【第203話】

実体なき敵


魔王の影に先手をとらせないため、

稲妻の剣を使い、イオナズンに匹敵する爆風で

敵をあぶり出す作戦だ。

そこをライデインで一気に片づける。


しかし、魔王の影は姿を現さなかった。




倒したのか・・・・

それとも逃げたのか?


いつか戦わなければいけない相手にしても、

もし、まだ生きているのなら、

今は相手に逃げて欲しいと思う。

体力を消耗しまくった状態で

戦えば、勝ち目は薄い。


”・・・・・・・・確かに、バラモスを倒しただけあって

 戦闘力はたいしたものだ”


魔王の影の声が聞こえた。


・・・・・・・やっぱり、まだ生きている。


しかし、このイオナズンの爆風で何故無事なの?

それほどまで魔力の結界でもはっているの?


”しかし、それも無駄な努力だ

 私には剣も魔法も通用しない。

 何しろ、私には【実態そのものがないのだからな”


「・・・・・・・」


”私は、人の死をそのままかたどったもの

 何人たりとも私を倒すことはできん。

 たとえ、大魔王様でもな。

 私は、【闇そのものなのだから”


確かに霧から殺気は感じし、

奴が霧そのものだとは言っていたが

それを信じていなかった。


そんな魔物は存在しないと思っていたし、

霧は、どこかに敵の本体をカモフラージュるすものだと

思っていたのだ。


”見えない敵”ではなく、”実態がない敵”


初めてだった。

こんな敵と戦うのは。


・・・どうする・・・・・どうする・・・・


気持ちだけが焦る。

冷静にならなければいけないという自分がいるが

敵に攻撃をする前に倒さないと・・・


”それが限界のようだな。

 では・・・・・今度はこちらからいかせてもらおう”


そういうと、魔王の影は、聞いたことがない魔法を

唱え始めた。


何をする気なの?


その効果はすぐに、体に現れ始めた。




第204話 死の言霊ザラキ

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