【第258話】
争いの跡
森を抜け、メルキドの外壁が見えてきた。あそこまで行けばとりあえず、休める。私たちの足は早まる。
しかし、目の前の光景は・・・・
「なんだ・・・・この死体の数は・・・・・・」
カンダタが驚くのは無理もない。目の前には、大量のモンスターと、人間の死体が、広がっていた。その数は100や200ではない。
どうみても・・・・・人間とモンスターが争った跡だ。争った跡という生やさしい物ではない。
「メルキドに魔物たちが襲撃したのかしら・・」
目の前の光景に唖然としながら、そう言う。
「と、考えるしかなさそうだな」
カンダタもそうつぶやく。
ひどい有様だった。テドンの村もひどかったが、それと同じようだった。
死体の腐敗臭がしないことから、争いが行われてから、まだそれほど時はたってないことはわかったが、それにしても、これはひどい・・・・・
「もしかして、メルキドは、もう魔王の手に落ちているかもしれないな・・・」
「・・・・えぇ・・・・・」
「どうする?」
「・・・・・・・・ここまで来たんだもの。 とりあえず、メルキドの近くまで行ってみましょう。 もし、メルキドが、まだ魔王軍に侵略されていないのであれば、 私たちはそれを手助けしなければいけないし。
もし、もう魔王の手に落ちているのであれば、 私たちだけで、魔物を倒すことはできないから、 ラダトームに要請を頼んでみましょう。
私たちもその戦いに加わるか、もしくは一刻も先に魔王を倒すか、 それは、そのときに考えよう・・・」
今回は申し訳ないが、テドンのように埋葬ができない。なにより、魔物がまたいつ襲ってくるかわからない。早くメルキドの様子を見なければ。
第259話 閉ざされた門
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