【第255話】
森からの襲撃
私はメルキドに向かうことにした。マイラの村の鍛冶屋夫妻にそのことを伝えておき、はぐりん、それに新しく仲間になったカンダタと私はルーラの魔力でドムドーラへ向かった。
「本当に魔法って便利だな。
俺が、ドムドーラから、マイラに行ったときは
えらい苦労したが、あっという間だもんな」
「移動系の魔法は本当に便利ね。 種類によっては、魔法を多用すると 生態系を壊すこともあるから、考え物だけれど」
「さて、ここから、砂漠を渡って
東にいけば、メルキドだったな」
「うん。 途中で森があるみたいだけれど。 砂漠越えの準備はマイラでしてきてあるし、 このままメルキドへ直行しましょう。 今度は3人だから、砂漠の横断も 前よりかなり楽にわたれると思うわ」
実際にそうだった。カンダタは、決闘で手を合わせたときからわかっていたが、以前戦っていた時より、飛躍的に強くなっていた。それはカンダタから見れば、私も同じなんだろうけれど、私が戦うまでもなく、カンダタの隼の剣は、アレフガルドのモンスターを私たちに近づけさせなかった。
一人で、ドムドーラから、マイラまで歩いてきたのだからこの強さも、頷ける。次に決闘したら、どっちが勝かわからないかも。そんなことを考えていた。
「やっと森に入ったね」
砂に足をとられ、汗をかなりかいたが、森のなかはひんやりとしていた。
「おい、足下に気をつけろよ」
「あら、優しいじゃない。 一応女の子として見てくれているのかしら」
「バカいえ。
俺より強い奴をなぜ女扱いしなきゃいけないんだ」
そんな言い方・・・・しなくてもいいのに。
「はいはい、どうせ私は男勝りですよ~っだ」
「よくわかっているじゃねぇか」
ちょっとはフォローしなさいよ。
そんなことをふてくされて考えていたのだが
「ねぇねぇ」
はぐりんが話しかけてきた。
「ん? なぁに?」
「なんか・・・・あの辺こそこそしているよ」
はぐりんがその方向に目で合図する。
「・・・・そう?」
「気のせいじゃねぇのか?」
「したもん!
こそこそしたぁ~」
はぐりんが、頑と言い張る。
「どっちにしろ、用心しにこしたことはないわね。 気をつけて進みましょ」
そんなことを言っていたら、突然、巨大な火球が私たちに襲いかかってきた。
第256話 マクロベータ戦
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