【第277話】
失われた腕
三匹のヒドラ。ピオリムの力とカンダタの力によりどうにか倒すことができた。しかしちょっとした油断に新たな刺客に襲われる。私を助けようと突き飛ばすカンダタ。
「カンダタ!」
なんてことだ・・・・カンダタは右腕を肩からそのまま腕を食いちぎられていた。のたうちまわるカンダタ。かけよる私。
しかしカンダタは右肩を抑え
「戦場で油断するな!
目の前の敵を倒せ・・・」
そう叫ぶ。ものすごい出血でこのままだと死んでしまう。
目の前の敵が何かはわからなかったが稲妻の剣を振りかざし、イオラで爆風をつくり砂煙を巻き起こす。敵から身をかくす少しの時間稼ぎにはなる。
私は砂煙の中、カンダタにかけよりベホマを唱える。とにかく出血を抑えないと・・・
「俺に・・・かまうな・・・・」
「そうはいかないでしょ! 私を助けるために・・・・・ ごめんね・・・・・ごめんね・・・・・」
私は泣きながらベホマを唱えつづけた。
失われた右腕はもう戻らないが、傷口だけはどうにかふせぐ。
「俺は大丈夫だ・・・
それより目の前の敵を・・・」
「う、うん・・・」
カンダタは強がりをいっているが、腕を失った人間が大丈夫なわけがない。だけれど、カンダタが言うこともわかる。ここは戦場だ。戦いが終わるまで戦いつづけなければ自分が命を失う。
「視界がはれるぞ・・・・」
砂煙が徐々にはれてきた。その先に先ほどのヒドラより一回り大きい赤紫の鱗をもつヒドラがいた。
第278話 キングヒドラ戦1
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