【第275話】
3匹のヒドラ
ドラゴン討伐隊が、ドラゴンと激戦をくりひろげていた。そのドラゴンの後ろに5本の首を持つ巨大なヒドラが3匹も待ち構えていた。あのままでは確実に殺されてしまう!
ドラゴンと討伐隊が密接しているため雷神の剣が使えない。カンダタは隼の剣を抜き放ちドラゴンに向かっていった。私も後を追いながら稲妻の剣を抜き放ち全力でかける。
しかし残酷にも時は待ってくれなかった。ヒドラとドラゴンは次々と人間達に襲いかかり私達がたどり着いたときは、一人残らず食い殺されていた。
「くそ!
間に合わなかったか!」
「なんてことを!」
目の前の惨劇に怒り、目の前の敵を倒すことしか考えられなかった私は稲妻の剣を振りかざしイオラの嵐をあびせかける。
カンダタも雷神の剣をふりかざし巨大な雷がドラゴン達をうつ。ドラゴン達の悲鳴が響き渡る。
二本の剣の魔力によりドラゴン達は燃え尽きた。
しかし後ろに控えている硬いうろこを持つヒドラにはあまりダメージを与えていなかったようだ。
「こいつらは手ごわいぞ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
冷静になれ・・・・冷静になれ・・・・自分にそう言い聞かせる。
目の前で人がみんな食い殺された。ドラゴン討伐隊の無残な死が目にやきついている。怒り、悲しさいろいろな感情がある。しかしそれを無理矢理押さえ込む。怒り狂い戦っても何も生まれない。冷静さを失えば自分も死ぬ。戦場の鉄則だ。
私は生き残らなければいけない。先ほどのカンダタの声が私の頭でよみがえった。
だからこそ冷静になって状況を見定めてこの戦いで勝たなければいけない。怒りを忘れてはいけないが、冷静になって、勝つ方法を考え出さなければいけない。
ヒドラは・・・・沈黙の洞窟で戦っている。強力な再生能力を持っているため、首を一本ずつ切り倒してトドメに体の中心にダメージを与えなければいけない。
しかしカンダタがいてくれるとはいえ、3対のヒドラを同時に相手をして
15本の首の攻撃をかわせるか?
第276話 魔法の援護
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