【第264話】
竜の女王と神竜、そして竜神
「竜騎士」いうドラゴンを操る戦士が過去にアレフガルドの危機を何度も救ったそうだ。
ドラゴンロードと呼ばれる険しい山道の奥に、竜神という、ドラゴンを生むとあがめられているものがいるらしい。
「そこに・・・とう・・・オルテガという戦士が行ったのね」
「はい」
いろいろ考えをめぐらせてみた。お父さんかどうかはわからないけれど、オルテガという戦士が、竜神の力を借りに、魔王軍を阻止するため、竜騎士になるためにドラゴンロードに向かった。
竜神。私は竜神というと、竜の女王様や、神竜を思い出した。神竜は、以前、ゾーマの卑劣な罠にあい、命を落としている。また、竜の女王様も、卵を生み、そして私が光の玉を得る試練として、お亡くなりになられている。
こちらの世界にも竜神という別の竜の神がいるのだろうか?
ネクロゴンドのギアガの大穴を通じてアレフガルドに来たとき、また、マイラにいるジパング出身の家事屋夫婦、そして、父かもしれない、オルテガと呼ばれる戦士、
この世には、いろいろなところに、アレフガルドと上の世界をつないでいるところがあるということがわかった。
アリアハン大陸とロマリアを結んでいる同じ世界で旅の扉のように、つながっているのは決して珍しいことではない。
ということは、上の大陸とアレフガルドの異空間をつないでいるところもギアガの大穴以外にもあるということも、決してありえない話ではないのだ。
もしも・・・上の大陸で、竜の女王様が住んでいらっしゃったところとドラゴンロードが通じているという可能性が思いついた。
もしそうなると、竜神と竜の女王様、もしくは神竜が、竜神ということであれば、もうこの世には、いないということになってしまう。あくまで予想なので、そういう否定的なことは考えたくなかったのだが・・・
そうではなく別にこのアレフガルドに、竜神と呼ばれるものが存在するのだったら、まだ、別の竜が生まれ、竜騎士が存在する可能性もあるわけだ。
竜神に会いに行った人がお父さんなのかすごく気になる、だが、一方、今、メルキドが置かれている現状も充分理解できるため、冷静に物事を考えようと、つとめた。
「魔物が攻めてくるのはいつ頃か、わからない・・・わよね?」
「えぇ。
ただ、メルキドが弱っている今、
魔王も、ここ一週間くらいのうちにメルキドを落としにくるのでは・・・
と思っているのですが」
「どうする?
ドラゴンロードにすぐにいくか?
それとも、ここにとどまるか?」
「できれば、チェルト様には、ここにとどまっていただきたいです。
今、メルキドを攻められたらいつまで持ちこたえられるかわかりません」
「・・・・・・・・・・・・」
本当はすぐにでも、ドラゴンロードに行きたい。お父さんかどうか、確かめたい。その気持ちは・・・・抑えられなかった。
ただ、私がここにいて、手を貸せば、すくなくとも、メルキドの人たちの役にはたてる。そして、メルキドを大魔王に落とさせるわけにはいかないのだ。
「ここに・・・・・とどまります・・・・」
第265話 アレフガルドでの名声
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