【第248話】
隼の剣
決闘がはじまった。男は2本あるうちの腰にささっている細身の剣を引き抜いた。
「始めるぜ・・・・・」
「いいわ・・・・・」
私も稲妻の剣をかまえる。
様子見をしようと思ったところ、目の前の男は一瞬で間合いをつめてきた。はやい!
考える暇もない。相手の一撃を盾でうけとめる。力任せに押し返そうとするが相手は剣をひいて、素早く2撃目を繰り出してきた。電撃のように強烈な一撃だ。
今度は稲妻の剣で返す。しかし、こっちの攻撃体勢を立てる前に3撃目を繰り出してきた。
なんという剣の使い手だ。防御で精一杯で攻撃にうつれない。
3撃目を盾で防ぎきれないと悟り、
盾を投げ捨て、後ろに倒れこむ。
「もらった!」
そこへ続けざまに4撃目をつきたてくる。やられる・・・・仰向けに倒れ、剣で返せそうになかったので、とっさに左手でベギラマをとなえた。
これは、予想できなかったらしく少しの隙ができ、そのあとベギラマを、剣圧でかき消す。
それにしても剣圧だけでベギラマをかき消すなんて、
なんて奴だ・・・
それを横目に、一瞬の隙に私はよことびにとび、一回転して、起きあがり、体勢を整える。
想像以上の強さだ。
体格からして、力任せの戦士かと思ったのだが、素早さが並じゃない。
私は、男の人に比べて力が足りないため、今まで、スピードと技を極め、ここまでのりきってきた。
スピードだけだったら、誰にも負けるはずがないと自負をしていたが、ここまでのスピードを誇る人間がいるとはおもわなかった。
「俺の4連撃まで無傷でかわしたとはさすがだな」
男は余裕があるように話してくる。
「あなたこそ、相当の腕をもっているわね。 しかも、ベギラマを剣圧だけで抑えられるとは 思わなかったわ」
動揺を悟られないよう、こちらも堂々と受け答えする。
「こいつは、隼の剣といってな、
世界一軽い剣だ。
しかし、なかなかの強度を持っていて、
あんたの魔法の剣と打ち合わせても折れない」
力ではかなわない。しかも、スピードも力負けするかもしれない。どうするか・・・・
第249話 剣奥義
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