【第265話】
アレフガルドでの名声
ドラゴンロードに向かうか、メルキドにとどまるか、選択に迷った。本当はドラゴンロードにいって、お父さんかどうか確かめたい。だけれど、メルキドは私を必要としている、私がいることで、大魔王との戦いを楽にすることができる今メルキドに攻められて、この街を滅ぼさせるわけにはいかない・・・だから、私は、メルキドにとどまることにした。
メルキドの街で、私は、一つの傭兵隊の隊長を任された。残り一週間くらいで、この傭兵隊で、どうやって魔王軍と戦うか考えないといけない。
人間は、魔物より、あらゆる点で、劣っている。体力、魔力、生命力。まともに戦っても、よほどの戦士、魔法使いでなければ、強い魔物には勝てない。
しかし、人間が魔物に勝っているものもある。それは、知力であり、力をあわせることで、何倍にも力を発揮することもできるのだ。
もちろん、知力の高いモンスターも数多くいる。
今までは一人だけの戦いだったが、これからはみんなで力をあわせて戦わないといけない。
今、メルキドで戦える人は、先の戦いで、かなりの犠牲者がでているため、1000人ほどになっている。
その1000人の人を、10隊にわけ、私は、そのうち、一つの隊をラダトームの騎士隊長から任せられることになった。
驚いたのは、私の名前が、アレフガルドで、それなりに知られていることだった。ラダトームでおきた、太陽の石の一件以来、ラダトームの言い伝えの一言にある
「神に選ばれし勇気ある者」
という勇者として、ラダトームを元に名前が広まっているとのことだった。
また、実際に、上の世界で、大魔王の配下の魔王バラモスを倒したということも、みんなを勇気づけているとのことだった。
私のことをみんなは、歓迎してくれ、隊長として迎えてくれた。カンダタも今回のことに加わり、私のサポートをしてくれることになっている。
もっとも、私は、一人としての戦い方には慣れているけれど、軍隊のように集団で戦う方法は当然したことがない。
きっと、大きな戦いになるだろう・・・犠牲者もたくさん出るだろう・・・
私がみんなにできることは、今までたくさん戦ってきた、いろいろな魔物がでてきたときの対処法、どういう敵がどういう弱点をもっていて、どこを攻めるか、剣以外に、弓矢やクロスボウなどの遠隔攻撃の仕方、などを傭兵達に教え込んで鍛えていった。
第266話 傭兵隊隊長の仕事
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