【第256話】
マクロベータ戦
ドムドーラから東に向かい、メルキドを目指す。砂漠を越え、森に出る。はぐりんが忠告した刹那、火球が私たちを襲った。
とっさに、その火球をかわす。
「敵か!?」
「そのようね」
カンダタは隼の剣を素早く引き抜き、体制をととのえる。私も稲妻の剣を引き抜き、勇者の盾をかまえる。
森から奇怪な声をあげて、モンスターが現れた。出てきたのは、槍をもった仮面をかぶったモンスターが7匹。人間のように見えるが、以前、上の世界で、シャーマンなどを見たが、それと同じやつらだ。
「話し合いが通じそうな相手じゃなさそうね」
「だったらやるまでよ」
「木を背に向けて戦って! そうすれば、背後の敵は気にしなくてすむ!」
私とカンダタは、少し下がり、木に背を向けた。一人で、7匹のモンスターを相手をするのは大変だが、カンダタがいてくれたおかげで、私は、3匹のモンスターを相手にすればよかった。
目の前にいるモンスターが、私に向かってメラミを唱えてきた。私は、それをさけず、前進しながら、勇者の盾で払いのけた。
メラミの炎は、盾に傷一つつけることなかった。
さっきの火球はこれだったのね。続けざま、魔法を唱えようとするモンスター。
「遅い!」
私は、呪文を唱える前に、稲妻の剣をそのモンスターにたたきつけ、切り倒した。
イヤな感触がつたわるが、非情になり戦い続ける。
魔法は遠くにいて効果があらわすもので、残り2匹もかなり接近するため、私にメラミの魔法をかけることはできないと悟ったのか、同時に槍を突きだしてきた。
一本は勇者の盾で、槍を受け流し、もう一本は、剣ではねのけて、そのまま切り伏せる。
槍を盾ではじかれ体制を崩しているモンスターを返す刀で、倒す。
カンダタの方の助太刀をしようとおもったが、私が倒したときに、カンダタも4匹のモンスターをすべて倒していた。
「ふぅ・・・・・・」
「危なかったわ・・・・」
戦いは一瞬で勝負がついた。だが、これが私とはぐりんだけだったら、こうは行かなかっただろう。戦いが終わったあとの安堵と、もしカンダタがいなかったらという緊張感の両方が私を包んだ。
第257話 要塞都市メルキド
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