【第247話】
見極め
オリハルコンを探し当てた男は、私に決闘を申し込んできた。王者の剣を持つにふさわしいか、見極めるためだろう。正直なところ、戦いをしたくはないが、仕方ない。私は、装備をととのえ、マイラの村から少し離れたところでその男と戦うことになった。
「ここまで、来れば村には被害が及ぶことはないだろう」
「えぇ・・・・」
村からかなり離れたところに来た。村の中で決闘をしたくないというのももちろんあったのだが、今の相手の言い方だと、魔法かそれに似ていることを使うことだとわかった。
剣の戦いなら、直接村に被害が及ぶことはないが、村の被害を気にするということは、剣だけでなく、それなりの魔法を使えるのかもしれない。
「あなたは、魔法を使えるの?」
「いや、使えねぇ」
ズルっ
思わずこけてしまった。
「なら、ここまで離れなくてもよかったじゃない・・・・・・」
「心配するな。
それに、あんたが今持っている剣は魔法の剣だろう?
思いっきりかかってこい」
「それは、剣だけの一騎うちというのではなく、 魔法も使っていいってこと?」
「おうよ。
確かに俺は魔法は使えねぇ。
だが、俺にはこいつがあるからよ」
そういって、背中のさやにささっている剣をたたいた。目の前の男は剣を二本もっている。1本は背中に、もう一本は腰にたずさえている。もしかして、背中に背負っている剣は魔法の剣なのかしら?
「さて始めようか・・・・」
男はそういうと腰の剣を引き抜いた。
第248話 隼の剣
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