【第246話】
聞き覚えのある声
マイラの宿で休んでいると、騒ぎがあり、私は、部屋からでると、一人の男がたっていた。その男は私のことを知っているようだ。
「あなたは・・・・・誰?」
「そうか・・・・・・確かに俺の素顔を
見たのは初めてだったな。
わからなくてあたりまえか・・・・
まぁ、いい。
鍛冶屋にきいて、おまえがここにいるのがわかった」
「!? ということは、あなたが、オリハルコンを?」
「あぁ・・・・そうだ。
オリハルコンは俺が持ってる。
もともと、おまえさんに渡すために、手に入れたんだがな」
私は、突然のことで、頭がパニックになった。目の前にあらわれた男は、間違いなく、ドムドーラの村でオリハルコンを手にいれた人のようだ。そして、その男は、私に渡すために、オリハルコンを手にいれた、また、私のことを知っている・・・・しかし、私は目の前の男性を知らない。見たこともない。
いや・・・・・・・・・声は・・・・・声はなんとなく、聞き覚えがある・・・・・・気がする。
「あなたは、私を探していたの? 私は以前、あなたと会ったことがあるの?」
男は無言で私のことを見つめていたが、私の質問には答えなかった。
「あんたがあのオリハルコンを欲しがっているのはわかってる。
だが、今のあんたが、最強の剣をもつにふさわしいかわからない。
だから、おまえの力、見極めさせてもらうぞ」
「見極めるって・・・・・」
「決闘だよ、決闘。
あんたと俺が戦って、あんたが勝てば、オリハルコンは譲る。
だが、あんたがあれをもつにふさわしい人間じゃなかったら、
オリハルコンは俺のものだ。
シンプルだろ?
あんたは断れねえぜ。
もともと、あれは俺のものだからな」
随分強引な男だ。いきなり決闘を申し込むなんて。
ただ、相手のいうことも一理ある。信用できる相手に渡すのは当然だし目の前の男は、その信用のあかしが強さなのかもしれない。まして、伝説の武器を渡すわけだから、私にそれを使いこなす力があるのかと見極めたいというのもわかる。
「いいわ・・・・・」
第247話 見極め
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