【第25話】

置いていくんじゃ!


スーの村で村長さんから別れ際にある頼み事をされたの。

1年前にスー族の住民の一人がこの村の生活に耐えられなく、

自分の町を作ると行って遥か東に旅立った人がいたみたい。

しかし、ここのところ音沙汰がないのでぜひ様子を見てきて欲しいと

言うことだ。

そのお礼といってはなんだけれど村長さんの家に伝わる家宝の

いかづちの杖を頂いた。


でも、通常攻撃が全グループ攻撃刃のブーメランだから、

あまりつかわないんだよねぇ。

役に立つの、守備力の高い、青カニ「ガニラス」ぐらいかなぁ・・・・・

トヘロスを使い、近いので、すぐに目的地に着いた。


探していた老人はスーから少し東の平原で発見した。

町なんて無いじゃない・・・・・・・・・

それにこんな何にもないところで、この人どうやって生活しているのかしら。

まぁ、なにはともあれ、このご老人に話しかけることにした。

「あのぉ、スー族の方ですよね」

「うおおぉ!

 そこにいるのは、商人じゃないくわぁ!」

(きゃっ!お、おっきいな声ね。びっくりしたぁ。

 それにしてもこの人、私の話、聞いてる?)

「え?わたし?」

「そうじゃ、そこのちっこいのじゃ!」

(唾、とんでくるよぉ・・・・・)

「ちっこいのは、よけいよぉー」

ムーンはいつものやんわりとした口調で答えた。

それにしてもご老人はムーンを人目で商人と見破ったみたい。

ふーん、なぜ、わかるのかなぁ?

商人独特のオーラとか出ているのかしら?

あ、そんなこと考えている場合じゃないわ。

「あの、スーの村長さんから様子を見てくれるように

 頼まれたんですけれど、みなさん心配してますよ」

「一生のお願いじゃぁ!!

 この商人をおいていっておくれ!」

(・・・・・・・・・・・・・・・・・人の話、聞いてないね)

「あのですね、全然、話がかみ合ってないと思うんですけど・・・・・」

「お願いじゃぁ!!

 この子をおいていっておくれ!!!」

(だめだ・・・・・・・・・・)


第26話 妹

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