【第263話】

竜騎士伝説


オルテガと呼ばれる戦士の名前を聞いて、

私の心の中でいろいろな感情が交差した。

ただ、一つ、純粋に願う気持ち、

それは、父オルテガが生きていてほしい、そう願う。

オルテガは、竜神の力を借りに、ドラゴンロードへ行ったとのことだった。




「ドラゴンロードや竜神の話は知りませんか?」


「えぇ・・・ごめんなさい」


「これは、現実にある話なのかどうかわかりません。

 もしかしたら、おとぎ話なのかもしれません。

 ただ、オルテガさんは、その話を信じ、ドラゴンロードに向かわれました。

 はるか昔、人間とドラゴンは敵対する者同士ではなかったのです」


ドラゴンというと、確かに凶暴なイメージを持つ。

それが敵対する動物でなかったというのは・・・・

もともとは温和な性格を持っていて、

それが大魔王ゾーマの魔力において支配下に置かれたということなのだろうか。


「もちろん、共存もほとんどのものがしていませんでした。

 しかし、人間とドラゴンは、言葉は違っても、

 お互いに知性が高い動物のため、お互い理解できることもあったそうなのです。


 それが魔法によるものなのか、それとも、ドラゴンの言葉というものが

 存在するのかはわかりません。

 今、ドラゴンと共存している者がいないため、

 その真偽性はわからないのですが・・・・

 ドラゴンを操ることはたやすいことではありません。

 今の世の中にドラゴンを操るものが一人もいないのがいい例でしょう。


 ただ、ドラゴンの心をつかんだ人間は、

 巨大なドラゴンと共存することができ、

 ドラゴンを自由に操り空を駆け巡ることができました、


 そして、ドラゴンに乗った戦士は「竜騎士」と呼ばれ、

 このアレフガルドを守ってきたのです。

 

 アレフガルドが、歴史的に危機に瀕したことは、今回に限らず

 過去にもあったそうで、そのたびに、竜騎士と呼ばれる、人物が

 アレフガルドを救ってきました。


 竜騎士は、どんなものよりも強く、屈しない戦士です」


「竜騎士というのはどういうものなのかはわかったわ。

 それで、ドラゴンロードや竜神というのは?」


「ドラゴンの生態ははっきりしていないのですが、

 それが卵で生まれるのか、それともまた別のもので生まれるのかわかりませんが、

 竜神とは、ドラゴンを生む、いわは母親のようなものです。

 それが竜の中の神様とあがめられているわけです。


 竜神は、このメルキドをさら南にいくと、ドラゴンロードと呼ばれる

 険しい山道がありまして、その奥に住まれていると言われています。


 もっとも、今その竜神がいるかどうかはわからないのですが・・・・」


今の話を聞いて、私は、竜の女王のことを思い出してしまった。

ホビットさんのことも。


第264話 竜の女王と神竜、そして竜神

前ページ:第262話 「オルテガの手がかり」に戻ります

目次に戻ります

ドラゴンクエスト 小説 パステル・ミディリンのTopに戻ります