【第280話】
キングヒドラ戦3
恐ろしい魔物だ。圧倒的な敵の前に成すすべもなくお腹から噛みつかれた。もし大地の鎧がなかったら私の体は上と下が離れていただろう。致命傷の傷を受けながらライデインを使いどうにか脱出をはかる。
”おのれ・・・・・人間め・・・・・・”
ライデインを受けたキングヒドラはギラギラした目で私をにらみつけた。
ライデインでは倒せなかったもののダメージは与えているようだ。
ギガデインなら倒せるかもしれない・・・しかしベホマで傷がふさがったとはいえあまりの出血と戦前に強力な魔法を使っているためとてもだがギガデインを使えない。
また雷雲を呼び寄せ、倒れるまでライデインを当て続けるしかない。私は意識を集中しはじめた。
しかしキングヒドラもそれほど甘くない。私より早く動き今度は頭を噛み砕こうとする。
「くそ!」
ライデインを唱えるのをあきらめ稲妻の剣をかまえる。3本の首が同時に襲いかかる。
しかし先ほどのピオリムの効果が持続しているのでなんとか攻撃をかわすことができた。
私は攻撃をかわしながらカウンターで相手の力を利用して剣を思いっきり叩きつけた。鱗をつらぬき、キングヒドラの首に致命傷をあたえる・・・・・はずだった。
しかし稲妻の剣で、金属が激しくこすれるような音がしてキングヒドラの鱗を破ることができなかった。なんということだ!
魔法の稲妻の剣をもってしても鱗をつらぬけないとは!?
”我の鱗を貫く剣なぞ存在せんわ・・・・”
低い声でキングヒドラがうめくように言う。
どうする・・・剣が通じず、唯一効き目があるライデインを唱える時間がない・・・
第281話 キングヒドラ戦4
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