
もう!
びっくりさせないでよ!
心配したじゃない!!!」
後ろからこっそり声をかけたのは
はぐりんだった。
「心配したのは、こっちだよぉ。
チェルトが強いのは充分わかっているけれど
あんな怪物とたたかおうとするんだもん。」
「そりゃ、私だって、戦いたくて戦っているわけじゃないわ。
できたら、戦いは避けたい。
でも、わたし、はぐりんみたいに素早くないし、
こんなに見渡しのいい砂漠の中では
逃げられないじゃない」
「それもそうだね。
僕だったら、砂の中にもぐってやりすごしたりするんだけれど」
はぐりんはかわいらしい目を
くるくるさせながらそう答える。
ほんと、彼(?)がパートナーでよかった。
はぐりんは本当にたよりになる。
「とにかく、ここは危険よ。
はやく、ドムドーラにいかなきゃ・・・・・
もう今つかっている盾も長くつかえないし・・・・・・
ん・・・・な、なに・・・・・この霧は?」
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