【第278話】

キングヒドラ戦1


私のことを助けるためにカンダタは右腕を失った。

カンダタにベホマをかけてなんとか出血だけでも止める。

イオラの爆風でつくった砂煙の壁が徐々にうすれてきた。

目の前にいる敵はヒドラより一回り大きい

赤紫の鱗をもつヒドラがいた。




圧倒的な威圧感と殺気。

そして魔王にあやつられ本能だけで行動している魔物からは

感じられない、言葉に表せない違和感があった。


「なに・・・・このヒドラは・・・・・」


強いモンスターからは威圧感を感じるものだが

こいつの威圧感は他のモンスターとは別格だった。


そして、その威圧感の中と圧倒的な殺気の中に、

何か得体の知れないものがあった。


魔王バラモスと向き合っているときと同じような

プレッシャーを感じる。


”貴様が・・・・・この戦いの中心人物か? ”


なんとそのヒドラの首から声を発された。


「・・・・ヒドラのくせに話すことができるの!?」


”我はキングヒドラ。

 大魔王ゾーマ様の忠実なる下僕。

 このメルキドを落とすために来た。

 もう一度だけ聞く。

 おまえはこの戦いの中心人物か?”


話せるヒドラがいるとは驚いた。

ということは、このヒドラは他の魔物と違って

知能も高いはず。


「だったらどうだっていうのよ!」


私は叫んだ。

カンダタやドラゴン討伐対を苦しめて許せない!


”死ね”


一言キングヒドラはそう冷たく言い渡すと

炎をはきながら襲いかかってきた。


私はキングヒドラの炎を勇者の盾ではじき返して

剣を構えた。


わかっていた。交渉など通じる相手ではないし、

何より私の気がすまない。

許せない。


絶対に負けるもんか!


第279話 キングヒドラ戦2

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