妹
おいていくことにした。えっ?仲間なのにひどいって?
でも、これからの危険な旅、あの子を巻き込みたくないから・・・・・
あ、そうだ、本題に入らなければ。
何故、ご老人はムーンを置いていけと言ったのか。
じつは、町づくりには、商人の知識が必要不可欠なのだが、
こんな何もないところに人も来るはずもなく、困り果てていたそうだ。
そこへ商人のムーンを見かけたので、スカウトしたいという事。
ムーンも、結構乗り気だったみたいで、彼女はここの町づくりを
手伝うことになった。
「・・・・・・・泣いてるの?」 「そ、そんなことないよ」
「ふーん・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・泣いてくれてもいいじゃん」 「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・泣いてもいいんだよ」 「・・・・・・・うん・・・・・・・」
いつもは、生意気で、ぼっーとしているこの子も
いざ、別れるときになると、たまらなく悲しくなってしまう。
涙をごまかすため、私はムーンを抱きしめた。
「なんかさ・・・・・あなたのこと、ほっておけないのよね。
私、一人っ子でよくわからないけれど・・・・妹みたいで・・・・」
「・・・・・・・・私も・・・・・・・・私も、お姉さんができた気分だった・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」 「一人で大丈夫?」
「なんとか、やっていく・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」
「だいじょうぶよ!そんな心配な顔しなくて。
私だって、商人のはしくれよ。
ここで、チェルトがびっくりするような街を作るから!」
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